騙されてはいけない1053―今起こっている福島原発事故・「トレンチの止水、十分に凍らず!?」
東電の16日に行われた「廃炉・汚染水対策現地調整会議(第10回)」、「【資料1】汚染水に関わる現場進捗状況」の「(1)緊急対策の進捗および計画(2・3号機海水配管トレンチ・護岸エリア対策)」の「凍結設備設置作業の進捗状況」とネットのNHKニュースからです。
NHKニュースによると、2号機と3号機の海水配管トレンチにおいて「凍らせて氷の壁で止水」がうまく行っていないようです。
東電は「現在、最下部(S-2・S-5・S-6)は、ほぼ-5℃以下となっており、凍結状態と推定」としていますが、グラフを見ると凍結は明らかに一部です。
従って、「6月15日時点で凍結管追加、水位変動速度制御による効果を判断することが難しいため、今しばらく建屋水位変動と凍結温度変化の推移についてデータを蓄積し、更なる凍結促進策の必要性の要否について判断する」と言わざるを得ない状況で、追加対策(=促進対策)が必要です。
なお、東電の報告にあるグラウトは充填材のことです。
グラウト(英語:grout):建設工事において空洞、空隙、隙間などを埋めるために注入する流動性の液体のこと。グラウチング、薬液注入ともいう。地盤改良から鉄骨・鉄筋の充填材、補修材料の他、用途は幅広い。セメント(モルタル)系、ガラス系、合成樹脂などが用いられる。
『地下トンネルの汚染水 十分に凍らず(6月17日 8時20分)
東京電力福島第一原子力発電所で汚染水が地下のトンネルから海に流れ出すのを防ぐため、トンネル内の汚染水の一部を凍らせて氷の壁を作り、止水する作業が進められていますが、凍結を始めてから、およそ1か月半がたった今も十分に凍らず、止水できていないことが分かりました。
福島第一原発では汚染水が増える原因となっている地下水の流入を防ぐため、1号機から4号機の周りの地盤を1.5キロにわたって凍らせる「凍土壁」の建設が進められていますが、これほど大規模なものは過去に例がなく、技術的な難しさを指摘する声も上がっています。
これとは別に、2号機と3号機ではメルトダウンした燃料を冷やした汚染水の一部、およそ1万1000トンが「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルに流れ込み、ここから海に流れ出している可能性が指摘されています。
東京電力は、このうち2号機の汚染水を止水するため、トレンチの入り口の部分に地上から配管を打ち込み、冷却用の液体を流し込んで汚染水の一部を凍らせ、氷の壁を作る作業を進めています。
ところが、内部の温度を測ったところ、ことし4月末から凍結を始めたにもかかわらず、いまだに一部が凍っていないことが分かりました。
トレンチ内にある構造物が障害となって、均等に汚染水を冷やすことができないことに加え、トレンチの中で汚染水が常に流れていることが原因とみられていて、東京電力は汚染水の流れを抑えたり、凍結用の配管を増やしたりして改善を図ることにしています。
東京電力では今月中に2号機のトレンチの止水を終え、来月から中にたまった汚染水を取り除く計画でしたが、計画どおりに氷の壁が完成するかどうかは不透明な状況だとしています。
また、3号機でも同じ作業が進められていて、東京電力は今年度中にトレンチ内の汚染水をすべて取り除く計画ですが、全体のスケジュールへの影響は今のところないとしています。』
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