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2011年8月14日 (日)

私の世界・人との邂逅―システム科学の人々・八杉理事長

私の本業の1つはコンピュータ・プログラムの作成です。それは、40年以上も前に京都コンピュータ・センターというコンピュータ・プログラムの専門学校に入って学んだことに始まります。そのまま京都コンピュータ・センターのシステム開発部に就職したことが契機となりました。

そこに理事長の八杉正文さんが居ました。八杉さんは京都市の助役や交通局長をやった後、自由民主党・民社党が推薦して市長選に出馬します。社会党・共産党の推す富井市長と戦いますが、当時の京都は蜷川虎三府知事が居て、革新色が強く、夢―破れてしまったのです。

その後、京都産業大学法学部の行政学の教授となります。

大学を退官してから京都の政・経済界の協力を得て、京都コンピュータ・センターを作るのです。情報工学の単科大学にしたいと話していました。

印象に残っているのは、理事長室にルノワールの絵画らしきもの?が飾ってあるのですが、若い研究員を呼んで、

「私は君たちのような芸術品??の将来に賭けているんだ。それに比べるとこんな絵画〔ルノワールの絵?のこと〕なんか1つも惜しくない。いつでも売って君たちの為に使おうと思っているんだ。」

と話してくれました。

入社した年のクリスマスの前の日、八杉さんが僕と大橋さんを理事長室に呼ぶのです。

「何を、怒られるのやろか?・・」

とビビッて理事長室に入ると、ニコニコした八杉さんが居ました。

「今日は、クリスマスイブだよ!君たちもたまには祇園で飲んで来なさい。」

とパーティー券を二枚差し出すのです。

「その代わり、券だけにしなさいよ。絶対お代わりしてはいけません。祇園のクラブはものすごく高いお金を請求されますから!」

と言ってくれました。

八杉さんは、当時、泉さんという通産上がりのおじいさんに、社団法人の申請を依頼していました。多分、それが上手く行きそうなので嬉しくて、僕らにもそのおすそ分けをしてくれたようなのです。

ただ残念なことに、その夜、交通事故で亡くなられたのを次の日に知りました。なんとも無残というか、「そんな、僕らのことを気遣うような、珍しいことをするからや?・・」と泣きました。

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