騙されてはいけない356―今起こっている福島原発事故・「注水量“問題解消”後に再低下」

東電の9月14日に公表した記者会見配布資料とネットのＮＨＫニュースからです。

東電は13日に「１～３号機について原子炉施設保安規定＊１で定める「運転上の制限」＊２を満足する状態に復帰したと判断」としたのですが、14日にはもう前言を翻して「注水量の継続監視を行っていたが、各号機で流量の低下が見られたため、以下のとおり注水量の調整を実施」したのです。

「配管の中などに残っていた不純物が原因」は当然在り得ることです。調査や対策・処置が大変なので、「サボろうとしていたのでは？・・」と思ってしまうのです。

『注水量“問題解消”後に再低下（9月14日 13:45更新　ＮＨＫニュース）

東京電力福島第一原子力発電所で、原子炉に送る水の量が低下していた問題で、東京電力は１３日、問題は解消されたと発表しましたが、１４日になって再び注水量が下がっていることが分かり、原因の調査や対策が十分だったか対応が問われています。東京電力によりますと、福島第一原発の１号機で１３日午後９時から１４日午前１時にかけて、原子炉に送る水の量が１割ほど低下していることが確認されました。また、２号機でも午前１時から７時までの間に注水量が低下しました。いずれも冷却に必要な量は確保されているということで、東京電力は状況を監視しながら注水量を増やす対策をとっています。福島第一原発では先月３０日に、１号機から３号機の原子炉への注水量が冷却に必要な量を下回る問題が発生しましたが、東京電力は調査の結果、水をためるタンクにたまっていた不純物が弁に詰まったのが原因だったとして１３日、問題は解消されたと発表していました。東京電力は今回のトラブルについても、配管の中などに残っていた不純物が原因の可能性があるとしていて、これまでの調査や対策が十分だったか対応が問われています。』

＜東電の報告＞

＜13日＞

9/13 16:00 9/7：に流量調整を実施した以降、流量は安定していること、本日午前中に、バッファタンクの水を冷やしている空冷チラーのストレーナを確認した結果、流量低下につながるような異物が確認されなかったことなどから、１～３号機について原子炉施設保安規定＊１で定める「運転上の制限」＊２を満足する状態に復帰したと判断。

※原子炉注水量の調整実績に関しては別紙に記載。

＊１ 原子炉施設保安規定

核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第37 条第１項の規定に基づき、原子炉設置者による原子力発電所の安全運転及び安定状態の維持にあたって遵守すべき基本的事項（運転管理・燃料管理・放射線管理・緊急時の処置・「中期的安全確保の考え方」に基づく設備の管理など）を定めたもので、国の認可をうけている。

＊２ 運転上の制限

原子炉施設保安規定では、原子炉の運転に関する多重の安全機能の確保及び原子力発電所の安定状態の維持のために必要な動作可能機器等の台数や遵守すべき温度・圧力などの制限が定められており、これを運転上の制限という。保安規定に定められている機器等に不具合が生じ、一時的に運転上の制限を満足しない状態が発生した場合は、要求される措置に基づき対応することになっている

＜14日＞

注水量の継続監視を行っていたが、各号機で流量の低下が見られたため、以下のとおり注水量の調整を実施。なお、各号機の必要注水量（１号機が3.8m3/h、２号機が5.4m3/h、３号機が5.4m3/h）は確保されている。

【１号機】・９/14 2:26：給水系からの注水量を約2.5ｍ３／ｈから約2.8ｍ３／ｈに調整（炉心スプレイ系からの注水量は約2.0ｍ３／ｈで継続中）。16:21 給水系からの注水量を約2.7ｍ３／ｈから約3.0ｍ３／ｈに調整（炉心スプレイ系からの注水量は約2.0ｍ３／ｈで継続中）。

【２号機】・9/14 7:27：給水系からの注水量を約1.3ｍ３／ｈから約1.8ｍ３／ｈに調整（炉心スプレイ系からの注水量は約4.8ｍ３／ｈで継続中）。16:21 給水系からの注水量を約1.6ｍ３／ｈから約2.0ｍ３／ｈに、炉心スプレイ系からの注水量を約4.9ｍ３／ｈから5.0ｍ３／ｈに調整。

【３号機】・9/14 16:21：給水系からの注水量を約1.8ｍ３／ｈから約2.5ｍ３／ｈに、炉心スプレイ系からの注水量を約4.8ｍ３／ｈから4.5ｍ３／ｈに調整。