私の世界・人との邂逅―怪人仁木哲③
知り合ってからしばらくして、仁木さんは株式会社仁研究所を立ち上げます。
「君も出資してくれへんか?」
と仁木さんは言うので10万だけ出資したら、発起人の取締役にするのです。
仁研究所は錦市場で有名な卵屋さんの持ちビルの二階でした。最初の取締役会はすき焼きの「かのこ」でしたが、集まってビックリしたのは、末石先生が参加者だったのです。仁木さんは三高のとき寮長だったそうで、末石先生も仁木さんとその頃の同級生だったのです。私が若い頃、始めて淀川流域総合計画に参加して汚濁負荷量の計算をやったとき、末石先生の指導を受けた人の指導を受けた人の指導を受けた(間違いなく3回以上続く)ので、私には神様のような存在なのです。
研究所には多彩な人が集まりました。私の事務所は仁木研究所へ5分とかからない近くだったので、特別な人が来るとよく電話がかかってきて呼び出されるのです。
研究所に来る人は特徴がありました。世間で言う超一流の人ではありませんでしたが、世が世であれば超一流になれた、もしくはなれそうな人達が沢山訪ねて来ました。
そして、いろいろ話をしてから仁木さんは最後にかならず、
「誰々(超一流の人)はあかん、彼より、あんたのほうがなんぼか優れている。世間があほなんや。」
と言うのです。
来客は得々として帰っていくのでした。
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