私の世界・知らない世界―「敗血症性ショック」って・・!?
少し前のブログ、「忘れられない最後の肖像、最後のファイトの拳を上げるモハメド・アリ・・!?」を書いていて、気になったことですが、ウィキには「引退後、現役時代に受けた頭部へのダメージが原因とされるパーキンソン病を患い闘病生活を送っていたが、2016年6月3日死去。74歳没。死因は呼吸器疾患とされているが、1984年に患ったパーキンソン病に関係があると思われる・・」とあり、報道では直接の死因は“敗血症とその敗血症性ショック”によるものだそうです。
・・で、止せば良いのに“敗血症とその敗血症性ショック”を調べてみると、メルクマニュアル医学百科(家庭板)にもの凄く分かりやすい? というか、糖尿病の合併症で足が壊疽になり、まだ潰瘍がある身の私には非常に恐ろしくも、死に到る過程が良く分かる解説がありました。
つい一年くらい前も、足の指の傷をテーピングして、きつく巻いた所為? なのかまた酷い壊疽になり、一ヶ月ほど抗生剤の点滴で助かりました。何しろ足の低温火傷に気付かないほど感覚神経(痛みなど・・)がボロボロです。
そのとき、先に“拍数の増加”に気付き、「風邪でもないのに何か変・・?」と思った経験があります。
サイトカインは感染症にたいする人体防御に無くてはならないものですが、
一旦ソレが“起つ”とやっかいな問題も起こるのです。
・サイトカインによって血管が拡張し、血圧が低下する一方で、臓器内部の毛細血管の血液が凝固する。
「この結果、以下のような一連の有害な合併症が引き起こされます」ということで解説がありますが、読まない方が良いかも知れません。
・生命維持にかかわる臓器(腎臓、心臓、脳など)への血流量が減少します。
・これに対処するために心臓の活動が激しくなり、心拍と送り出される血液の量が増加します。細菌毒素と心臓への負荷により、やがて心臓が弱ります。その結果、心臓から送り出される血液量が減少し、生命維持にかかわる臓器に血液が十分供給されなくなります。
・十分な血液が供給されなくなると、組織は乳酸(老廃物)を過剰に血流に放出するため、血液の酸性度が高まります。
・こうした一連の作用によって、内臓の機能不全が悪化していく悪循環がもたらされます。
・腎臓からの尿量が極端に減るかまったく出なくなり、血中に代謝性老廃物(尿素窒素など)が蓄積します。
・血管壁から体液が組織内に漏れやすくなり、浮腫が起こります。
・肺の血管から体液がしみ出し、それが蓄積して呼吸が困難になり、肺機能が悪化します。
・血液のかたまり(血栓)が形成され続け、その結果、かたまりをつくる血液中のタンパク質(凝固因子)が使い果たされます。これによって過剰出血が起きる場合があります。
「最期は、アリと同じ? も、良いのかも・・!」なんて思ってると、地獄に行って閻魔さんに「アホか? お前は、何処がアリと同じやネン・・!」と叱られそうです。
敗血症と敗血症性ショック【メルクマニュアル医学百科(家庭板)より】
敗血症は、菌血症や他の感染症に対する重篤な全身性の反応です。敗血症性ショックは敗血症によって引き起こされる低血圧症(ショック)で、生命にかかわります。
たいていの場合、敗血症は特定の細菌感染によって起こります(多くは院内感染)。
免疫力の低下、特定の慢性疾患、人工関節や人工心臓弁の使用、ある種の心臓弁の異常といった条件下ではそのリスクが高くなります。
まず、体温の上昇(または体温の低下)がみられます。ふるえを伴う悪寒や脱力がみられる場合もあります。
敗血症が悪化すると、心拍と呼吸が速くなり、錯乱を来し、血圧も低下します。
医師は症状に基づいて敗血症を疑い、血液や尿あるいは他のサンプル中の細菌を確認することによって診断を確定します。
抗生物質を速やかに投与し、敗血症性ショックを起こしている場合には、酸素吸入と輸液を行います。血圧を上昇させるために薬物を投与することもあります。
たいていの場合、感染に対する身体の反応はその感染部位に限定されます。しかし敗血症では感染に対する反応が全身で起こります(全身性反応と呼ばれる)。異常な体温上昇(発熱)もしくは体温低下(低体温症)に加えて、以下の症状のいずれか(または複数)がみられます。
・心拍数の増加
・呼吸数の増加
・白血球の異常な増加、もしくは減少
敗血症が悪化すると、内臓の機能不全が起こり、血圧が低下する場合があります。内臓の機能不全が起こった場合には、その敗血症は重度であるとされます。集中的な治療にかかわらず血圧が低いままであれば、敗血症性ショックと診断されます。米国では、毎年約90,000人(多くは入院患者)が敗血症性ショックによって死亡しています。
細菌が産生する毒素によって、体の中の細胞が炎症を誘発する物質(サイトカイン)を放出すると、敗血症が起こります。サイトカインには免疫系が感染に対処するのを助ける働きがありますが、これによって以下のような有害な影響が出ることがあります。
・サイトカインによって血管が拡張し、血圧が低下します。
・サイトカインによって臓器内部の毛細血管の血液が凝固します。
この結果、以下のような一連の有害な合併症が引き起こされます。
生命維持にかかわる臓器(腎臓、心臓、脳など)への血流量が減少します。
これに対処するために心臓の活動が激しくなり、心拍と送り出される血液の量が増加します。細菌毒素と心臓への負荷により、やがて心臓が弱ります。その結果、心臓から送り出される血液量が減少し、生命維持にかかわる臓器に血液が十分供給されなくなります。
十分な血液が供給されなくなると、組織は乳酸(老廃物)を過剰に血流に放出するため、血液の酸性度が高まります。
こうした一連の作用によって、内臓の機能不全が悪化していく悪循環がもたらされます。
腎臓からの尿量が極端に減るかまったく出なくなり、血中に代謝性老廃物(尿素窒素など)が蓄積します。
血管壁から体液が組織内に漏れやすくなり、浮腫が起こります。
肺の血管から体液がしみ出し、それが蓄積して呼吸が困難になり、肺機能が悪化します。
血液のかたまり(血栓)が形成され続け、その結果、かたまりをつくる血液中のタンパク質(凝固因子)が使い果たされます。これによって過剰出血が起きる場合があります。
<原因>
ほとんどの場合、敗血症は特定の細菌の感染によって起こります(多くは院内感染)。まれに、カンジダなどの真菌が敗血症を引き起こすこともあります。敗血症につながる感染は主に、肺、腹部、もしくは尿路で起こります。ほとんどの場合、これらの感染が敗血症につながることはありません。しかし細菌が血流に入ると(この状態を菌血症と呼びます)、敗血症になる可能性があります。感染初期に膿のかたまり(膿瘍)がみられる場合は、菌血症と敗血症のリスクが高まります。血流に入った細菌(菌血症)ではなく、細菌によって産生される毒素が敗血症の引き金となることもあります。
<危険因子>
重篤な感染症に対する抵抗力が低下している場合には、敗血症のリスクが高まります。具体的には以下の通りです。
・新生児
・35歳以上
・妊婦
・糖尿病や硬変症などの特定の慢性疾患を有する
・免疫系を抑制する薬剤(化学療法薬やコルチコステロイド薬)を使用していたり、特定の疾患(癌、エイズや免疫系の疾患)によって免疫力が低下している
・血流に細菌が混入しやすい患者においてもリスクは高まります。たとえば、静脈や尿路にカテーテルを挿入していたり、ドレナージ管や気管内チューブを使用しているなど、医療器具を体内に挿入しているケースが該当します。挿入されている医療器具によって、細菌が体内に入り込んでしまう場合があります。細菌がこうした器具の表面に蓄積することで、感染や敗血症が起こりやすくなります。器具が留置される時間が長くなるほど、リスクは高まります。
他にも以下のような場合に敗血症のリスクが高まります。
・注射による娯楽薬の使用:麻薬などの薬物を注射する際、薬と針が滅菌されていることはほとんどありません。毎回の注射で程度の差はあれ、菌血症が生じる可能性があります。このような薬物を使用している場合には、免疫力を低下させる疾患(エイズなど)のリスクも増加します。
・人工関節や人工心臓弁の使用、あるいは心臓弁のある種の疾患がある場合:これらの部位に細菌が滞留して蓄積しやすい傾向があります。これらの細菌が連続的あるいは周期的に血流に入り込みます。
・抗生物質による治療にもかかわらず感染が持続する場合:感染症や敗血症の原因となる細菌の中には、抗生物質に対して耐性をもつものがあります。このような耐性菌は、抗生物質で完全に死滅させることができません。抗生物質を使用しても感染が持続する場合は、抗生物質に対する耐性をもつ細菌による感染である可能性が高まり、これによって敗血症が引き起こされることがあります。
<症状>
ほとんどの場合、発熱がみられますが、体温の低下がみられる場合もあります。ふるえを伴う悪寒と脱力を感じることもあります。最初の感染の種類と感染部位によって、他にも症状が現れます。呼吸、心拍、もしくはその両方が速くなることがあります。
敗血症が悪化すると、錯乱を来し、覚醒レベルが低下します。皮膚は熱を持ち、潮紅します。脈拍が速くなり、動悸が起こって、呼吸が速くなります。尿の回数と量が少なくなり、血圧が低下します。その後、多くの場合、体温が正常値以下に低下し、呼吸が非常に困難になります。血流減少のため、皮膚が冷たくなり、斑点ができたり青くなったりします。血流減少によって生命維持にかかわる臓器(腸など)を含む組織が壊死し、その結果壊疽が起こります。
敗血症性ショックが起これば、治療にもかかわらず血圧が低下します。
治療を行った場合でも、敗血症の死亡リスクは約15%で、敗血症性ショックの死亡リスクは40%以上です。
<診断>
感染症にかかっている場合で、突然高熱がでたり体温が低下する、心拍や呼吸が速くなる、血圧が低下するなどの症状がみられる場合には、通常敗血症が疑われます。診断を確定するために、血流に細菌が存在するかどうか(菌血症)、敗血症を引き起こしている可能性のある別の感染症の徴候があるかどうか、血液サンプル中の白血球数に異常がみられるかどうかを調べます。
血液のサンプルを採取し、検査室で細菌の培養を試みますが、培養には1~3日かかります。しかし、最初の感染時に抗生物質が使用されていた場合には、細菌が存在しても培養で増殖しない可能性があります。カテーテルを使用している場合には、体内から取り出して先端部を切り取り、それを培養に用いることもあります。血液に触れていたカテーテルに細菌が確認された場合には、血流にも細菌が存在していると考えられます。
敗血症を引き起こしている可能性のある別の感染症の徴候を調べる場合には、尿、脳脊髄液、傷の組織、たん(肺から排出)などの体液や組織のサンプルを採取します。これらのサンプルを培養し、細菌の有無を調べます。画像検査が行われることもあります。
内臓の機能不全の徴候や、敗血症の合併症が他にないかを調べるための検査も行われます。これらの検査には以下のようなものがあります。
血液検査を実施し、乳酸や他の老廃物の量、血小板(血液凝固を助ける細胞)の数を調べます。乳酸や他の老廃物は増加し、血小板数は減少している可能性があります。
血液検査または指にセンサーを付けて(パルスオキシメーター)酸素濃度を測定し、肺と血管がどれぐらい機能しているかを調べます。
心電図検査(ECG)を実施し、心拍に異常がみられないかを調べ、心臓に血液が十分に供給されているかどうかを確認します。
ショックの原因が敗血症なのか他に原因があるのかを調べるために、上記以外の検査を行うこともあります。
<治療>
敗血症と敗血症性ショックは、たとえ検査結果で診断が確定する前であっても、抗生物質を用いて直ちに治療を行う必要があります。抗生物質による治療が遅れると生存の可能性が大幅に低下します。敗血症性ショックの症状がある場合には、直ちに集中治療室での治療を開始します。
最初に使用する抗生物質を選択する際には、感染がどの部位から始まったかによって、どの細菌が原因となっている可能性が最も高いかを検討します。多くの場合(特に感染巣が不明である場合)、細菌が死滅する可能性を高めるために2~3種類の抗生物質を同時に使用します。その後、検査結果が出た時点で、感染を引き起こしている特定の細菌に対して最も効果的な抗生物質に切り替えます。
膿瘍がある場合は排膿し、感染の原因と思われるカテーテルや医療器具はすべて取り除きます。壊死した組織を除去するために、手術が必要になる場合もあります。
敗血症や敗血症性ショックが重篤である場合にはドロトレコギンアルファ(活性化プロテインC)を用いて治療を行うことがあります。この薬は人間の体内で炎症や血液凝固を防いでいるタンパク質を人工的に模したもので、重篤な敗血症や敗血症性ショックによる死亡リスクを低下させる可能性があります。
敗血症性ショックがみられる場合には、静脈から大量の輸液を行い、血流中の体液量を増加させて、血圧を上昇させます。脳や心臓、他の臓器への血流を増加させるために、血管を収縮させるドパミンやノルエピネフリンなどの薬物が必要となる場合もあります。マスクや鼻カニューレ、もしくは気管内チューブが挿管されていればそこから酸素吸入を行います。必要であれば、呼吸を補助するために人工呼吸器を使用します。
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