騙されてはいけない1096―今起こっている福島原発事故・「高温焼却炉設備建屋における地下水流入抑制効果の確認状況」の変!?
東電のHPにある7月31日に行われた「廃炉・汚染水対策チーム会合第8回事務局会議」、「【資料3】個別の計画毎の進捗状況」の「高温焼却炉設備建屋における地下水流入抑制効果の確認状況について」からです。
高温焼却炉設備建屋、つまり“HTI建屋”はいろいろな問題のある場所で驚くのです。まず第一に、貯留施設ではないそのようなこところに止水工事を施し、滞留水の貯留に使用したのです。ところが、去年8月に「HTI連絡トレンチからHTI建屋への地下水流入が確認された」というのです。
そして遅過ぎなのですが、その止水工事を今年2月から始め、4月初旬に止水完了しました。その後、念のため「グラウト充填によるトレンチ内の閉塞」をするため「グラウト注入孔を削孔したところ、注入孔とトレンチ躯体の隙間から地下水が流入した。(H26年5月19日流入確認、5月27日止水完了)」というのです。つまり、「事前の調査・計画もなく、闇雲に穴を開けた・・!」ので、「地下水が流入した」のです。
それで、「現在、グラウト注入孔の削孔工法の再検討を含めグラウト充填の準備中」なのだそうです。
注)グラウト(grout):建設工事において空洞、空隙、隙間などを埋めるために注入する流動性の液体のこと。グラウチング、薬液注入ともいう。地盤改良から鉄骨・鉄筋の充填材、補修材料の他、用途は幅広い。セメント(モルタル)系、ガラス系、合成樹脂などが用いられる。
そして、東電の「地下水流入量抑制効果を評価」も相当怪しいもので、「地下水流入量抑制効果の評価方法」は意味が不明というか、「区分できるもの:多核種除去設備薬液注入量、護岸ウェルポイントからの地下水汲み上げ量」と「区分できないもの:堰内雨水の建屋/タンク移送量、等」は何なんでしょう。
“堰内雨水の建屋/タンク移送量”は、HIT建屋と雨水受け入れタンクの「分配量? が分からない」ということのようですが?
「降水量と地下水流入の相関を直線近似し、平年降水量時の地下水流入量を推定」していますが、東電も認めるようにデータ数(建屋トレンチ間止水工事完了(2014年4月中旬)以降)が少なく、相関係数は相当低くく、有意性に乏しいものです。
それと、基本的に広域的な水系の長期変動ならばともかく、狭い地区では降雨と地下流入(浸透)は流出率が変化するので、単純な回帰は無理です。
話の続き:今日、京都は台風が来ています。豪雨で長雨が続くと河川の増水が急に起ることを考えれば分かると思うのです。長雨や豪雨の後は地表や地盤の保水能力が低下して浸透しないので、直ぐに河川へ流出してしまいます。つまり、河川への流出率が変化しているのです。
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