騙されてはいけない995―今起こっている福島原発事故・「焼却工作建屋への滞留水の誤った移送」と「誤った訂正、NHK」
東電の4月14日に公表している記者会見配布資料と「福島第一原子力発電所集中廃棄物処理施設焼却工作建屋への滞留水の誤った移送について」とネットの15日のNHKニュースからです。
昨日報告した「ポンプ4台が勝手に動き、間違った建屋へ高濃度汚染水約240トン!?」についての東電の報告です。
誤って移送した汚染水の量は、当初の報告では焼却建屋が約23m×約40m×深さ約20cm、工作建屋が約19m×約57m×深さ約5cmで238㎥となり約240トンです。
正確に測る? と焼却建屋が約918㎡(元は920㎡)で深さ約18cm、工作建屋が約759㎡(元は1083㎡)×深さ約5cmで滞留水の量は203㎥の約200トンだそうです。なお、セシウム134が1千万Bq/L、セシウム137が2千7百万Bq/Lです。
<東電の報告>
・H26/4/13 13:57~17:37 集中廃棄物処理施設においてサイトバンカ建屋からプロセス主建屋へたまり水の移送実施。・各建屋の滞留水については、水位管理をしながら移送を実施しており、サイトバンカ建屋の滞留水は適宜、プロセス主建屋へ移送している。
4/10 頃~ 適宜、サイトバンカ建屋からプロセス主建屋への移送を行う中、サイトバンカ建屋内の水位上昇およびプロセス主建屋の水位低下が確認された。本来とは逆の水位変動が確認されたことを受け、4/12 より現場調査を行っていたところ、集中廃棄物処理施設4カ所(プロセス主建屋、高温焼却炉建屋、サイトバンカ建屋、焼却工作建屋)のうち、3カ所間において、通常使用していない以下の滞留水移送ラインに設置してある仮設ポンプ(4台)が運転中であることがわかった。
・プロセス主建屋(1台)からサイトバンカ建屋
・プロセス主建屋(1台)から焼却工作建屋
・焼却工作建屋(2台)からプロセス主建屋
(通常は、プロセス主建屋、高温焼却炉建屋に移送を行い、原子炉注水のための水処理設備による処理を実施。)
このため、4/13 17:02~17:22 にかけて、仮設ポンプ4台を停止し、滞留水の移送を停止。また、仮設ポンプ停止前後に各移送ラインを確認し、漏えい等の異常がないことを確認。現場の状況を確認したところ、焼却工作建屋地下1階の全域(焼却建屋:約23m×約40m×深さ約20cm、工作建屋:約19m×約57m×深さ約5cm)に滞留水が広がっていることを確認。
焼却工作建屋については、通常時において滞留水を貯留していないことから、プロセス主建屋内の滞留水が焼却工作建屋内(管理区域内)に流入したことにより、建屋床面に汚染した水が広がったものと判断。
プロセス主建屋内の滞留水については、4/8 の分析結果から以下の通り。
・セシウム134:1.0×10**7 Bq/L
・セシウム137:2.7×10**7 Bq/L
本件については、汚染水の分析結果と広がり範囲から、4/13 22:15 に核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第62 条の3に基づき制定された、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則第18 条第12 号「発電用原子炉施設の故障その他の不測の事態が生じたことにより、核燃料物質等(気体状のものを除く)が管理区域内で漏えいしたとき。」に該当すると判断。
焼却工作建屋地下1階については、建屋図面を確認したところ建屋外へ貫通している箇所はないこと、および焼却工作建屋周辺にあるサブドレン水の分析結果に有意な変化は見られていないことから、現時点で焼却工作建屋から外への漏えいはないものと判断している。
なお、焼却工作建屋地下1階に溜まった滞留水については、広がりの範囲(深さ)に変化がないことを継続監視し、建屋外への漏えいがないことを確認していく。その後、焼却工作建屋地下1階の広がりの範囲(深さ)が、以下のとおり前回確認時より変化がないことを確認。
・焼却建屋:深さ約20cm(変化なし)
確認時間4/14 2:35(前回確認時間4/13 20:30)
・工作建屋:深さ約5cm(変化なし)
確認時間4/14 2:50(前回確認時間4/13 21:20)
焼却工作建屋地下1階に流入した滞留水については、準備が整い次第、プロセス主建屋へ移送する予定であるが、移送前の準備として、4/14 3:00、移送ラインに漏えい等の異常がないことを再度確認。
また、焼却工作建屋地下1階の広がりの範囲(深さ)については、前回確認時より変化がなく、建屋外への漏えいがないことを、以下のとおり確認したことから、4/14 13:01、焼却工作建屋からプロセス主建屋への移送を開始。なお、移送開始後に作業員により現場で目視点検を実施し、移送ラインに異常がないことを確認。
・焼却建屋:深さ約18cm(※)
確認時間4/14 12:15(前回確認時間4/14 2:35)
※詳細に測定し、約20cm から約18cm と評価を修正。
・工作建屋:深さ約5cm(変化なし)
確認時間4/14 12:15(前回確認時間4/14 2:50)
『汚染水の誤送問題 問われる東電の調査(4月15日 4:15更新 NHKニュース)
東京電力福島第一原子力発電所で、使う予定がないポンプが動き、汚染水200トン余りが移送先ではない建物に流れ込んだトラブルは原因のほか、発生当時の状況もほとんど明らかになっていません。
福島第一原発では、ことし2月にタンクの弁が開けられ、汚染水があふれたトラブルも原因が特定できておらず、東京電力が今回のトラブルをどう調査するか問われています。
福島第一原発では、原子炉の溶け落ちた核燃料を冷やした高濃度の汚染水を複数の建物に一時的にためていますが、今月11日、移送中に水位が上がるはずの建物で逆に下がる異常が見つかりました。
調査の結果、使う予定がないポンプ4台が動き、移送先ではない「焼却工作建屋」の地下に、汚染水およそ203トンが流れ込んでいたことが分かりました。
原因について、東京電力は14日の会見で、「必要があれば作業員の聞き取りも行いたい」としたうえで、ポンプが意図的に動かされたのかどうかは分からないと説明しました。
また、水位の異常が見つかったあと調査が翌日になった経緯など発生当時の状況も、ほとんど明らかになっていません。
福島第一原発では、ことし2月に汚染水のタンクで配管の弁が人為的に開けられ100トン余りがあふれたトラブルも、作業員およそ100人から聞き取りをしましたが、いまだに原因が特定できていません。
福島第一原発で相次ぐ原因不明のトラブルに対し、地元自治体からは批判の声が出ていて、東京電力が今回のトラブルをどう調査するのか問われています。』
話は別に: NHKニュースは当初、“高濃度汚染水240トン・・”としていたのに、後から“200トン余”と訂正しています。問題は、“4月14日 5:16更新”と同じ更新時間になっていることと、文も少し変えています。
他人の論文の引用を示さず使用するのと、訂正の更新時間を変えない? のは似たような感覚に思うのです。NHKは厳正・正確を旨とする報道機関のはずですが、「ポンプ4台が勝手に動き、誤った移送先へ・・」の東電といいとこ勝負です。
訂正前:『高濃度汚染水240トン 移送先でない建物に誤送(4月14日 5:16更新 NHKニュース)
東京電力福島第一原子力発電所で、使う予定がないはずのポンプ4台が動いて高濃度の汚染水およそ240トンが本来の移送先ではない建物に流れ込んでいたことが分かり、東京電力は建物の外への漏えいがないか監視するとともに、ポンプが動いた原因を調べています。
・・・
このうち焼却工作建屋に誤って送られたまっていた汚染水の量はおよそ240トンで、今月8日の分析結果から1リットル当たり数百万ベクレルの高濃度の放射性セシウムが含まれるとみられます。
東京電力はこの建物の地下に外部とつながる貫通部がないため汚染水の漏えいはないとしていますが、水位の変動や周辺の井戸の水質を監視しています。
東京電力は、法律に基づいて原子力規制委員会に報告するとともに、使う予定がないはずのポンプがなぜ4台も動いていたのか原因を調べています。』
訂正後:『高濃度汚染水200トン余 移送先でない建物に誤送(4月14日 5:16更新 NHKニュース)
東京電力福島第一原子力発電所で、使う予定がないポンプ4台が動いて、高濃度の汚染水200トン余りが移送先ではない建物に流れ込んでいたことが分かり、東京電力はポンプが動いた原因を調べています。
・・・
流れ込んだ汚染水には、1リットル当たり3700万ベクレルという高濃度の放射性セシウムが含まれていました。
東京電力は、建物の地下に外部とつながる貫通部はなく、汚染水の漏えいはないとしていますが、水位の変動を監視するとともに、汚染水をくみ上げて元の建物に戻す準備を進めています。
東京電力は、法律に基づいて原子力規制委員会に報告するとともに、使う予定がないポンプ4台が動いた原因を調べています。
福島第一原発では、ことし2月、山側にあるタンクで、汚染水を送る配管の閉まっていた弁が開き、タンクから100トン余りが漏れ出すトラブルが起きましたが、弁が開けられた原因は今も分かっていません。』
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