私の世界・子供のころ12―ベヤリング・トラックの音
私は母が27歳のときに産んだ長男?(本当は次男)で、その頃にしては遅かった子です。もう子供を諦めそうになって、先に「弘」君という赤ちゃんが生まれたのです。そして生まれて1週間も経たずに直ぐに死んでしまったのです。昔は赤ちゃんは生まれても普通に、よく死んだようです。
母は良くいたずらで困らせると、「あなたがいられるのは、『弘』お兄ちゃんのおかげよ!・・」と話しましたが、子供なので意味が分からず悩んだものです。
弟は4っつ下ですので遊び仲間にはならない微妙な間です。それだけ離れていると知力・体力敵わないので、頭の上の重石のように煩わしい兄貴だったと思うのです。私には言うことを聞かない「ごんたくれ」の弟でしたが、可愛いときもありました。
親父は会社の仕事ぶりは知らないのですが腕が起用と言うか、乗れるほど大きい子供用の木製トラックやパイプを利用したブランコ(4人乗り)を作ってくれました。当然、近所でそんなものを持っている子は居ません。
一日中「ガラガラ?・・」とトラックを押して遊ぶのですが、かなりの音がして「うるさい」はずなのに近所の人に文句を言われませんでした。
親父はかなり短絡的なところがあって、ゴム製のタイヤ(多分会社の工場で使う台車のタイヤ?)がダメになると、「丈夫だから」と言う理由だけで「ベヤリング」そのものをタイヤ代わりに付けたのです。
「ベヤリング」タイヤは特にコンクリートのたたきで「ゴゥオー、ゴゥオー・・」と良く走るのです。たたきのある酒屋さんの横で遊ぶとその音はものすごいものになりました。
今から思うとそれを咎められた記憶がありません。
閑静な住宅街なのに、昔の人は子供の遊びに寛容だったのでしょうか?
考えると、それ以外のうるさい音は自動車の音ではなくて蝉や物売りの声で、大した音はしていなかったのですが?
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