私の世界・入院生活―背中の痒み
朝早くなのにシャリシャリと音が病室中に響いたので看護師の人が聞きつけて飛んできました。カーテンを開けて分かったのですが前のベッドの人がただ背中を掻いていただけでした。
「ビックリした。刃物でも研いでいるのか?と思ったわぁー・・」
と言いました。
「刃物でも研いでいる」は物騒で不穏当な発言ですが、無理も無いので彼は刺青をしていて何かと強持ての発言をしていたのです。
肝臓を悪くすると老廃物や毒素が処理できなくなって、体中の皮膚が痒くなるようなのです。彼も腹水が溜まって来るほど肝臓や腎臓が悪くて、背中一面に吹き出物が出来て、「汚い、背中や!?・・」と言ってました。
私も時々背中が痒くなるので、入院のときの持ち物に「背中掻き」が必需品なのです。内科の担当の先生に相談したら「老人性掻痒」とにべもありません。
背中を掻きたいのを我慢して、熱いシャワーにかかると本当に気持ちが良いものです。ただ、入院中のシャワーは火傷を心配して、熱くならないように調節してあります。「蛇の生殺し」というか“ぬるい”ので少ししか痒みに対抗できず、気持ちよくならないのです。
看護師の人に「もう少し熱くならないの?・・」というと「熱くすると、余計、後で痒くなりますよ!・・」という返事です。皮膚は乾くと痒くなるので、熱いシャワーに入ったままだと乾燥し易く、痒くなるのは分かるのですが「メンソレ」などをぬれば良いのです。
「家に帰ったら、思う存分熱いシャワーに入ってやる!・・」が入院中の小さな望みでした。
話しは別に:看護師さんに『背中に「メンソレ」塗って!・・』は最初、気兼ねしてなかなか言い出せませんでした。素手で塗ってもらうのは悪い気がするし、頼むとわざわざ手袋を着けられるのも興醒めです。(本来は手袋が原則)
やっとの思い出「メンソレ」を塗ってもらっていると、「刺青の彼」が目ざとく見つけて呟きました。
「結構、きれいな肌してるやん!・・」
「エッ?・・」
何か、ゾッとしました。
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