騙されてはいけない1071―今起こっている福島原発事故・「5号機と6号機の冷却停止!?」
東電の7月8日と9日の「福島第一原子力発電所の状況(記者会見資料)」からです。
『騙されてはいけない1069・・・「福島第一原発5号機の配管から水漏れ・・」とNHK!?』の続きで、東電は何故このタイミングか不思議に思うのですが、5号機と6号機を同時に“冷却を停止”して、その理由を説明しています。
『騙されてはいけない1069・・・』で言ったように、補機冷却海水系の仮補修は済んでいるのに、「原子炉停止時冷却運転(炉心冷却)と非常時熱負荷運転(使用済燃料プール冷却)を交互に切り替えることで、使用済燃料プールの冷却を行う」という、何か「変な、急場凌ぎ・・」を行っているのです。
なお、「残留熱除去系海水ポンプ」は1つではないのです。
HPの「福島第一原子力発電所 5号機の現状」(2013年12月24日更新)より
また、大した漏えい(放射能はNDの海水)で無いような説明の割りに、「原子炉建屋地下階設備において、漏えいした海水が被水した設備への影響について調査をしており、今後、健全性を確認していく」としているのも、何か変な気がします。長期的な海水の漏えいがあったのか? もしくは、他に問題があるのではと思うものです
(8日の「福島第一原子力発電所の状況(記者会見資料)」より)
5号機原子炉建屋内の海水の漏えい状況を確認したところ、以下のような状況から、漏えい量は合計約1,310 リットルと推定。
・原子炉建屋1階 :約2m×約3m×深さ約5mm(約30 リットル)
・原子炉建屋中地下階:約10m×約8m×深さ約10mm(約800 リットル)
・原子炉建屋地下階 :約10m×約3m×深さ約1mm(約30 リットル)
・原子炉建屋地下階 :(約6m×約3m×深さ約50mm)/2※(約450 リットル)
※水が溜まっている箇所が三角形のため1/2 とした
また、同時に6号機の原子炉内の燃料移し変えで、“冷却停止”を行っていますが、4号機の燃料が共用プールに入らない分を6号機使用済み燃料プールへの移し変える、事前整理ではないか? と思います。
なお、6号機は「原子炉開放作業が完了」(23年10月29日)して11月に燃料の移動を完了のはずなのですが、今頃「原子炉内の燃料集合体を使用済燃料プールに移動」というのも、意味不明です。
HPの「福島第一原子力発電所 6号機の現状」(2013年12月24日更新)より
<東電の報告>(9日より)
H26/7/6 11:10 頃5号機補機冷却海水系*配管の弁付近より海水が漏えいしていることを、パトロール中の当社社員が発見。海水の漏えい箇所の特定等を行うため、補機冷却海水系の停止に先立ち、13:10 使用済燃料プールの冷却を停止。冷却停止時の使用済燃料プール水温度は23.0℃。(冷却停止時における温度上昇は1時間あたり0.193℃となり、運転上の制限値65℃を超えるまでには約9日間の余裕がある。なお、原子炉の冷却は別系統で行っており、補機冷却海水系を停止後も、現時点で冷却に影響はない。)13:17 当該補機冷却海水系を停止し、現場の状況を確認したところ、13:34 海水の漏えいが停止したことを確認。
*原子炉やタービンで使用する冷却水を冷やすための海水
7/8 15:11 原子炉停止時冷却運転(炉心冷却)を停止。その後、15:40 非常時熱負荷運転(使用済燃料プール冷却)を開始し、使用済燃料プール冷却を開始。今後は、補機冷却海水系が復旧するまでの間、使用済燃料プール水温度ならびに原子炉水温度を見ながら、残留熱除去系による原子炉停止時冷却運転(炉心冷却)と非常時熱負荷運転(使用済燃料プール冷却)を交互に切り替えることで、使用済燃料プールの冷却を行う。また、原子炉建屋地下階設備において、漏えいした海水が被水した設備への影響について調査をしており、今後、健全性を確認していく。
H26/7/8 6号機については、燃料管理の一元化を図り6号機全体の安全性を高めることを目的として、原子炉内の燃料集合体を使用済燃料プールに移動を実施。使用済燃料プール冷却浄化系の冷却範囲を使用済燃料プールに限定するため、原子炉と使用済燃料プールを隔てるゲート(プールゲート)を閉鎖※。使用済燃料プールゲート閉鎖後の原子炉ウェル水抜き作業のため、同日10:58 に冷却を停止(停止予定時間:14 時間)。なお、冷却停止時の使用済燃料プール水温度は25.0℃。冷却系停止時のプール水温度上昇率評価値は0.292℃/hで、停止中のプール水温上昇は約4.1℃と評価されることから、運転上の制限値65℃に対して余裕があり、使用済燃料プール水温度の管理上に問題ない。
※:使用済燃料プールゲート閉鎖作業は、震災前の定期検査時にも行っていた作業であり、実績を有する作業
また、同作業に伴い、7/11 9:00~16:00 にも使用済燃料プール冷却浄化系を停止する予定であり、7/11時点における冷却系停止時のプール水温度上昇率評価値は0.291℃/hであり、停止中のプール水温上昇は約2.1℃と評価されることから、7/11 についても運転上の制限値65℃に対して余裕があり、使用済燃料プール水温度の管理上に問題はない。その後、作業が終了したことから、7/9 0:15 使用済燃料プールの冷却を再開。運転状態に異常はなし。プール水温度は停止時の25.0℃から28.0℃まで上昇したが、運転上の制限値65℃に対して余裕があり、使用済燃料プール水温度の管理上に問題なかった。
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