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2014年9月17日 (水)

私の世界・知らない世界―「蝕まれる、ミャンマーのラムリー島」って!?

ネットのナショナルジオグラフィック・ニュースからです。

「中国へ天然資源を運ぶ、パイプラインの建設や港湾施設などの大規模開発が、ミャンマーのラムリー島で・・」と言う話です。

ラムリー島は「第二次世界大戦中に、日本軍によって一時占領された・・」ということで、日本と縁のあるところです。

驚くのは、中国のプロジェクトが始まる前、主要都市のチャウッピューには港湾と空港があり、ミャンマー海軍の軍港も置かれ・・」というのですが、「2008年時点では島内には自動車が公用の5台しかなく、1日のうち1時間45分しか電気が使えない」という長閑(のどか)な? というか、大規模開発というものから程遠い所だったのです。

マップで見たラムリー島で、半島のように見えますが、ピンクのマル付けたところは離れていて、橋で繋がっているものです。

ラムリー島

Photo 

橋は最近架設されたもののようで、多分、開発プロジェクト関連のものと思われ、下を天然ガスのパイプラインが通っているかも知れません。

架設された橋

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チャウッピューの全景ですが、東の海の側に開発用地と思われるところ、北端や湾内に港らしき施設があります。

ただ、本格的な港湾建設はこのマップの時点ではまだのようです。
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開発用地

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北端の港

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湾内の港

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ラムリー島

ベンガル湾の北東部沿岸にあるミャンマー領の島である。面積ではミャンマー最大の島にあたる。

第二次世界大戦中には、日本軍によって一時占領された。大戦末期の19451月に、イギリス軍を中心とした連合国軍がマタドール作戦で奪還のため上陸、ラムリー島の戦いが発生した。

戦後は独立したミャンマー(ビルマ)の領土となり、現在の行政区分上はラカイン州のチャウッピュー郡に属している。主要都市は、北岸のチャウッピューと南部内陸のラムリーである。チャウッピューには港湾とチャウッピュー空港があり、ミャンマー海軍の軍港も置かれている。漁業と農業を主要産業とする。2008年時点では島内には自動車が公用の5台しかなく、チャウッピューでさえ1日のうち1時間45分しか電気が使えない、静かな島であったが、後述のように、中国資本による大規模な開発が進んでいる。

ラムリー島の中国・ビルマ・パイプライン(=ウィキペディア)

21世紀初頭になって、中華人民共和国のエネルギー資源計画にもとづき、大規模な開発が始まった。島の沖合から産出する天然ガスを中国の昆明まで輸送するため、全長1,450kmのパイプラインが建設されて、2008年には完成に近付いている。さらに、アフリカや中東から中国が輸入した石油を陸揚げして輸送するパイプラインも併設されることになり、大型船でも入港可能な港湾の掘削がチャウッピューで進められている。計画が完成すれば、中国の石油シーレーンは、危険の大きなマラッカ海峡を通過しないで済むことになる。島民からは開発に反対の声も上がっている。

『ミャンマーを蝕む中国のエネルギー需要

September 12, 2014

 ミャンマーの西部ラカイン州、ベンガル湾に面したラムリー島は、インド洋と中国南部の雲南省を結ぶ1240キロの石油天然ガス・パイプラインの西端に位置する島である。ガスと石油が並行して走るパイプラインは、アメリカが監視するマラッカ海峡を迂回することなく、中国へ天然資源を運ぶことができる。

 13億を超える人口を抱え、急激に成長する中国経済のエネルギーへの需要は飽くことを知らない。今や世界最大のエネルギー消費国および生産国となり、米国エネルギー省エネルギー情報局によれば、近い将来、アメリカを抜いて地上最大の石油輸入国になるだろうと予想されている。

 つい最近完成したばかりのパイプラインはすでに、ラムリー島の北部を17平方キロに渡る貿易と商業の中心地へと変貌させ、貧しいミャンマーの西海岸地域はリトル・シンガポールのような街並みへと変わりつつある。

 過去1年間で、ここにあるオフショア天然ガス施設は188000万立方メートルのガスを中国へ送り出した。石油パイプラインも今年中に運用が開始され、中東およびアフリカから運ばれてくる原油を一日44万バレル運搬する予定だ。

 島の「経済特区」では、第1段階として、向こう10年間で1000ヘクタールの工業団地、5000ヘクタールの住宅地域、そして島の東側に深海港が建設される予定になっている。このラムリー島に住むニン・シュウェ(Nyint Shwe)氏は、数百年も前から受け継がれてきた伝統的な手掘り原油採掘職人である。しかし今、彼を含めたラムリーの村人たちが、その仕事を失うかもしれない危機に直面している。

 ミャンマーの天然資源をめぐる争奪戦が繰り広げられる中、地元住民たちは相変わらず搾取や抑圧、ひどい貧困に苦しみ続けているのだ。

 反対派指導者のアウンサンスーチー氏の解放や民族解放軍との和平交渉など、近年の政治改革は、諸外国による経済制裁の完全解除をねらったうわべだけの作戦に過ぎないのか、それともミャンマーの歴史における圧政と残忍さに彩られた1章に、ついに幕を引こうとしているのか、多くのミャンマー国民にはまだはっきりと見えては来ない。

 ニン・シュウェ氏は、取り憑かれたような政府の経済開発が新たな専制政治の始まりであると見ており、ラムリー島が開発されれば自分は仕事も家も失ってしまうのではないかと危惧している。

◆手作業の油井採掘からオフショア油田開発へ

 オイルマウンテン(地元ではイナンタウン:Yenan Taungと呼ばれている)は、わらをかぶったピラミッドのような急傾斜の屋根の小屋が丘一面に乱雑に立ち並ぶ原油採掘場である。その小屋の数十軒に1基の間隔で、数十メートルの深さの油井が掘られている。ニン・シュウェ氏ら井戸の所有者たちは毎日、汗だくになりながら地下から青銅色の液体を30リットルほどくみ上げる。

 ラムリーオイルと呼ばれるこの液体は、見た目も匂いもガソリンに似ている。かつては近くの町チャウッピューにある粗末な精製所で精製され、オートバイや自動車の燃料として売られていた。しかし、精製過程は危険を伴い、今ではもっと供給の安定したガソリンがミャンマーの商業中心地であるヤンゴンからトラックで運ばれてくる。

 ラムリーオイルは今では、灯油よりも安価な燃料として、ランプの明かりなどに利用されており、ニン・シュウェ氏は、1日に14000チャット(約1500円)ほどの収入を得ているという。

 職人たちは、ミャンマーがイギリスの植民地であったビルマ時代から伝わる技術を使って原油を採掘している。竹や青いプラスチックパイプなどで作った魚雷型のカプセルを井戸の中へ下ろし、汲んだ原油をロープで地上まで引き上げる。手作業で引くか、小屋の木枠の頂点に取り付けられた巻き上げ機を使う。

 しかし、そこへ現代的な原油開発採掘技術が大規模なスケールで押し寄せている。ミャンマー政府は、今年4月にオークションで売却した20カ所のオフショア油田開発を支援するために、港と関連施設の建設を計画している。そのほとんどは、西洋資本のシェル、ENI、トータル、シェブロンなどの企業である。

 中国も負けてはいない。中央政府はミャンマーと、とりわけラムリー島を安全で迅速な貿易の鍵と捉え、石油天然ガスのパイプラインに沿って道路や鉄道を建設し、経済幹線を作り上げる計画だ。これによって、輸送時間を短縮させ、海賊が出没する海路を避け、そして最も重要なことに、マラッカ海峡通過をめぐって将来アメリカと衝突する可能性を回避することができる。

◆希望の光

 中国資本を後ろ盾としたラムリー島の開発は、ミャンマー政府の真の意図を探る材料となりそうだ。間違いなく、希望の光はいくつか見られる。

 政府は、開発計画について地元住民に説明し、住民からの意見に対応するための委員会を設置した。さらに、基本計画を作成し、投資家を選択するためにシンガポールの企業CPGコンサルタントを雇った。この基本計画には、環境への影響評価も含まれている。

 CPGコンサルタントからのメールによると、開発の第1段階は、建築資材や繊維製品を中心とした製造業、そして漁業に焦点を絞ることである。「地元社会と協力し、こうした産業への主要な労働力となるよう最大限の努力を行う」。

 7月に、ミャンマーは採取産業透明性イニシアティブ(EITI)の候補国としての地位を与えられた。ノルウェーに本部を置くEITIは、各国の透明性を計る世界基準を定めている。

 EITIの下、候補国は18カ月以内に様々な資源管理問題に関する改善状況を示した報告書を作成しなければならない。これまで秘密主義だったミャンマーの採取産業のベールを取り払う意義深い進歩である。

◆不満の種

 しかし、そのような希望は限定的なものに過ぎない。ニン・シュウェ氏のような村人たちが抱いている懐疑心は、過去の苦い経験から積み上げられてきたものだ。これまでも、ミャンマーの豊富な天然資源の搾取は一般市民に富をもたらすことはなく、中国資本の巨大プロジェクトは、土地を奪われたと主張する地元地域社会の反発を招いてきた。

 2012年、ザガイン管区のレパダウン銅山拡張に反対するデモ隊制圧が暴動に発展し、警察は群集を押さえ込むために白リン弾を使用、多くの人々が火傷を負って病院へ運ばれた。被害者の中には仏教の僧侶も多数いた。

 今年初めにも、総工費36億米ドルのミッソン水力発電ダム建設をめぐって、デモ隊がヤンゴンから建設地までの1287キロを行進した。ダム建設は2011年に中断されていたが、デモ隊は次の選挙の後、2015年には再開されるのではないかと懸念している。発電所が完成して稼動を始めれば、その電力の90%は中国へ送られることになっている。

 ラムリー島では今のところ暴動に発展するような事態にまでなっていないが、水面下では住民たちの不満が募っている。2012年、ガス・パイプラインの通り道を確保するため、政府当局はマウン・ウィン・ネイン(Maung Win Naing)氏の土地0.8ヘクタールを収用した。

 政府はその補償として4500米ドルを自作農だったネイン氏に支払ったが、金はあっという間に使い果たし、いまや収入の道が絶たれてしまったという。

 国家レベルでは、昔からの不透明な慣習はなかなかなくならない。過去2年間で、政府は16カ所のオンショアと20カ所のオフショア石油・ガス区域をオークションで売却したが、採取産業の監視機関であるグローバルウィットネス(Global Witness)は、口では透明化と言うものの、石油共同事業の最終的な受益者のほとんどがベールに隠されており、裏で汚職が行われている可能性は否定できないと言う。

 さらに、企業の秘密性は資金を政権の守旧派へ横流しすることも可能にし、改革を妨害し続ける手助けをしている恐れもある。

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