私の世界・知らない世界―「ネパールとインドの国境が9月以来、約2カ月にわたって封鎖状態・・!?」
ネットのCNNの「ネパールとインドの国境が9月以来、約2カ月にわたって封鎖状態が続き、ネパールで燃料や医薬品の不足が深刻化している。・・」というニュースからです。
ネットの産経ニュースでは9月の終わり頃にそのことを報道、以下のニュース写真を載せています。
24日、インドとの国境地帯、ネパール南部ビルガンジで滞留するトラック(AP=共同):「新憲法に少数派反発 印ネパール国境混乱で物流激減」(2015.9.25 22:03)産経ニュースより
ネパールを少しでも調べるとその複雑怪奇? というか、面妖な状況に驚かされます。
イギリスが育てた? グルカ兵は以前紹介しましたが、英国軍とただならぬ関係があり、国王が居る国(2008年王政廃止)なのに、毛沢東主義派(最近までテロ組織とされ、他にもいろいろな共産主義政党がある)が居て中国の言うことを簡単に聞いてしまいます。
その例がウィキには、
最近中国は、中国のチベット政策に対する抗議活動を抑圧するようネパールに要請した。2008年4月17日、ネパール警察は、中国との良好な関係を維持するため500人以上のチベット人の活動家を逮捕した。・・・ネパールは一部のチベット人を中国へ強制送還しているともされ、これはネパール政府と国連難民高等弁務官事務所との紳士協定や、ネパールにチベット人難民の強制送還を禁じる国際法に違反している。
などと紹介されています。以下は、ネパール議会の政党ですが、前の数は議席数で、まだその他3議席以下が一杯あります。
<制憲議会に議席を有する政党>(議席数は2013年選挙による)
196:ネパール会議派(Nepali Congress)、1947年以来の伝統を持つ社会民主主義政党。たびたび政権を担当。最大連立与党。
175:ネパール共産党統一マルクス・レーニン主義派(CPN–UML)、K.P.シャルマ・オリ首相を出す連立与党。
80:ネパール共産党統一毛沢東主義派(UCPN(M))、最大野党。毛沢東思想政党。
24:国民民主党ネパール(Rastriya Prajatantra Party Nepal)、唯一の王党派。
14:マデシ人権フォーラム (民主)(Madhesi Jana Adhikar Forum, Nepal (Loktantrik))
13 :国民民主党(Rastriya Prajatantra Party)、旧王党派。
11:タライ・マデシ民主党(Tarai-Madhesh Loktantrik Party)、マデシ地域政党。
10:マデシ人権フォーラム(Madhesi Jana Adhikar Forum, Nepal)、マデシ地域政党。
6:友愛党(Sadbhavana Party)、マデシ地域政党。
5:ネパール共産党マルクス・レーニン主義派 (CPN(ML))、共産主義政党。
5:連邦社会主義者党 (Federal Socialist Party)
4:ネパール労農党 (Nepal Workers Peasants Party)、共産主義政党。
(以下略)
従って、インドとは微妙な関係にあるのですが、もう1つ、ニュースに出ていろマデシ問題(後ろにウィキの解説アリ)が存在します。
インドの国境の町、ラクサウル(“Raxaul”)をマップで見てみました。航空写真は当然国境封鎖時ではありませんが、渋滞はインド側とネパール側のどちらにも見られます。
ラクサウル(“Raxaul”)の場所
渋滞? が見られる国境
ただ、よく見ると不思議なことにインド側とネパール側のどちらも、ネパールからインドに向う左側にトラックなどの車両があるようで、その意味は不明です。(英国圏のネパールとインドは日本と同じ“車は左側通行”)
『ネパール、インドとの国境が2カ月封鎖状態 医薬品や燃料欠乏
(2015.11.11 Wed posted at 15:50 JST)
ニューデリー(CNN)ネパールとインドの国境が9月以来、約2カ月にわたって封鎖状態が続き、ネパールで燃料や医薬品の不足が深刻化している。
ネパールの首都カトマンズにある同国最大の公立病院では、救急治療や手術に使う医薬品が底を突きかけ、医療物資は1週間以内に在庫が切れる見通し。調理用のガスも残り少なくなり、たき木を燃やして患者用の食事を調理しているという。
国境の封鎖は9月下旬、ネパール議会での新憲法可決が引き金となって始まった。採決では議員の3分の2以上が賛成に回ったが、少数派団体の不満は収まらず、先住民「マデシ」はインドとネパールを隔てる国境検問所付近で抗議の座り込みを続けている。
マデシはネパール南部のタライと呼ばれる地域に暮らす民族で、文化的にはインドに近い。しかし抗議運動はインドに指示されたわけではないと指導者は主張、マデシの人口に応じた議席の確保などを求め、新憲法に要求が反映されるまで抗議を続けると話している。
一方、複数のネパール政府高官は、インドがタライ地区の分断とインドへの併合を狙っていると主張。オリ首相は6日、「インドによる封鎖は戦争よりも非人道的だ」と批判し、バハドゥール副首相もテレビのインタビューで「インドはネパールに圧力をかけ、インドにとって有利になるよう憲法を変えさせるための道具として封鎖を利用している」と発言した。
これに対して在ネパール・インド大使館は「事実無根の挑発的発言であり、両国間の歴史的、家族的、文化的絆を絶とうとするもの」と非難する声明を発表した。
ネパールの赤十字社によれば、輸血用の血液も底を突きかけているといい、中国から届いた供給分も10日前後しかもたない見通し。献血車を走らせるためのガソリンも燃料不足のため入手できないという。
薬剤師協会によると、国内の医薬品は今年同国を襲った地震でほとんど使い尽くされ、在庫を補充する前に国境での紛争が持ち上がった。「村落の状況はさらに深刻化している。インドとの事実上の貿易封鎖による燃料不足のために、手持ちの医薬品を遠隔地に届けることさえできない」と関係者は嘆く。
国境沿いにある6カ所の検問所の1つ、ラクソール検問所では、医薬品を積んだトラック300台あまりが何週間もネパールへの入国を待たされているという。
政府は9日、全国際便に対し、同国への医療物資の空輸を優先するよう指示した。医薬品の40%はネパール国内で製造しているものの、原料の輸入がインドとの国境で足止めされていることから、製造さえできない状況に陥っているという。
インドと中国にはさまれたネパールは、輸入の大部分をインドに頼る。中国側の国境は険しい山脈に阻まれて物資の搬入が難しく、物品のほとんどはインド経由でネパールに輸入されていた。
特に燃料はインドからの輸入のみが頼りで、今は在庫の割り当てでしのいでいる状況。中国は支援のため燃料1000トンをネパールに供給したが、石油会社幹部は「中国の行動は尊敬に値する。だがネパールの燃料危機を解決する役にはほとんど立たない」と漏らした。』
ネパール連邦民主共和国
通称ネパールは、南アジアの共和制国家。2008年に王制廃止。
東、西、南の三方をインドに、北方を中国チベット自治区に接する西北から東南方向に細長い内陸国である。国土は世界最高地点エベレスト(サガルマータ)を含むヒマラヤ山脈および中央部丘陵地帯と、南部のタライ平原から成る。ヒマラヤ登山の玄関口としての役割を果たしている。面積は約14.7万kmで北海道の約1.8倍。
多民族・多言語国家(インド・アーリア系の民族と、チベット・ビルマ系民族)であり、民族とカーストが複雑に関係し合っている。また、宗教もヒンドゥー教(元国教)、仏教、アニミズム等とその習合が混在する。
農業を主たる産業とし、ヒマラヤ観光などの観光業も盛んである。国土面積・総人口・GDPともに北朝鮮に等しいが、経済的には後発開発途上国であると分類されている。・・・
マデシ問題
マデシとは、タライ、またはテライともいわれるインド国境地帯に東西に細長く広がる肥沃な平原地帯(マデス)に住む人々のことである。現在の行政区画にはない。この細長い地域は文化的に北インドの影響が強く、丘陵地帯に住むネパール人の主流派パルバテ・ヒンドゥーから差別を受けてきた。このため、近年、「マデシ人権フォーラム」などの団体が中心になって、マデシ自治区を設け、高度な自治を実現するように、バンダ(ゼネラル・ストライキ)・チャッカジャム(交通妨害)などの激しい抗議活動を行ってきた。2008年の制憲議会選挙ではマデシ系のいくつかの政党が目覚しい議席数を獲得している。
2008年の初代大統領、副大統領選挙では、マデシ人権フォーラムがキャスティング・ボートを握り、副大統領はフォーラムから、大統領はマデシ出身のネパール会議派から選出された。
副大統領のパラマーナンダ・ジャーは就任式でマデシの共通言語としてヒンディー語(インドの言語)で宣誓を行い、マデシ以外のネパール人の怒りをかった。学生デモではジャーの人形を燃やしたり、「ジャーはインドのエージェント」というスローガンが現れたりした。ついにはジャーの自宅に爆弾が投げ込まれるテロ行為にまでエスカレートした。(=ウィキペディア)
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