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2014年5月22日 (木)

騙されてはいけない1027―今起こっている福島原発事故・「地下水の海への放出560トン、堰内雨水の散水開始!?」

東電のHPに公表している「地下水バイパスの取り組み」及び521日の記者会見配布資料と「雨水処理設備を用いたタンクエリア堰内雨水の処理水分析結果」、ネットのNHKニュースからです。

「地下水バイパス」で汲み上げた地下水を、『21日に海に560トン放出した』とNHKニュースは報道していますが、東電は同時に汚染水タンクエリアの堰内に溜まった雨水の敷地内へ散水も開始しました。

堰内雨水の処理水分析結果をしていて、「告示濃度限度に対する割合の和」が0.22以下という基準を設定し、それ以下なのでOKとしているようです。

ただ、気になるのはこの式では、例えばトリチュウムだけが突出して12000Bq/Lと高い値となっても、他がNDであれば0.2ということでOKになります。(WHOの飲料水水質ガイドラインは10000 Bq/Lです。)

もっと言えば、『騙されてはいけない1025・・・N14の再調査でトリチウム8,900Bq/L、放射性物質が混入なし!?』で紹介している4号機原子炉建屋(山側)のサブドレン(N14)は、セシウム134 0.92Bq/L、セシウム137 2.6Bq/L、全ベータが検出限界値未満(検出限界値:11Bq/L)、トリチウムが11,000Bq/Lで、再分析の結果は8,900Bq/Lです。

全ベータを検出限界値未満として先の式を計算すると、トリチウムが11,000Bq/Lのとき0.23、再調査の8,900Bq/Lでは0.19となります。サブドレン(N14)の汚染水も散水OK? の可能性があるのです。

ただこの場合、全ベータが検出限界値未満として、式に反映していないのが問題です。検出限界値の11Bq/Lを式に入れれば0.56(トリチウム8,900Bq/Lの場合)となってしまうのです。

つまり、やり方ひとつで、どうとでもなりそう? が気に入りません。

Photo 

地下水バイパスの取り組み

Photo_2 

<東電の報告>

H26/5/21 1~4号機原子炉建屋等への地下水流入抑制対策として設置した地下水バイパス設備については、現状における地下水の水質確認を行うため、4/9 より揚水ポンプを順次起動し、試験的に地下水バイパス揚水井から地下水の汲み上げを行ってきた。汲み上げた地下水は、一時貯留タンクに貯留した後に水質確認を行っており、当社および第三者機関による分析結果において、運用目標値を満足していたことから、地下水バイパス揚水井から一時貯留タンクに汲み上げていた地下水について、10:25 から12:42 にかけて海洋への排水を実施。現場の状況について、パトロールを実施し、12:47 に漏えい等の異常がないことを確認。なお、排水量については5613

H26/5/21 汚染水タンクエリアの堰内に溜まった雨水のうち、放射能濃度が暫定排水基準を超える雨水については、鋼製角型タンクや地下貯水槽等に貯蔵しており、暫定排水基準を超える雨水を処理するために設置した放射性物質を除去する逆浸透膜処理装置(RO装置)について、運用を開始。放射能濃度が運用目標値を満足する処理水について、13:22 から敷地内へ散水を開始。

『地下水バイパス 初の放出は560トン(521 1339分 NHKニュース)

京電力福島第一原子力発電所の汚染水の発生を抑える対策「地下水バイパス」で、くみ上げた地下水が21日、初めて海に放出されました。

福島第一原発では、建屋に流れ込む地下水の影響で、汚染水が1日およそ400トンのペースで増えていて、「地下水バイパス」は建屋に流れ込む前の地下水を山側でくみ上げて海に放出し、汚染水の発生を抑える対策です。

先月くみ上げられた地下水の検査の結果、放射性物質の濃度が国の基準より低く定めた目標値を下回ったとして、国と東京電力は21日午前10時25分から海に放出する作業を始めました。

福島県の職員など東京電力以外の第三者が立ち会うなか、「免震重要棟」にある操作盤でポンプの起動や弁を開ける操作をして地下水を放出しました。

21日はおよそ560トンの地下水が配管を通じて原発の専用港の南側にある排水口から放出され、作業は午後0時42分に終わったということです。

今後の放出は1週間に1回程度行われ、本格的に稼働すれば、1日に増える汚染水400トンのうち、最大100トン程度を減らすことができるということです。

汚染水の問題を解決するには、さまざまな対策を実施する必要がありますが、その1つの地下水バイパスが想定した効果をあげられるか注目される一方で、放出する地下水の放射性物質の濃度の厳格な監視や地下水位の低下で建屋の汚染水が流出するなどの悪影響が出ないようにすることが課題になります。

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