騙されてはいけない884―今起こっている福島原発事故・「H5とG6、H4エリアの漏れ、H4のストロンチウムは440Bq/L」
東電の12月24日に公表した記者会見配布資料と「H5タンクエリアおよびG6北タンクエリアの堰からの漏えいについて」、ネットのNHKニュースからです。
一昨日、『騙されてはいけない883・・・「せきの水漏れ!?」』で堰からの汚染水漏れを報告しましたが、場所はH5エリアとG6エリア、H4エリアの3箇所のようです。
タンクエリアの分かる構内タンクエリア図を再掲して赤マルで囲んでおきますが、H4エリアは最初にタンク漏れが問題となったエリアです。
NHKはH4エリアの堰の水について、「せきの水に含まれる放射性ストロンチウムの濃度は、最高で1リットル当たり440ベクレルで、国が認めたせきからの放出基準の44倍に当たります」としており、長いのですが東電の報告の最後に値があります。
『汚染水のタンク囲むせき 水位が低下(12月24日 20:35更新 NHKニュース)
東京電力福島第一原子力発電所で、山側にある汚染水のタンクを囲む2つのせきの水位が大きく下がって225トン分減っていることが分かり、東京電力はせきの下の土壌に漏れているおそれもあるとして原因を調べることにしています。
福島第一原発では、別のせきで継ぎ目を塞ぐ樹脂の劣化などが原因とみられる水漏れが相次いで見つかったばかりです。
福島第一原発で、24日、タンクを囲むせきのうち、4号機の山側にある2つのせきにたまった水の水位が、4日前の今月20日に比べて大きく下がっていることが分かりました。
H4東と呼ばれるエリアのせきでは、20日に12センチあった水位が11センチ下がって1センチに、H4エリアのせきでは12センチあった水位が7センチ下がって5センチになっていました。
東京電力によりますと、減った量は合わせて225トンになりますが、今のところ、水が周辺の土壌に漏れた跡は確認されておらず、この2つのエリアにあるタンク内の水位にも変化はないということです。
せきの水に含まれる放射性ストロンチウムの濃度は、最高で1リットル当たり440ベクレルで、国が認めたせきからの放出基準の44倍に当たります。
東京電力は、コンクリートのせきの底の部分にできたひび割れなどを通じて、水が徐々に下の土壌に漏れているおそれもあるとして、今後、せきの水を抜いて、詳しい原因を調べることにしています。
福島第一原発では、別のせきの4か所で継ぎ目を塞ぐ「止水材」と呼ばれる樹脂の劣化やひび割れなどが原因とみられる水漏れが22日までの2日間に相次いで見つかったばかりです。』
<東電の報告>
・H25/12/21 16:15 頃 H5タンクエリア西側の堰の基礎の継ぎ目部から、堰外へ水が漏えいしていることを当社社員が確認。なお、当該堰内には雨水と思われる水が13cm 程度溜まっていた。同日18:00 頃、漏えい箇所(堰の外側)に、土嚢およびビニールシートにより漏えい水受けを設置し、漏えい水が土壌に染み込まないように処置を実施。さらに、当該水受けに仮設ポンプを設置し、同日19:12 から当該水受け内の水を堰内に戻した。漏えい時間を、堰内水が漏えいしていないことを確認した時刻(同日11:00 頃)から当該水受けを設置するまでとした場合、漏えい量(土壌への染み込み量)は約1.6m3であると推定。また、当該漏えい箇所の近傍には側溝および排水路が無いことから、海への流出は無いものと考えている。
なお、同日採取したH5タンクエリア堰内水の全ベータは570Bq/L であり、12/20 の値の470Bq/Lとほぼ同じであり、H5エリアのタンク内の水位には有意な低下が見られなかったこと、さらにタンク内に貯蔵されているRO濃縮水の全ベータの値は約3.6×108 Bq/L であり、タンクからの僅かな水の漏えいにより堰内水の全ベータは上昇することから、タンク内の水の漏えいは無く、今回漏えいした堰内水は雨水であると考えている。
その後、同日23:35 に、H5タンクエリア堰内の水を仮設ポンプにてH6タンクエリア堰内に移送を実施。H5タンクエリア堰内の水位が約13cm から約5cm に低下し、仮設ポンプでの吸い上げが難しくなったことから、12/22 2:40 に移送を停止。また、移送停止後にパトロールを実施し、移送配管および移送先(H6タンクエリアの堰)に漏えい等の異常がないことを確認。現在、漏えいの確認された堰の基礎の継ぎ目部のシール作業を実施しており、今後、必要に応じて更に水位を下げる検討も実施する。
<参考>
12/21 採取の当該漏えい箇所の堰の内側のサンプリング結果
・全ベータ:560 Bq/L
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:12 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:17 Bq/L)
・ストロンチウム90:93 Bq/L
12/21 採取の堰内の四隅のサンプリング結果
・全ベータ:570 Bq/L
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:13 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:18 Bq/L)
・ストロンチウム90:98 Bq/L
12/20 採取の堰内の四隅のサンプリング結果
・全ベータ:470 Bq/L
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:12 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:18 Bq/L)
・ストロンチウム90:77 Bq/L
・H25/12/22 16:13 頃 H5タンクエリア北東側の堰の継ぎ目部から漏水していることを、パトロール中の協力企業作業員が確認。土のうおよびビニルシートにて水受けを設置し、漏えい水受け内の水をH5堰内へ戻し中。また、同日16:33 頃G6北タンクエリア北側、18:40 頃G6北タンクエリア西側の堰の下部より漏水していることを、パトロール中の協力企業作業員が確認。漏えいの拡大防止策として、G6北タンクエリア北側堰について土のうおよびビニルシートによる漏えい受けの設置、及び西側堰についてコーキング剤による補修を実施し、それぞれ同日21:15 に完了。G6北タンクエリア堰内水のG6南タンクエリア堰内への移送については、同日19:20 に移送を開始したが、G6北タンクエリア堰内の水位が約2cm まで低下し、仮設ポンプでの吸い上げが難しくなったことから、同日23:10 に停止。移送停止後にパトロールを実施し、移送配管や移送先で漏えい等の異常がないことを確認。堰から漏えいした水の量については、パトロールにて堰内水が漏えいしていないことを確認した同日311:00 頃から、漏えいの拡大防止策の完了までを漏えい継続時間とした場合、漏えい量(土壌への染み込み量)はH5タンクエリア北東側において約1.0m3、G6北タンクエリアにて約0.8m3 であると推定。H5タンクエリアおよびG6北タンクエリアにおいて同日採取した堰内の水のサンプリングを実施した結果、H5タンクエリア堰内水の全ベータは1,000Bq/L、G6北タンクエリア堰内水の全ベータは25Bq/L であった。H5エリアタンクおよびG6北エリアタンクの水位に有意な低下が見られなかったこと、H5エリアのタンク内水の全ベータは約3.6×108Bq/L、G6北エリアのタンク内水の全ベータは約1.4×108Bq/L であり、わずかなタンク内水の漏えいで堰内水の全ベータが上昇することになるため、今回漏えいした堰内水は雨水であり、タンク内水の漏えいは無かったものと考える。同日15:20、H5タンクエリア堰からの漏水について、当該タンクエリア堰の西側および北東側の漏えいに対し、止水処理を行い漏えいが停止したことを確認。G6北タンクエリア堰の北側および西側の漏えい箇所に対し、止水処理を行い、12/24 16:15、漏えいがないことを確認。
<参考>
【H5タンクエリア北東側】
12/22 採取分の当該漏えい箇所の堰の内側のサンプリング結果
・全ベータ:1,000 Bq/L
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:13 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:17 Bq/L)
・ストロンチウム90:190 Bq/L
12/22 採取の堰内の四隅のサンプリング結果
・全ベータ:810 Bq/L
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:12 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:17 Bq/L)
・ストロンチウム90:140 Bq/L
12/20 採取の堰内の四隅のサンプリング結果
・全ベータ:470 Bq/L
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:12 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:18 Bq/L)
・ストロンチウム90:77 Bq/L
【G6北タンクエリア北側】
12/22 採取分の当該漏えい箇所の堰の内側のサンプリング結果
・全ベータ:25 Bq/L
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:13 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:17 Bq/L)
・ストロンチウム90:2.7 Bq/L
【G6北タンクエリア西側】
12/22 採取分の当該漏えい箇所の堰の内側のサンプリング結果
・全ベータ:27 Bq/L
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:11 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:18 Bq/L)
・ストロンチウム90:3.5 Bq/L
【G6北タンクエリア堰内水】
12/22 採取の堰内の四隅のサンプリング結果
・全ベータ:32 Bq/L
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:12 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:17 Bq/L)
・ストロンチウム90:2.6 Bq/L
12/20 採取の堰内の四隅のサンプリング結果
・全ベータ:21 Bq/L
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:12 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:18 Bq/L)
・ストロンチウム90:3.7 Bq/L
・H25/12/24 タンクエリアの堰内水位については、パトロール時に測定を行っているが、H4タンクエリアおよびH4東タンクエリアの堰内水位データ確認において、当該タンクエリア堰内水位が徐々に低下していると判断。
<H4タンクエリア堰内水位>
12/20:約12cm、12/24 昼頃:約5cm
<H4東タンクエリア堰内水位>
12/20:約12cm、12/24 昼頃:約1cm
なお、当該タンクエリア堰からの堰外漏えいは確認されていない。今後、当該堰内水の汲み上げを行い、原因調査を行う予定。また、当該堰内水の至近の放射能分析結果は以下のとおり。
[H4タンクエリア堰内水(12/20 採取、ストロンチウム90 は簡易法による測定)]
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:10 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:15 Bq/L)
・ストロンチウム90:20 Bq/L
[H4東タンクエリア堰内水(12/20 採取、ストロンチウム90 は簡易法による測定)]
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:12 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:17 Bq/L)
・ストロンチウム90:440 Bq/L
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