騙されてはいけない88―今起こっている福島原発事故・「2号機で核分裂反応の可能性」
11月2日のNHKオンラインニュースは「2号機の格納容器から、核分裂反応が起きた時にできる放射性物質のキセノンが検出」と報道しています。
「2号機の格納容器ガス管理システムの運用開始について」で述べたガス管理システムの稼動の結果、キセノンが検出されたのです。
『2号機で核分裂反応の可能性(11月2日 7:25更新)
東京電力福島第一原子力発電所の2号機の格納容器から、核分裂反応が起きた時にできる放射性物質のキセノンが検出され、東京電力は核分裂反応が起きている可能性が否定できないとして、原子炉に核分裂反応を抑えるホウ酸水を注入しました。
福島第一原発の2号機では、先月28日から格納容器の中から気体を吸い出し、フィルターを通して放射性物質を取り除く装置の運転を始めていて、この装置の出口付近で放射性物質の種類や濃度を測定して分析しています。
その結果、1日に行った分析で、核燃料のウラン235が核分裂してできる放射性物質のキセノン133と、キセノン135が検出されたということです。
東京電力は、再び核分裂反応が起きている可能性が否定できないとして、午前3時前から、1時間にわたって原子炉に核分裂反応を抑えるホウ酸水の注入を行いました。
東京電力によりますと、原子炉の温度や圧力、それに敷地周辺の放射線量を計測しているモニタリングポストの値に大きな変動はないため、核分裂反応が起きていても規模は小さいとしています。
経済産業省の原子力安全・保安院によりますと、検出されたキセノンの濃度は低く、原子炉の温度などに変化がないことから、今のところ燃料が再び溶融しているとは考えにくいとしていますが、ホウ酸水を注入したあともキセノンの検出が継続されないかどうか、状況を見極めるとしています。』(NHKオンラインより)
半減期の短いキセノンが現時点で検出されたということは事故時のものではなく「最近生成された=核分裂反応が起きている」と言うことです。
キセノンと半減期
131mXe(キセノン)は、半減期約12日で131Iのベータ崩壊により生成され、ベータ線を放出し131Xeになる。133Xeは、半減期約5.2日でベータ崩壊し安定同位体の133Csになる。(=ウィキペディア)(135Xeは、半減期約9時間)
核分裂反応
不安定核(重い原子核や陽子過剰核、中性子過剰核など)が分裂してより軽い元素を二つ以上作る反応のことを指す。
不安定核は主に次の3つの過程を経て別の原子核に変わる。
1.電子もしくは陽電子を放出して僅かに軽い核になる。
2.He核(アルファ粒子)を放出して少し軽い核になる。
3.He核より重い大きな核(重荷電粒子線)を一つ以上放出してかなり軽い核になる。
このうち1と2は一般には原子核崩壊(1:ベータ崩壊、2:アルファ崩壊)で崩壊熱を出し冷温停止に向かう。原子核分裂は2と3になるが、一般的に3の事を指す事が多く、核分裂性物質の原子核が中性子を吸収すると、一定の割合で3の過程で核分裂を起こし、合わせて中性子を放出する。この中性子が別の核分裂性物質の原子核に吸収されれば連鎖反応が起こる。
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