私の世界・棋士の面白い話―奇人加藤一二三九段の魅力③
加藤九段が7月20日の第20回富士通杯達人戦準決勝で森内俊之名人相手に「二手指しの反則負け」をしました。
棋譜:http://live.shogi.or.jp/tatsujin/kifu/20/tatsujin201207200101.html
96手目(垂れ歩で先手玉の退路を断つ)を打って席を立ったのですが、対局室に戻るなり、「3九の馬を5七へたたきつけた」ので、二手指しの反則です。森内の勝利となっり、終局時刻は17時10分。消費時間は▲森内2時間42分、△加藤2時間50分。
終局図(96手目垂れ歩)
終局後の感想戦では後手の加藤九段が有望の変化もあるようで、森内も「悪いですね」と認めたそうです。「この馬が強いね」、「そっか、ちょっとよかったんだな」と言っている残念そうな加藤九段が目に映るようです。
感想戦が終わった後の森内名人の発言
序盤は作戦負けと感じていたが、端を攻めたところでは「面白くなった」と思った。本譜は△2五桂(86手目)が玉を広くする好手で、後手が優位。終局の局面からは▲8七同金寄△6七歩成▲同金△6六歩▲7七金右△5七馬▲6八歩△5九馬を示し、「悪いですね。向こうがなかなか寄る形が見えないので」とはっきり述べたそうです。
先手:森内俊之名人
棋士番号183。1970年10月10日生まれ、神奈川県横浜市出身。勝浦修九段門下。1982年に奨励会入会(6級)。1987年5月、四段。2002年5月、九段。獲得タイトルは10期、棋戦優勝は12回。十八世名人の資格を持つ。将棋大賞は第19回(1991年度)の勝率第一位賞・最多勝利賞・最多対局賞・殊勲賞、第31回(2003年度)の最優秀棋士賞・最多勝利賞・最多対局賞ほか多数。
後手:加藤一二三九段
棋士番号64。1940年1月1日生まれ、福岡県嘉麻市出身。剱持松二八段門下。1951年、3級。1954年8月、四段。1973年11月、九段。獲得タイトルは8期、棋戦優勝は23回。将棋大賞は第4回(1976年度)の最多勝利賞・連勝賞・技能賞、第9回(1981年度)の最優秀棋士賞・連勝賞をはじめ多数。1986年には聖シルベストロ騎士勲章、2000年春に紫綬褒章を受賞。
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