詩・「病棟の回転遊戯」⑥
「療養病棟 Ⅰ」
「ガラガラボコボコ、
シュボシュボ、ガラガラ」
と痰を吸引する患者の隣で
食事をする
療養病棟への移動の説明で
医師が目をそらせた意味が分かる
看護師長は待合室での食事を勧める
どうせ日常的に聞くことになるのを
そのときだけ避けても仕方がない
全て、慣れだ
「ガラガラボコボコ、
シュボシュボ、ガラガラ」
「療養病棟 Ⅱ」
おじいさんは脳の病気で精神が壊れた
チューブで食べ物を胃に送っている
手はチューブを引き抜かないようにグローブをはめ
看護師がときどき
「ガラガラシュボシュボ」
と痰を吸引する
見舞いに来たおばあさんは
何も言わないでグローブの手を握る
看護師がときどき
「ガラガラシュボシュボ」
と痰を吸引する
おばあさんは毎日来てグローブの手を握る
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