私の世界・知らない世界―『イラン軍艦艇、米中央軍司令官乗る艦船に接近 ホルムズ海峡・・!?』
ネットのCNNのニュースから、『ホルムズ海峡で中東を管轄する米中央軍司令官が乗船した艦船「ニューオーリンズ」にイラン革命防衛隊の海軍艦船が2度にわたって接近する行動を示した・・』という話です。
米軍艦船「ニューオーリンズ」に接近したイラン軍艦艇=米中央軍(CNNより)
「ニューオーリンズ」に接近したイラン革命防衛隊の海軍艦船フートン級哨戒艇1隻はP-29B型ミサイル艇のことで中国製です。
P-29B型ミサイル艇(フートン級)(=日本周辺国の軍事兵器より)
イラン海軍は潜水艦を20隻も持っている(日本の自衛隊の18隻より多い)のが特徴的で、軍艦は中級のフリーゲート艦が4隻です。
イラン海軍の内容(ウィキより)
一方、「ニューオーリンズ」はアメリカ海軍の揚陸艦、サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦というもので。揚陸艦と言っても戦略的な作戦司令室(コントロール・センター)が置かれている艦艇です。
米海軍の作戦司令室が置かれた揚陸艦「ニューオーリンズ」(ウィキより)
何故、彼らがそんなに神経質か? というと、ウィキにもあるように、「ニューオーリンズ」は2009年3月20日に、「ペルシャ湾ホルムズ海峡付近で(自国の)ロサンゼルス級原子力潜水艦のハートフォード (USS Hartford, SSN-768) と衝突・・」という不名誉な実績があるからです。
以下は、BBCの「米海軍艦船が湾内で衝突」:“US navy vessels collide in Gulf”と言う記事からです。
『イラン軍艦艇、米中央軍司令官乗る艦船に接近 ホルムズ海峡
(2016.07.14 Thu posted at 18:32 JST)
(CNN) 米国防総省当局者は14日までに、ホルムズ海峡で中東を管轄する米中央軍司令官が乗船した艦船「ニューオーリンズ」にイラン革命防衛隊の海軍艦船が2度にわたって接近する行動を示したと報告した。
中央軍のジョセフ・ボーテル司令官(陸軍大将)の乗船を知った上での意図的な接近であることを示す形跡はないとしている。ペルシャ湾でのイラン軍艦船による米海軍艦船の追尾はたびたび起きており、ニューオーリンズの安全航行が脅かされる事態とはならなかったとしている。
同省当局者によると、今回の遭遇は11日に同海峡の南進用の海路で発生。革命防衛隊艦船は約500ヤード(約457メートル)内にまで接近したという。ただ、双方の艦船同士の間で少なくとも1度は交信があったとしている。
ニューオーリンズに2度にわたって近づいた革命防衛隊海軍艦船の種類は、フートン級哨戒艇1隻とより小型の艦船4隻。
ロイター通信によると、ボーテル司令官はニューオーリンズ上で記者団にイラン軍艦船との遭遇について触れ、誤算が原因の事態に発展しかねない大きな可能性があると指摘。米軍は今回のような事態に対処出来る十分な時間を常に与えられているわけではないとも述べた。』
P-29B型ミサイル艇(フートン級)
中国が021型ミサイル艇(ホアンフェン型/黄蜂型)をベースとして開発した輸出向けミサイル艇。中国海軍には配備されていないが、中国精密機械進出口公司を通じてイランへの輸出に成功している。イランに輸出されたP-29Bは、イラン海軍ではトンダル(Thondar)級、西側諸国からはフートン(Hudong、もしくはHoudong)型と呼称されている。
P-29B型の諸元は、満載排水量134.5t、全長33.5m、全幅6.7m。最高速力33.7kts、航続距離は24Ktsで600nm。兵装は、前部に69式30mmCIWS(AK-230)1基を搭載しており、艦橋上部の347G型(EFR-1/Rice Lamp)レーダーで管制を行う。艦尾にはYJ-82(鷹撃82/C-802/CSS-N-8 Saccade)連装発射機2基が装備されている。イランに輸出されたトンダル級では対艦ミサイルはイラン製の「Noor」艦対艦ミサイル(C-802のイラン版)になり、艦橋構造物直後にZU-23-2 23mm連装機関砲1基を追加装備している。艦橋中央にはラティスが設けられ、水上捜索レーダーや航海用レーダーが搭載されている。
トンダル級は、1994年11月に5隻、1996年3月にさらに5隻がイランに輸出された。同級はイラン海軍ではなく、イスラム革命防衛隊の海上部隊に編入されて運用が行われている。
2014年4月7日、イランイスラム革命防衛隊海上部隊の副司令官であるAlireza Tangsiri少将の発言として、トンダル級の対艦ミサイルを新型のGhader対艦ミサイルに換装したことが明らかにされた。Ghader対艦ミサイルはNoorと同じくC-802をベースとして開発されたもので、射程が200kmに延伸されたのが特徴。Ghaderは2011年に量産を開始しており、既に各種艦艇への搭載が行われると共に、地対艦型や空対艦型も実用化されている。(=日本周辺国の軍事兵器より)
ニューオーリンズ (USS New Orleans, LPD-18)
アメリカ海軍の揚陸艦。サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦の2番艦。ルイジアナ州ニューオーリンズに因んで命名される。
ニューオーリンズの建造契約はルイジアナ州ニューオーリンズのノースロップ・グラマン・シップ・システム社に1998年12月18日に発注され、2002年10月14日に起工した。2004年11月20日に命名式が行われ、キャロリン・シェルトン(ヘンリー・H・シェルトン元統合参謀本部議長の妻)によって命名され、12月11日に進水した。ニューオーリンズは2007年3月10日に就役、就役後はパナマ運河を経由してサンディエゴに向かい、太平洋艦隊に合流した。
ニューオーリンズはサンディエゴを母港とし、第5揚陸戦隊に所属する。
2009年3月20日、ペルシャ湾ホルムズ海峡付近でロサンゼルス級原子力潜水艦のハートフォード (USS Hartford, SSN-768) と衝突、ハートフォードの乗組員が軽症を負う事故が発生した。ニューオーリンズは油槽を損傷し、燃料流出が発生した。(=ウィキペディア)
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