私の世界・知らない世界―「凄い、“地上最強生物のアリの協調行動!”と、そのアリを利用するアリ植物!?」
ネットのAFPのサイエンス記事から、アリの組織力・協調行動の研究で『アリは、重いものを持ち上げて運ぶための「集団の筋力」と「個体の指導力」とを組み合わせる、驚くべき能力を持っている・・』ということが解明されたという話です。
アリは、“我がまま”や“人の言う事を聞かない”人間みたいに、『「船頭多くして船山に登る!」にならない仕組みを持っている』のです。
つまり、1人の“方向付け”をする指導者が居れば、皆は「力(“集団の筋力”)を貸す」だけで、「“個体(1人)の指導者”に従う・・」という組織体制作りと行動が自然に出来るのです。
更に凄いのは、「リーダーを務めたアリが、その行動の10~20秒後には、最新の情報を持った別の新参アリにリーダーの役目を譲り渡すことも確認・・」というように、次々と新しい情報を持った指導者の自然な更新(入れ替わり)が出来ることです。
人ならば「最新の情報を持った新参者」は、逆にスポイル(疎まれ、信用されなくて、皆はその言う事を聞かない)されるのが普通の日常茶飯事です。
そして、アリは“地上最強の生物”と言われるのですが、その力を知っていてか? アリを利用する為の共生関係を持ち、その植物体(自らの体)の上にアリを常時生活させる・・というアリ植物が世界に約500種も居るのです。
アリ植物の例:アリノトリデの1種(Myrmecodia tuberosa)
【基礎生物学研究所WEBマガジン:「パプア・ワイゲオ島の調査(2008年4月-5月)その4」の写真とウィキより】
アリノトリデの蟻の巣になっている太い部分は、それを狙って食べてしまう動物もいるようで、丈夫な棘の鎧を着けています。
『リーダーの頭脳と集団の腕力、アリの協調行動解明 研究
(2015年07月29日 12:22 発信地:パリ/フランス)
【7月29日 AFP】アリは、重いものを持ち上げて運ぶための「集団の筋力」と「個体の指導力」とを組み合わせる、驚くべき能力を持っているとの研究結果が28日、発表された。
英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に掲載された研究では、昆虫など自分たちよりも大きな物体を力を合わせて運んでいる十数匹のアリの集団が、この活動に参加している1匹のアリから提供される情報を基に、進路を調整できることを確認した。
この1匹の「リーダー」は、集団が進路から外れたり、「困難を生じさせるもの」の方に向かっていたりすることを何らかの方法で察知し、さまざまな角度から引っ張る力を加えることで、進行方向に必要な変更を合図する。他のアリは逆うことなく、その合図に従う。
研究を主導したイスラエル・ワイツマン科学研究所(Weizmann Institute of Science)のオフェル・ファイナマン(Ofer Feinerman)研究員は「個々のアリは、障害物をやり過ごす方法を把握しているが、(1匹では)物体を運ぶための筋力が不足している」と説明する。
同氏は、AFPの取材に「集団は、リーダーの力を増幅させるために形成される。そしてリーダーは、把握している方法を実際の行動に反映させる」と説明した。
さらに驚くべきことに、リーダーを務めたアリが、その行動の10~20秒後には、さらに最新の情報を持った別の新参アリにリーダーの役目を譲り渡すことも確認できた。
この行動についてファイナマン氏は、「判別可能な限りでは、リーダー役は他のアリと何ら変わりがない」ことを指摘。「リーダーは誰からも指名されるわけではない。雄ではなく雌の働きアリは、正しい方向に関する最新の情報を持っているという理由で自ら役を買って出る」と続けた。
アリは、その生物種に属する個体よりもはるかに重い物体を集団で運ぶことを目的に、組織的な行動をとる数少ない動物の一つだ。
組織的な行動における難題の一つには、協調行動すなわち調和と、状況の変化に合わせて対応できる柔軟性との間にバランスを見極めなければいけないということがある。
魚群やヒツジの群れなどの集団で生活する動物は、一致した行動をとるように進化してきた。これは、協調行動に不可欠な特性とされる。アリがバラバラではなく組織的に行動できるのは、この特性のおかげだとファイナマン氏は指摘する。
だが、このいわゆる「行動の順応主義」が難点となる場合に、情報を有するリーダー役が現れるというのだ。
ファイナマン氏によると、アリは単にリーダーとして一時的に指揮をとるために「自身の存在を集団に伝達する必要はない」と推測されるという。』(c)AFP/Marlowe HOOD
アリ植物
アリと共生関係を持ち、その植物体の上にアリを常時生活させるような構造を持つ植物のことである。日本には確実なものはないが、世界各地の熱帯域にその例が知られる。
アリは小さいが肉食性が強いものも多く、丈夫で攻撃力もあり、しかも大きな集団で活動するので一部の特殊な動物以外はそれを避ける傾向がある。そのため、アリが多くいるところにはそのような動物は寄りつかないか、アリによって排除される。そこで、自分の体の上でアリが暮らせるように進化した植物があり、それをアリ植物(myrmecophyte、ant plantとも)と言う。このような植物では、アリが巣を作るための腔所が植物体のどこかに作られ、またアリが好む蜜を分泌するなど、アリを誘引し、栄養供給を行う仕組みを持っているものが多い。アリの方から見ても、すみかと餌を提供される利点があるから、これは相利共生の関係と言える。高度なものでは特定のアリの種との関係が見られる。そのような場合、アリの方も他者に攻撃的になり、その植物に近寄る小動物を攻撃し、あるいは周辺の植物をかみ切る例もある。このような型を防衛共生型と言うこともある。
もう一つ、アリを植物体上に生活させることは、その排出物が窒素源などの植物にとって重要な肥料分となるという面がある。特にこの面が主体と思われるものは栄養補給型(栄養共生型とも)のアリ植物と言われる。この型のものは、ごく貧栄養な土壌に生育するものや、着生植物のものなど、いずれも肥料が不足すると思われる環境に生育する。その場合、アリへの餌供給は行われない例も多く、アリの種特異性も低い。ただし、この両者の区別はそれほど明確ではないかも知れない。
アリ植物は世界に約500あるが、特定の分類群としては存在せず、さまざまな分類群に点在する。その群がすべてアリ植物であることも、一部のみがそうである例もある。種子植物のみでなく、シダ植物にもその例がある。それらはそれぞれ独自にアリ植物化したものと考えられる。外見的には、アリの住み込む場所が大きくふくらんだりと、独特の形を取るものもあるが、特に見かけではわからない例も多い。・・・(=ウィキペディア)
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