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2011年6月26日 (日)

詩・「病棟の回転遊戯」③

「異次元の使者

病棟に子供が来ると

まわりが異次元の世界

みんなはそれに少しでも触れようと

子供たちに話しかける

天使はお構いなしに

はしゃぎ駆け回る

患者の中にもひねくれ者がいて

「うるさい餓鬼やなあ」と言ってしまう

彼は後で後悔しなければならない

天使に触れた人は

その一瞬でも自分の身を忘れ

確かな喜びをつかめた

「「看護のひと」

母のように慈愛に満ちて

相手を気遣い

少女の妹のように勇気付け、

姉のように叱る

冷徹な技術者として

施術を履行し

優秀な召使として

排泄物を処理する

娼婦のように妖艶に

情動を喚起して

あなたはまだ幼子の母だという

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