私の世界・知らない世界―「シリアに真空爆弾の余波・・!?」
ネットのロイターに「シリアに真空爆弾の余波」:“Vacuum bomb aftermath in Syria”という写真集があります。
「・・2016年1月9日に反体制派に支配されたマアッラト・アン=ヌウマーン(“Maaret al-Numan”)の町にロシア空軍の真空爆弾による爆撃(4個?)が行われた・・」というものです。
写真はそのうちの1つです。他は以下のURLで見てください。
http://jp.reuters.com/news/picture/vacuum-bomb-aftermath-in-syria?articleId=JPRTX21VWR
マアッラト・アン=ヌウマーン(“Maaret al-Numan”)の町はついこの間紹介した『私の世界・・・「シリアの冬・・!?」』の雪の降った町ですが、もう雪はなし? というか、凍てつく感じはありません。
「シリアの冬・・!?」の一部(再掲)
・・で、そのロシアが落とした真空爆弾ですが、調べてみると2007年9月に「Russia tests giant fuel-air bomb」と言う記事がBBCニュースに報道されていて、ウィキの説明からすると「全ての爆弾の父(Father of All Bombs:FOAB)」というロシアが開発した燃料気化爆弾、以下はそのBBCの説明図です。
なお、今回の真空爆弾と言われるものが、FOABそのものではないことは確かで、下のサーモバリック爆薬の説明にもあるように持ち運びに便利なよう小型化して高性能になっています。
全ての爆弾の父(Father of All Bombs)
ロシアによって開発された燃料気化爆弾の通称である。英訳「Father of All Bombs」の頭字語であるFOABと表記されることもある。アメリカ合衆国が開発したMassive Ordnance Air Blast bombの4倍の威力があるとされている。全ての爆弾の父は2007年9月11日に使用された。いくつかの小型の核兵器は、将来この兵器に置き換わるとされている。
これらの爆弾が大小は別に恐ろしいのは、人的殺傷能力が高く、機密性の高いシェルターにでも逃げない限り、屋外はもとより部屋の中(破壊を免れたとして・・)も、「・・気圧が下がり一酸化炭素を大量に含んだ酸素バランスが悪いガスが襲い掛かる・・」のですから大変です。
ウィキの燃料気化爆弾の項より
・・破片による被害は少ないが、急激な気圧の変化による内臓破裂などを起こさせる。よく、燃焼により酸素を消費しつくして窒息死させると表現されているが、これは正確な表現ではない。人体は1kgf/cm² 程度の爆風(=風)でも急性無気肺や肺充血を起こす。さらに、一酸化炭素を大量に含んだ酸素バランスが悪いガスが襲い掛かってくるため、(それ自体は致死的なほど重篤ではない)酸欠と一酸化炭素中毒と呼吸困難を同時におこすことになり、窒息死したような死体ができ上がるためである。・・
アメリカもそれに負けじと「全ての爆弾の母」(Mother Of All Bombs)のMOABを開発していて、「“父”と“母”って、何を競ってるんや・・!」と言いたくなります。
MOAB(Massive Ordnance Air Blast、大規模爆風爆弾兵器)
2010年1月現在、通常兵器としては史上最大の破壊力を持つとされる爆弾である。アメリカ空軍が開発した。空軍内部では Mother Of All Bombs(全ての爆弾の母)と呼ばれることもあり、湾岸戦争をイラクの独裁者サダム・フセインがかつて Mother of all battles(全ての戦争の母)と呼んだことに因む。制式名称GBU-43/B。C-130輸送機に搭載されてイラク戦争で実戦配備されたが、使用されなかった。
サーモバリック爆薬(Thermobaric Explosives)
燃料気化爆弾の次世代型に当たる気体爆薬である。1990年代から開発が始まり2002年ごろから実用化された。
サーモバリック爆薬は三段階の爆発現象を起こす。
1.固体から気体への爆発的な相変化
2.分子間の歪みによる自己分解による爆発
3.空気中の酸素との爆燃による爆発
成分はハロゲン酸化剤、ホウ素、アルミニウム粉末、ケイ素粉末、マグネシウム粉末などから構成されている。
トリニトロトルエンなどの固体爆薬と異なり、サーモバリック爆薬は固体の状態では爆薬ではない。厳密に言うなら、気体爆薬を瞬間的に合成する反応物質の塊と呼ぶべきである。
燃料気化爆弾が酸化エチレンや酸化プロピレンなどの液体燃料を瞬間的に気化させて使用しているのに対してサーモバリック爆薬は固体の化合物を気化させることで粉塵と強燃ガスの複合爆鳴気を作り出し、これを爆発させる爆薬である。
気体爆薬として理想的な爆発力と自己分解性を持つガスは安全に貯蔵運搬することが難しく、さらにその中に強燃性の粉末や金属粒子を混ぜたまま貯蔵運搬することは極めて不安定で危険である。また、ガスは体積が大きくなり、その容器も耐圧構造が必要で重量もかさむため、どうしても貯蔵、運搬に不便を来たす。この矛盾を解決する手段として作り出されたのが通称サーモバリック爆薬と呼ばれるものである。
燃料気化爆弾のように一次爆薬の力で燃料を加圧沸騰させる必要が無く固体の状態で弾頭に充填されるため、体積当たりの威力が大きくなっている。
また、アセチレンのように、酸素が無くても自己分解のエネルギーだけでも爆発する物質を生成するため、酸素が不足する燃料リッチの状態でも爆発することが出来る。このため、空気の量が限られている密閉空間内でも爆発する。
保存状態では密度の高い固体の塊になっているため体積が小さく、起爆に必要な装置も信管のみで足りるので、比較的小型の兵器に搭載することも可能であるため携帯用ロケット弾やXM1060 40mmグレネードなどが開発されている。又その爆発の特性から、音響手榴弾の材料としても研究されている。(=ウィキペディア)
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