騙されてはいけない328―今起こっている福島原発事故・「原子炉格納容器温度の上昇が静定」の変?
東電の8月13・17日に公表した記者会見配布資料と「プラント関連パラメータ(水位・圧力・温度など)」の「温度に関するパラメータ(グラフ)」からです。
東電は13日に「2、3号機原子炉への注水量の減少操作を実施」しているのですが「原子炉圧力容器底部温度および原子炉格納容器温度の上昇が静定した」というのが何か変です。
『騙されてはいけない314・・・「1~3号機の温度」』(8月3日)で言ったのですが「7月18日に設置した冷凍機の効果は7月24日頃まで」です。以下の表は7月24日と8月17日を比較したもので、温度差を見ると1号機が2.6℃、2号機が6.5℃、3号機が4.1℃となっており、「温度の上昇が静定?」と言えるのはむしろ1号機です。
特に2号機は6.5℃上昇しており、「静定」と言えないのに注水量を最も多く減らしています。
<東電の報告:13日>
【1~3号機】
7/27 11:28:処理水バッファタンク保有水の冷却用冷凍機の本格運用開始以降、処理水バッファタンク水温の低下とともに、1~3号機の原子炉圧力容器底部温度、原子炉格納容器温度についても緩やかに低下していたが、温度変化に静定傾向が確認されたことから、1~3号機原子炉への注水量の減少操作を実施。
8/13 11:02:その後も継続してプラントパラメータの経時変化を確認し、原子炉圧力容器底部温度および原子炉格納容器温度の上昇が静定したことから、2、3号機原子炉への注水量の減少操作を実施。
・2号機:炉心スプレイ系からの注水量を5.7m3/hから5.0m3/hに変更。また、給水系からの注水量の変動が確認されたため、2.2m3/hから2.0m3/hに調整。
・3号機:炉心スプレイ系からの注水量を5.2m3/hから4.5m3/hに変更。また、給水系からの注水量の変動が確認されたため、2.4m3/hから2.5m3/hに調整。
格納容器の状況(7月24日と8月17日)
2号機温度グラフ
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