騙されてはいけない203―今起こっている福島原発事故・4号機使用済燃料プールに注入のヒドラジンの漏れ(続報)?
東電の4月16日に公表した記者会見配布資料「4号機使用済燃料プール代替冷却システムの停止について」からです。
漏えいの原因を「使用済燃料貯蔵プール循環冷却系の入口側流量と出口側流量の指示値が一時的に変動し、安全のために循環ポンプが自動的に停止し、4つの弁が自動的に「閉」となった。」ので「循環ポンプが停止した後も、ヒドラジン注入ポンプを停止させるまでの間、弁③-弁④間(緑線)に圧力がかかり、弁③-弁④間で2箇所の漏えいが発生した。」としています。
「循環ポンプが自動的に停止し、4つの弁が自動的に「閉」」となったのに「ヒドラジン注入ポンプを停止させなかった」のですが、ヒドラジン注入ポンプが図にありません。
何か「弁③-弁④間」を強調していますが、この弁は自動的に閉じたもので漏れとは関係なく、位置を示すためだけなのです。
原因となるヒドラジンの注入ラインには制御弁がなくて、ポンプから直かもしれません。
注)「近辺」からの矢印は付けたもの
<トラブルの概要>
平成24年4月12日
14:44 4号機使用済み燃料貯蔵プール循環冷却設備が自動停止
停止後の点検で2箇所の漏洩を確認
・廃棄物処理建屋内の弁フランジ部で約20ccの漏洩
・廃棄物処理建屋内の配管フランジで約20~40リットルの漏洩
漏洩水はいずれも漏洩対策(放出防止策)として設置していた堰内に留まっており、建屋外への漏洩は無かった
平成24年4月13日
自動停止に関連する流量計(圧力計)のフラッシング等調査・手入れを実施し、耐圧試験等を行い再起動に支障が無いことを確認
16:04 冷却設備を再起動し、使用済み燃料貯蔵プールの冷却を再開
<漏えいの原因>
・使用済燃料貯蔵プール循環冷却系の入口側流量と出口側流量の指示値が一時的に変動し、安全のために循環ポンプが自動的に停止し、4つの弁が自動的に「閉」となった。
・循環ポンプが停止した後も、ヒドラジン注入ポンプを停止させるまでの間、弁③-弁④間(緑線)に圧力がかかり、弁③-弁④間で2箇所の漏えいが発生した。
<今後の対応>
・循環ポンプが停止してもヒドラジン注入ポンプにより系統に圧力がかからないよう、ヒドラジン注入設備を改造する
・循環ポンプ停止の原因は流量指示値の一時的な変動と考えられるが、さらに詳細原因を究明し、必要に応じて対策を行う。
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