騙されてはいけない418―今起こっている福島原発事故・「DIANAによる放射性物質拡散予測図」
東電の11月16日に公表した記者会見配布資料「DIANAによる放射性物質拡散予測図」からです。
東電がどのような経緯で公表に到ったのか不明ですが、「事故当時、電源が喪失して排気筒モニタや気象観測装置からのデータが一切得られない状況の中、実際の放出量の代わりに原子炉設置許可申請書に記載した「重大事故」や「仮想事故」評価の中で用いた値などを使い、DIANAによる福島第一原子力発電所周辺への放射性物質拡散予測を様々なケースで行っていたもの」と言うことです。
「事故当時」に「実際の状態を再現するようなシミュレーションにはなっていない」もの、役に立たない作業をして、何をするつもりだったのでしょうか。
多分、言いたくはないと思うのですがシステム分析の立場で考えると、“最悪の場合“の影響の程度を見極めたかったのです。
予測図を見ると風向などの気象条件や放出場所(2・3号機)・放出時刻、核種・放出レベル、経過時間などを変え、色々な事故のケースにおける放射性物質拡散予測を行っています。(予測の図例に説明を入れておきます)
<東電の報告>
○拡散予測を通報連絡した資料については、昨年(平成23 年)10 月15 日に公表しておりますが、今回、当社の緊急時対策本部において情報共有されたDIANAの資料を整理して取りまとめたことから、前回の追加資料として公表したものです。
○事故当時、電源が喪失して排気筒モニタや気象観測装置からのデータが一切得られない状況の中、実際の放出量の代わりに原子炉設置許可申請書に記載した「重大事故」や「仮想事故」評価の中で用いた値などを使い、DIANAによる福島第一原子力発電所周辺への放射性物質拡散予測を様々なケースで行っていたものであり、本来の予測に必要な実際の放出事象や気象条件を反映した影響予測(線量の強さや拡散範囲)や、あるいは実際の状態を再現するようなシミュレーションにはなっておらず、既に通報している参考情報を補強するような情報にはなっておりません。
○資料には手書きの記載が含まれておりますが、当社で保管している原本に記載されているものであり、一部明らかな記載ミスもありますが、そのまま掲載しております。なお、一部、人名が記載されているため、マスキングしている箇所があります。
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