騙されてはいけない960―今起こっている福島原発事故・「地下2階南西側サンプエリアで漏えい、放射能量(ガンマ核種)は約830万Bq!? の6号機」
東電の3月11日に公表した記者会見配布資料とHPの「6号機の現状(2013年12月24日更新)」からです。
東電は6号機原子炉建屋地下2階南西側サンプ(*)エリアでの汚染水の漏えいを報告しています。
放射能の専門知識が無いので、「6号機地下2階南西側サンプエリアで漏えい」の場合、何故いつもの全βでなくガンマ核種なのか? 分からないのですが、約330Lの漏えいで放射能量(ガンマ核種)が約830万Bqです。
東電のHPの記述によると、6号機は震災後に「内部を確認可能な範囲で目視確認を実施した結果、安全上重要な機器に地震による損傷はありませんでした」、「耐震クラスの低い機器でも、地震起因で損傷した設備・機器は一部を除き認められませんでした」、「震災以前からある設備により原子炉および原子炉格納容器、使用済燃料プールへの注水を行っており、安定した状態を続けております」という状況でしたが、残留熱除去(A系、非常時熱負荷運転中)を続けているのです。
話が別ですが、6号機は燃料移動に向けて9月17日より原子炉開放作業を開始し、10月15日にコンクリートハッチ(写真2,3)や原子炉格納容器の蓋(写真4,5)等の取り外しを行い、原子炉開放作業が完了しています。
6号機の震災後の状況とこれまでの不具合
燃料移動に向けた原子炉開放作業
ガンマ核種の他の放射線との比較
・ヘリウム4の原子核であるアルファ粒子は一枚の紙すら通過できず、ベータ線の実態である電子では1cmのプラスチック板で十分遮蔽できるが、電磁波であるガンマ線では10cmの鉛板が必要となる。アルファ粒子・ベータ粒子と比べると透過能力は高いが、電離作用は弱く、放射線荷重係数が小さい。
・ガンマ線の遮蔽には、比重の重い物質(鉛、鉄、コンクリートなど)が使われる。一般によく利用される鉛(11.3g/cm3)では、10 cmの厚さで約1/100 - 1/1000に減衰される。ガンマ線は飛程が長い上、電荷を持たないので電磁気力を使って方向を変えられないため、ガンマ線からの防護は他の放射線と比較して難しい。
・また、ガンマ線の持つ電離作用により、DNAを傷つけることによる発がん作用などがある。致死線量は6グレイ前後である。(=ウィキペディアより)
<東電の報告>
・H26/2/24 6号機残留熱除去系A系(非常時熱負荷運転中)の系統水の一部が圧力抑制室に流れていることを確認。漏えい箇所を調査したところ、残留熱除去系ポンプ吸込ライン(A系、B系共通ライン)に設置されている安全弁から系統水が流れ込んでいる可能性が高いことを確認。
3/11 3/11~3/17 で実施する予定の当該安全弁点検の準備作業として、配管内の水抜きを行っていたところ、同日12:22 頃、6号機原子炉建屋地下2階南西側サンプ(*)エリアで漏えい検知器が動作したことから、現場確認を行い、当該エリア床面に水たまりを発見。
12:28 頃に配管内の水を送っていたサンプから、同じエリアにある別のサンプへ水を送っていた仮設ポンプを停止したことにより、漏えいが停止したことを確認。漏えいの原因については、仮設ポンプで水を送っていた移送ホースの先端がサンプから外れて床面に水が漏れたものと推定。
漏えい範囲は2箇所(約3m×約2m×深さ約5cm、約1.5m×約1m×深さ約2cm)で、漏えい量については漏えい範囲から約330Lと推定。また、漏えい水の分析結果は以下の通り。
・コバルト60 :2.4×10**4 Bq/L
・マンガン54 :6.7×10**2 Bq/L
(全ガンマ :2.5×10**4 Bq/L)
漏えい水の放射能量(ガンマ核種)は約8.3×10**6 Bq。引き続き漏えい状況および原因等を調査する。
(*)サンプ:各建屋内の機器(ポンプ・配管等)からの排水・漏えい水等を処理するために一時貯蔵するための水槽。
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