騙されてはいけない922―今起こっている福島原発事故・「地下水バイパスの排水基準」
東電の2月3日に公表した記者会見配布資料「地下水バイパスの排水基準について」とネットのNHKニュースからです。
東電は『敷地内の山側で地下水をくみ上げて海に放出する「地下水バイパス」の排水基準=「新たな方針」を提示して、全国漁業協同組合連合会に理解を求めた』というニュースです。
専門家ではないので責任のある見方ではないのですが、私的には排水基準としてはある程度厳しいものにしているようで、告示濃度限度に対する裕度(告示濃度限度に対する割合の和)を約80%としています。
* 1/60 + 1/90 + 5/30 + 1,500/60,000 = 0.22(約80%の裕度)
ただし、これをWHOの飲料水ガイドラインで計算すると、
* 1/10 + 1/10 + 5/10 + 1,500/10,000 = 0.85(15%の裕度)
となり、裕度は15%となります。
あくまでも「運用目標」としているところも気になります。
それと、そんなに説得を努力して全漁連の理解が得られ、地下水バイパスが実現しても、「建屋に流れ込む地下水1日およそ400トンのうち、100トン程度を減らせる」だけです。
悲しいことに地下水の流入、滞留する汚染水問題が根本的に解決出来る訳ではないのです。
単純計算では、1日100トンは1ヶ月で約3000トン、年間3万6千トン分の貯留タンクが節約? 出来ることになります。
『地下水放出 漁連に理解求める(2月3日 18:25更新 NHKニュース)
東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の問題を巡り、国は、周辺の漁業者の同意が得られていない山側で地下水をくみ上げて海に放出する対策について、全漁連=全国漁業協同組合連合会に新たな方針を示し、理解を求めました。
福島第一原発では、建屋などに流れ込む地下水が核燃料を冷やした水と混じり、汚染水が増え続けていて、国と東京電力は敷地内の山側で地下水をくみ上げて海に放出する「地下水バイパス」という対策を計画しています。
しかし去年、汚染水の海への流出や、タンクからの漏えいなどの問題が相次いで、地元の漁業者の風評被害への不安が高まり、同意が得られないままになっています。
経済産業省の赤羽副大臣は3日、全漁連の岸会長に、去年の秋以降検討してきた汚染水対策や地下水バイパスを実施する際の新たな方針などを示し、理解を求めました。
このなかで、放出する地下水の放射性物質の濃度を国が定めた海への放出基準より低く設定し、風評被害を防ぐため情報を発信すると説明したということです。
説明を受けたあと、岸会長は「地下水バイパスの必要性は認識しているが、地元の漁協の理解がないと進まない問題で、地下水の監視や風評被害への対策を見極めて、今後、判断していく」と話していました。
地下水バイパスが実施されれば、建屋に流れ込む地下水1日およそ400トンのうち、このうち100トン程度を減らせるとされています。』
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