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2014年3月 5日 (水)

私の世界・知らない世界―25年前の流出原油、いまだ残存!?

ネットのナショナルジオグラフィック・ニュースからです。

25年前のタンカー「エクソン・バルディーズ号」の原油流出事故が、いまだに環境への影響力があり、原油汚染が残っている』という話ですが、その原油は元々北極海に面したノース・スロープ油田で採掘したものです。

ノース・スロープ油田

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アラスカのノース・スロープ油田は、米国内の約1/4を産出する巨大油田で、アラスカ半島を縦断する全長800マイルに及ぶパイプラインで不凍港のバルディーズ(Valdez)へと原油は運ばれています。

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原油はこのバルディーズの港からタンカーで出荷されるのです。

バルディーズの港

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石油の積み出し埠頭

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バルディーズ石油ターミナルを1989323日午後912分に出発し、5300万ガロンの原油を積んでカリフォルニア州に向かった。

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1989324日午前04分頃にBligh Reef(暗礁)に乗り上げた。

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油まみれの海岸線を高圧の熱水で清掃中の作業者

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流出した油の除去作業

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そして、今もまだその影響が残っているのですが、他人事ではないのです。

25年前の流出原油、いまだ残存

March 4, 2014

 タンカー「エクソン・バルディーズ号」の原油流出事故は、いまわしい過去の記憶ではない。25年前に発生し、米国史上最悪の環境災害の1つとなった同事故だが、このとき漏れ出した原油は、今なおアラスカ湾の岩の多い浜辺に残存しており、さらに何十年間もとどまり続ける可能性があるという。これらの浜辺から、消えにくい泡状のムースのようなエマルション(乳濁液)が見つかったとの研究結果が、ハワイ州ホノルルで先ごろ開催された「海洋学会議(Ocean Sciences Meeting)」において発表された。

 エクソン・バルディーズ号は1989年、アラスカ州プリンス・ウィリアム湾のブライ・リーフで座礁し、積んでいた原油が海に流出した。化学分析の結果、浜辺から見つかったのは、この事故で流出した原油であることが明らかになった。さらに驚いたことに、原油の化学組成は、最初の流出から11日後に採取した原油のものとほぼ同じであったという。

 25年前の流出直後に除去作業を行った地域から原油が見つかったことは、目に見える影響が消え去った後も、環境によっては長期間モニタリングを行う必要があることを示していると、研究チームは述べている。

◆出しっぱなしのマヨネーズ

 アラスカ湾のキナイ・フィヨルド国立公園およびカトマイ国立公園の一部浜辺に、今なお原油が残存している理由は主に2つあると、アメリカ地質調査所(USGS)の海洋生態学者で、今回の研究を指揮したゲイル・アーバイン(Gail Irvine)氏は述べる。

 アーバイン氏によると、最初にタンカーから原油が流出したとき、原油は海水と混ざり合ってエマルションとなり、その結果、原油は粘り気のある化合物になったという。

「原油が泡状になると、表面は風化するが、中は風化しない」とアーバイン氏は述べる。ちょうどカウンターに出しっぱなしのマヨネーズのようなものだ。空気に触れる表面は固くなっても、中のほうはマヨネーズらしい状態を保ったままだと、アーバイン氏は述べる。

 泡状の油はアラスカ湾の浜辺の岩や石にぶつかって、それらの間や下に入り込み、今もそこにとどまっている。

◆岩に隠れた原油

 これらの浜辺にある岩はあまり移動しないと、メイン州イーストブースベイにあるビゲロー海洋科学研究所の海洋環境化学者クリストフ・エプリ(Christoph Aeppli)氏は述べる。環境の影響を最も受ける場所でも、19942012年の間に岩は1メートル未満しか移動していなかった。

 この安定した環境のために、浜辺に蒸気クリーニングが施された後もずっと原油が残存しているのだと、アーバイン氏は述べる。

 研究チームによると、岩の下に隠れている原油の量はわかっておらず、それを調べるにはまた別の調査が必要だという。「量は少ないとみている」とアーバイン氏は述べる。「ただ正直なところ、これだけ時間が経ってまだ(原油が)残っているとは思わなかった」。

 しかし、原油は残っていた。しかも、環境中に漏れ出している。アーバイン氏のチームが、これら岩の多い浜辺の付近に生息するイガイを調べたところ、その組織中から、エクソン・バルディーズ号の原油が少量検出された。

 アーバイン氏によると、検出されたのは微量のため、おそらくイガイに有害な影響を及ぼすレベルではないという。それより、今回の研究で得られた最も重要な知見は、特定の環境において、流出した原油は浄化作業が施された後も長い間、驚くほど変わらない状態で残存し続ける場合があるということだと同氏は述べる。

 そしてそれは、原油流出後の環境モニタリングは、週や月単位でなく、数年~数十年単位で行わなければならないことを意味している。

エクソンバルディーズ号原油流出事故

原油タンカーエクソン・ヴァルディーズが座礁により積荷の原油を流出させた事故。この事故はこれまで海上で発生した人為的環境破壊のうち最大級のものとみなされている。現場はプリンスウィリアム湾の遠隔地(交通手段はヘリコプターと船のみ)ゆえ、政府も企業側も対応が困難であり既存の災害復旧対策案は大幅な見直しを迫られた。この地域はサケ・ラッコ・アザラシ・海鳥の生息地である。

エクソン・ヴァルディーズはアラスカ州のバルディーズ石油ターミナルを1989323日午後912分に出発し、5300万ガロンの原油を積んでカリフォルニア州に向かった。水先案内人はバルディーズ海峡を誘導したのち操縦をバルディーズ号船長と交代して下船した。船は航路の氷山を避けながら進んだ。午後11時過ぎに船長は操舵室を離れるさい、三等航海士に操舵の責任を託し、AB級水夫に事前に打ち合わせた地点で航路に戻るよう指示した。そして事故当時は執務室にいた。しかしエクソン・ヴァルディーズは航路に戻ることができず、1989324日午前04分頃にBligh Reef(暗礁)に乗り上げた。この事故でおよそ積載量の20%にあたる1100万ガロン(24万バレル)の原油がプリンスウィリアム湾に流出した。・・・(=ウィキペディア

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