騙されてはいけない970―今起こっている福島原発事故・「J1エリアの処理水タンクの汚染範囲!?」
東電の3月19日に公表した記者会見配布資料と「多核種除去設備B系統出口水放射能濃度上昇について」からです。
昨日の「多核種除去設備の性能が低下・・」の続報ですが、「3月18日に採取したJ1エリアの処理水タンク(J1(D))およびサンプルタンクA~Cの水についてはB系出口水と同程度の放射能濃度が確認」ということは、その「J1エリアの処理水タンクの汚染範囲」がどの程度かが大きな問題です。既に高濃度が確認済みのサンプルタンクだけで約810トンもあるので、J1エリアのタンク容量が1000トン? とすれば、汚染範囲によっては大変な量になるのです。
そして、「必要な対策を講じる」としていますが、高濃度汚染水の移送だけでなく、系統配管やタンク内の除染が必要となるのです。
参考図はタンクエリア配置図を添付しました。
<東電の報告>
・H26/3/18 多核種除去設備(ALPS)では、汚染水処理設備にて処理した廃液を用いた試験(ホット試験)を行っているが、3系統(A系,B系,C系)あるうちの1系統(B系)について、12:04 にフィルタの酸洗浄のため停止している。B系はすでに停止中であるが、3/17 に採取したB系の処理後の出口水の全ベータの分析結果が10の7乗Bq/L 程度であることを確認した。多核種除去設備(ALPS)の入口水については、全ベータで10 の8乗Bq/L 程度であり、処理が不充分となっている可能性があることから、念のため、A系について同日13:38、C系について13:39 に処理を中断した。
多核種除去設備(ALPS)A系,B系,C系出口水、下流側のサンプルタンクA,B,Cおよび移送先のJ1エリア(D1)タンクの全ベータ放射能濃度の分析結果は以下のとおり。
・A系出口:2.7×10**2Bq/L(採取日:3/17)
・C系出口:2.2×10**2Bq/L(採取日:3/17)
・B系出口:1.1×10**2Bq/L(採取日:3/14)
・B系出口:1.4×10**7Bq/L(採取日:3/17 10:45)
・B系出口:1.1×10**7Bq/L(採取日:3/17 14:15)
・サンプルタンクA:5.1×10**6Bq/L(採取日:3/18)
・サンプルタンクB:3.6×10**6Bq/L(採取日:3/18)
・サンプルタンクC:9.2×10**6Bq/L(採取日:3/18)
・J1エリア(D1)タンク:5.6×10**6Bq/L(採取日:3/18)の可能性がある範囲
多核種除去設備(ALPS)A系およびC系出口水の分析結果については、通常と同程度の値であり、除去性能に異常はみられない。また、多核種除去設備(ALPS)B系に漏えい等の異常は確認されていない。引き続き、原因等の調査を行う。
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