騙されてはいけない1367―今起こっている福島原発事故・「地下水観測孔No.2-5の全βが2１万Bq/Lと過去最高値を更新・・！？」

東電の1２月22日の記者会見配布資料「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」からです

21日サンプリングの護岸地下水の地下水観測孔No.2-5の分析結果において、全βが25万Bq/Lと過去最高値を更新していまが、前回の更新は12月14日で全βが2１万Bq/L、週一のサンプリングですから2度続けての更新です。

12月14日以前の更新を調べると随分前の2014年2月12日の15万Bq/Lで今回の事象はかなり異常？　というか、特異的な現象です。

 

何度も言いますが全βはストロンチウム90の代替指標、ストロンチウム90が25万Bq/Lということです。

それと地下水観測孔No.2-5の分析ですが、「(注) No.1-9, 2-5, 3-5は、採水器による採取であるため、γ測定は実施せず。全βは参考値としてろ過後に測定。」とあるように“ろ過後”のもので、ろ過しなければもっと高い数値になるものです。

前回、「話しは別に（その２）」で「ＮＨＫニュースは「遮水壁」設置で汚染水さらに増加（12月18日18時28分）」を報じている話しをしましたが、『「遮水壁」の周辺などからくみ上げた地下水を、海ではなく建屋内に１日当たり４００トン入れている・・』ということで、毎日４００トンもの汚染水を建屋に戻しているのですが、今回のことと関係があるのかも知れません。

当然ながら、「建屋内でデブリに触れ高濃度汚染水→流出→遮水壁で堰き止め→汲み上げて建屋へ移送→高濃度汚染水と混ざり高濃度化→流出→・・」と“負の循環”とも状況は汚染水をどんどん高濃度にするはずだからです。

以下は、1２月18日の記者会見配布資料（第38回特定原子力施設監視・評価検討会）至近の地下水挙動ならびに陸側遮水壁閉合に関する検討結果」の「２．サブドレン稼働・海側遮水壁閉合後の建屋内外水位の現状分析」・「2.3 サブドレン・地下水ドレン稼働段階の地下水収支」から４００トンの根拠となる資料を紹介します。

分かりやすいように部分的に文字を拡大しています。

 

 

この図では「遮水壁閉合」で日に110㎥の海水まじりの汚染水を建屋地下へ戻していることになります。

話しは別に（その２）（参考のため再掲）：ＮＨＫニュースは「遮水壁」設置で汚染水さらに増加（12月18日18時28分）」を報じていますが、何を今更！　という感じです。山側からの地下水について遮水を完全（汲み上げているだけの、例えば地下水バイパスはその断面の水位は下げても下流に行けば水位を下げたことで余計周辺部から流入して来ます）にせず、海側遮水壁を閉じれば当然のことです。

『福島第一原発 「遮水壁」設置で汚染水さらに増加（12月18日18時28分　ＮＨＫニュース）

東京電力福島第一原子力発電所では、護岸沿いに「遮水壁」と呼ばれる壁を設け、汚染された地下水が海に流れ出すのを抑えていますが、せき止めた地下水の大半を浄化設備に流すことができず、汚染水がさらに増えるという新たな課題が起きていることが分かりました。

福島第一原発では、ことし１０月、護岸沿いに「遮水壁」と呼ばれる鋼鉄の壁が設けられ、汚染された地下水が海に流れ出るのを抑えていて、せき止めた地下水の多くは放射性物質を取り除いたうえで海に流す計画でした。

ところが東京電力は、１８日に開かれた原子力規制委員会の会合で、「遮水壁」の周辺などからくみ上げた地下水を、海ではなく建屋内に１日当たり４００トン入れていることを報告しました。その理由について東京電力は、護岸沿いの地下水には海水が混ざっていて塩分が濃く、浄化設備に流すことができないほか、くみ上げる量が想定以上に多くなったことを挙げています。

一方で東京電力は、建屋の周辺にある「サブドレン」という井戸から地下水をくみ上げる対策などで建屋内に流れ込む地下水を当初の１日４００トンから２００トンに抑えたとしていますが、遮水壁の周辺からくみ上げた地下水を建屋内に流しているため、汚染水の増え方がかえって早まるという新たな課題となっています。

東京電力は、「今後、上流での地下水のくみ上げ量が増えていけば、護岸でくみ上げる地下水の量は減っていくほか、水質の変化を見ながら浄化設備に流す量を増やし、汚染水の増加を抑えたい」としています。』