私の世界―ネコ物語・『最近のチップとチビ、「チップという子猫」・・のネコ!?』
チップが亡くなりました。10歳に満たない命、原因はネコには致命的な慢性腎不全でした。
風邪を拗らせ、気管支肺炎(軽いもの)が原因? の「めまい」で一時的に入院(5日)していた私を“待つ”ように、退院した次の日でした。
追悼の意味で、子供の頃の写真とチップとの出会いを最初の入院時に書いた「チップという子猫」を載せておきます。
最初の頃、赤ちゃんのチップ
バンザイのチップ
良い顔のチップ
いつもの場所のチップ
『チップという子猫』(2010.6)
飼い始め
ウィンクという犬を15年近く飼っていました。食欲が急になくなり、体力をなくして1ヶ月余りで歩けなくなって、1週間であっけなく死にました。
ウィンクをなくして寂しいけれど、犬はもうよいので猫でも飼いたいなあと思っていると、何故か長男の翔太が何処からか子猫を連れてくるのです。まだ親離れもすんでいないような小さなトラ猫で、勝手にチップと名づけて翔太は帰って行きました。自分が家を出てしまったものですから、「代わり」と思ったのかも知れません。
人懐っこくて、少しでも手を近づけると、ぶつけるようにして頭を擦り付けてくるのです。キャットフードは直ぐに気に入って食べました。家内は勝田が他所の家の子猫をさらって来たのと違うか心配するのですが、後で分かるのですが、野生の蛙や蛇を食べないとならないような尭虫の仲間を宿していました。まだ赤ちゃんといえる身で、子猫ひとり十一月の夜の寒さに震えながら、ひもじさを蛙を食べてしのいでいたのだと勝手に想像して、本当にかわいそうに、いとおしく思いました。
男の子猫
それで飼うことにしました。飼ってみると意外と元気です。本を読むと子猫は、食事が済むと親代わりに肛門の周りをさすって、便を出させるようにしないといけないとあります。でも、勝手にウンチは自分でするのでほっとしました。夜寒いと、親代わりに保温器が必要だそうですが、平気で寒がりもせず1人でまるまって居間の座布団に寝るのです。最初、女の子だろうと思っていたので、僕のお布団に引っぱり込むのはためらっていたのですが、やんちゃ過ぎるのでだんだん男の子かもしれないと家内と2人で思うようになりました。お布団に入れてやったら、義理で一晩だけ寝ていきましたが、2度とは入って来ませんでした。
部屋へは冒険心からかよく訪ねて来たのですが、一度足を踏んづけて、「ギャー」とものすごい泣き声をして飛んで逃げてしまってから、部屋へ私がいるときは二度と訪ねて来ません。毎朝起きると、キャットフードがほしいのでチップは二階のお母さんの部屋から飛んできます。そうなのです、なぜか家内の部屋が気に入って、寝ているのです。でも、食事だけは僕の担当で、あげないとうるさく付きまとうのでした。食事は、キャットフードだけではかわいそうと、鶏肉を煮てパックに入れて冷蔵庫に保存したものや、煮干を柔らかく水煮してあげていたのです。これも、物の本によるとキャットフードだけの方が長生きするそうなのです。
慧祐との関係
次男の慧祐は最初、兄貴が拾って来たものだからか、飼うのに反対でした。何かというと「そんな子猫、捨ててしまったらいいやん」と云うのです。でも、チップは分かっていたのです。いつも夕食のとき、なにか貰うわけでもないのに、慧祐の膝の上に乗るのでした。彼にとってそこが一番居心地のよい場所なのです。慧祐は「この猫重いなあ、どこか他に行ったらいいのに」と文句は言うのですが、膝の上に乗るのを許しているのです。
このあいだ慧祐は「お兄ちゃんどうしてるんやろ、一度アパートに訪ねてみようかなあ」と意外なことをポツリと呟くのです。口ではぼろくそに言うのに、相手のことを心配するのは誰かとよく似ているのでした。
チップはそんな心を見抜いているのだと思います。
腹の虫
しばらく飼っていると、チップに大変なことが起こりました。ウンチをしたらひも状の得体の知れないものがくっついて出てきたのです。取れないものだから、例によって「ギャー」と叫びながら、二階のお母さんの部屋に飛び込んで行って助けを求めたのです。当然ウンチの付いたひも状のものですから、部屋がどうなったかは想像にお任せします。ひも状のものをティシュでつまみ出して事なきを得たのです。「腸の一部が出たんやろか」とか、「このあいだ荷作りの紐をしがんで遊んでいたから飲み込んだんちゃうやろか」とか、どうもよく分からないのです。もっとも、僕が慌ててしまったのと、気持ち悪いのとで、すぐにトイレで流してしまったのです。洗って、もっとよく調べればよかったのですが、そう気が付いたときはトイレの中でした。
ただ、長すぎるのですが、お腹の虫かもしれないとは考えたので、インターネットで調べたら、当たりでした。そんなに長いのもあるのだそうです。早速、お母さんと慧祐はチップとチップの検便を持って、獣医のところへ行きました。それで、野生の蛙や蛇を食べないとならないような、尭虫やサナダムシの仲間をお腹に宿していたことが分かったのです。
治療と去勢
獣医の診察を受けてチップが雄であることも確定したのですが、「次の診察で尭虫の駆除に強い薬を使うので、麻酔を打たないといけません。ついでに去勢もします」と当たり前のように宣言するのでした。僕は実のところ雄なら去勢はいいかと思っていたのです。マーキングをそこらじゅうにするのは、外出を許せばしないだろうと軽く考えていたのです。去勢をしないで外出を許せば、近所のメスに子供を孕まし迷惑をかけるのと、性病や伝染病にかかる危険があります。でもきっと、チップに聞いたら、「いやです、絶対に去勢をしないで外出を許してください」と言うに決まっています。
尭虫の駆除だけにしてくださいは家内もいいづらいようで、僕も獣医の意見が正当なのは分かっているので強くは反対できなくて、結局チップは去勢もされて小さいうちから「おかま」になってしまいました。
病院から帰宅
病院から帰ってきたチップは、メガホンに首を突っ込んだような格好をして迷惑げにしおれていました。去勢の後の傷口をなめようとするので、そのプラスチック製のメガホン様のものを病院から借りてきたのだそうです。強い薬を使われたせいか、その日は慧祐の座布団でまるまって眠ることが多く、たまに起きると何とか舐れないか悶えていました。
次の日は、まだメガホンは取れないのですがずいぶん元気を取り戻して、もうまるまって眠ることは少なくなくなったのでホットしました。ただチップの方は、元気が出て余計にメガホンが邪魔で仕方がありません。メガホンがあると、ちょっと走るとコン、またちょっと走るとコンとおもわぬ障害物に当るのです。一度、メガホンを力ずくで脱いでしまうものですから、ますます首を締め上げて装着され、余計に悶えることになったのです。
その次の日、メガホンを取ってもらうと、晴々として走り回っていました。
家の外への興味
最近家の外を、なんとなく眺めていることが多くなりました。朝に洗濯物を裏庭に干しに行くと、ずっと何をしているのかパソコン用の椅子の上から眺めています。もう一つは、外出する雰囲気を感じて付いて来るのです。そして、靴を履こうと玄関の上がり口に座ると、先にたたきに下りてドアーの前に座って開けてくれと言う様に顔を見上げるのです。無視して出ようとドアーを開けると自分も一緒に出ようと無理やり頭を突っ込んでくるのです。
「ダメッ」と言って足で押し戻すと、後ろで恨めしそうに見つめていました。
ごめんねチップ
「ごめんねチップ」本当は出してあげたいのだけれど、変な人間の事情で出してあげられなくて。お父さんは入院してしまったので、今は願いを叶えてあげられないのです。がんばって退院出来たら、最初にすることは、お外に君を出して自由にしてあげることと決めているからね。待っていてください。
君を大好きな父より
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