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2013年10月21日 (月)

私の世界・知らない世界―「初期人類はすべて同一種」とする新説? とドマニシ遺跡(その1)

ネットのナショナルジオグラフィック・ニュースからです。

「初期人類はすべて同一種」と聞くと、「あれ、人ってみんな同じ種とちがっっていたんやろか?・・」と誤解をしそうです。

しかし、間違ってはいけないのは「これまでさまざまにグループ分けされていた初期人類は、すべて単一の種であり、ホモ・ハビリスもドマニシ原人も、時代が下ってホモ・エレクトスも、すべてつながっているということ」と、原人の人たちが“枝分かれの結果”ではなく、“皆同じ”人類の祖先という仮説(話)です。

『人類のアフリカ単一起源説

現生人類の起源と分散を説明する理論は二つあり、一つはアフリカ単一起源説、もう一つは多地域起源説である。どちらの説も十分に遡れば人類の起源はアフリカであることに同意しており、大きな違いはいつ我々の祖先がアフリカを出発したかである。DNA分析によれば、全人類の共通祖先は遠くとも25万年前には存在していたとされる(これは共通祖先が100万年以上遡ると見積もる多地域起源説への重大な反証である)。つまり人類のアフリカ単一起源説に基づけば、約25万年前以降に出アフリカを果たした人類が、距離や山脈など地理的障壁によって遺伝子流動が制限された結果、異なる遺伝的特徴を持った集団が成立したとされる。』

つまり、「全人類の共通祖先は遠くとも25万年前には存在」しており、その後の移動と定住、地理的分断で、以下のように分化したというのが現代の遺伝子学の定説です。

Photo

以下のドマニシ遺跡の写真はグルジアの旅行社「コンコルド・トラベル」のHPからですが、かなり凄い遺跡のようです。

グルジアの位置

00

ドマニシ遺跡

Photo_2

01_2

ドマニシ遺跡の正確な位置については、次に紹介します。(かなり苦労しました。)

『「初期人類はすべて同一種」とする新説

October 18, 2013

 約180万年前のものと見られる頭蓋骨の化石の発見によって、人類の祖先の系統に関する議論が再燃している。グルジアのドマニシ遺跡で発掘されたこの化石は、下顎を含めた頭蓋骨がほぼ完全に残っており、初期人類の歴史の転換点を示すものだという。

 首都トビリシから南西約100キロに位置するドマニシ遺跡では多数の化石が見つかっている。この遺跡で、グルジア国立博物館の人類学者デイビッド・ロードキパニジェ(David Lordkipanidze)氏の率いるチームが、ほぼ完全な状態の下顎の化石を発見したのは2000年のこと。その5年後に頭蓋骨の残りの部分も見つかった。この化石の重要性は一目見ただけで明らかだったが、論文を発表するまでには分析に8年かかったとロードキパニジェ氏は言う。

 というのもこの頭蓋骨には、年代の異なる複数種の初期人類の特徴が混在していたからだ。風貌や大きな歯、頭蓋容量の小ささなどといった特徴は、化石人類の中でもごく初期のものを思わせるが、頭蓋骨の解剖学的な特徴は、もう少し時代の下ったホモ・エレクトスに近い。ドマニシ原人については、ホモ・エレクトスの初期の姿と見るべきか、固有種として発見場所にちなんでホモ・ゲオルギクスと呼ぶべきかなど、長らく議論が続いていたが、今回明らかになった頭蓋骨の特徴の混在によって、論争はさらに加熱しそうだ。

◆ドマニシ遺跡の化石群

 ドマニシ遺跡で頭蓋骨の化石が見つかったのは今回が初めてではない。過去20年間に少なくとも5つの頭蓋骨が、ほぼ完全な状態で見つかっている。これらの個体は同時期に生存していたとは限らないが、いずれも175万年以上前に、数千年程度のタイムラグで同じ場所に暮らしていたものと見られる。

 5つの頭蓋骨を並べて見ると、生存時の姿にはかなりの個体差があったことがうかがえると、ロードキパニジェ氏らのチームは指摘する。形態測定学の手法でこれらの化石をそれぞれ計測すると、風貌や脳の容積などには11人違いが見られた。ただしその違い方は、現生人類が11人違うのと同程度である。逆に言えば、多少の違いはあるにせよ、ドマニシ遺跡の化石はすべて同一種に属すると見なすことができるのだという。

◆人類の進化の歴史をくつがえす異説

 この発見により、初期人類の進化の歴史についても新たな可能性が見えてきた。これまでドマニシ原人については、アフリカからいち早く脱出して、初期人類の系統樹から枝分かれした種のうちの1つと考えられていた。

 だが今回ロードキパニジェ氏らがまとめた論文では、別の可能性が示されている。ドマニシ原人はホモ・エレクトスと同系統に属しており、これまでホモ・エレクトスとは別種であると考えられてきたさまざまな初期人類も、すべてこの同じ系統に含まれるというのだ。

 ロードキパニジェ氏らはこの単一の系統をたどれば、240万年前に東アフリカで発生したホモ・ハビリスという最初期のヒト属に行き着くものと考えている。つまり、これまでさまざまにグループ分けされていた初期人類は、すべて単一の種であり、ホモ・ハビリスもドマニシ原人も、時代が下ってホモ・エレクトスも、すべてつながっているということになる。

◆専門家からの反論

 古生物学界では、今回の化石の重要性を認めつつも、論文で示された仮説には賛同しかねるという声が多く聞かれる。

「この頭蓋骨が興味深いのは間違いない。トランプのカードとしては良い1枚だが、同じくらい良いカードはほかにもある」と、ジョージ・ワシントン大学の古人類学者バーナード・ウッド(Bernard Wood)氏は言う。

 ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所の人類学者フレッド・スポア(Fred Spoor)氏も、今回の化石は「本当に素晴らしい標本」だと言う。この頭蓋骨は「ホモ・エレクトスの進化の最初期に何が起きていたかを知る」手がかりになるだろうとのことだ。しかしウッド氏もスポア氏も、初期人類はすべて同一種であるとする今回の論文の仮説には否定的だ。

 ウッド氏によると、今回の論文で用いられた手法では、種ごとの本質的な相違点が分かりづらいという。頭蓋骨の形状に注目するあまり、頭蓋骨の複雑な構造や、血管を通す孔の大きさなどといった、解剖学的に明白な特徴が見落とされているのだ。このように形状だけの分析から種を区別しようとするのは「どう見ても適切ではない」とスポア氏も言う。

◆首から下が見落とされている

 またウッド氏は、今回の論文が頭蓋骨にしか注目していないことも指摘する。「先行研究において初期人類がさまざまな種に分類されてきた根拠を、著者らは単に頭蓋骨の形状だけだと考えているようだ。だがそれは事実ではない」とウッド氏は言う。

 体のほかの部分の骨にも、種を区別するのに十分な明白な特徴がある。たとえばホモ・ハビリスはほかの種に比べて腕が長く、まだ木登りの習慣があったことをうかがわせる。ウッド氏もドマニシ遺跡の化石がすべて同一の種に属していたことや、現状ではどの種に分類すべきか判断が難しいことは認めているが、だからといってあらゆる初期人類を単一の系統に属すると見なすのは筋が通らないと主張する。

◆論争はまだ始まったばかり?

 では、ドマニシ遺跡にかつて住んでいた人々は、系統樹のどこに位置づければ良いのだろうか。スポア氏によると、頭蓋骨のさまざまな特徴からは、人類の進化の早い段階で枝分かれした種に近いと考えられるそうだ。

 ドマニシ遺跡の頭蓋骨化石には、原始的な要素とホモ・エレクトスに近い特徴が混在している。そこには「起こりつつある進化」が記録されているとスポア氏は言う。このことから、ドマニシ原人が出現したのは、180万年以上前にホモ・ハビリスとホモ・エレクトスが枝分かれした後のことと考えられるという。

 ドマニシ原人を人類の進化の歴史のどこに位置づけるべきかについては、間違いなく今後も議論が続けられるだろう。議論の行方は、ドマニシ遺跡から今後どんな化石が見つかるかにかかっている。「たしかに言えることは、ドマニシ遺跡には新発見の可能性が豊富にあるということだ」とロードキパニジェ氏は会見で述べた。

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