騙されてはいけない1540―今起こっている福島原発事故・「島第一原発 汚染水処理の説明資料に誤り・・で、ヨウ素129!?」
10月18日のネットのNHKニュース、「福島第一原発 汚染水処理の説明資料に誤り 東電が発表」という記事からですが、問題の資料を東電のHPで見ようと登録先のページに行くと見慣れないものに変更されてしまいます。
つまり、いつも見ている東電のHPが更新されて、分かりにくくなっていました。
探してみると「外部リンク」にある「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」が該当委員会のようなのです。
いつも見ている東電のHPが更新
経済産業省のHPの「福島第一原子力発電所における汚染水対策」にある「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」の「2018年10月1日 第10回」の委員会資料が誤っていたもので、「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(第10回)‐配布資料」の「資料3 多核種除去設備等処理水の性状について ※10月17日16時更新」と「参考資料1 ALPS処理水データ集(出口濃度推移)※10月17日16時更新」が10月17日16時に更新されています。
経済産業省のHPの「福島第一原子力発電所における汚染水対策」のページ
「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(第10回)‐配布資料」のページ
「資料3 多核種除去設備等処理水の性状について」の10月17日訂正箇所はALPS処理水(現在タンクに貯留)の放射能濃度が告示濃度限度より高くなった言い訳のところです。
「参考資料1 ALPS処理水データ集(出口濃度推移)」ではほとんどのデータ・グラフが訂正されていますが、内容的に問題と思うのはヨウ素129(I-129)の告示濃度限度を超過した回数がダントツであるということで、ヨウ素129は半減期が1,570万年で、生体にとって相当ヤバイ(危険な)ものです。(末尾に説明を添付)
『福島第一原発 汚染水処理の説明資料に誤り 東電が発表
(2018年10月18日 22時44分)
福島第一原子力発電所で出る汚染水を処理したあとに残る放射性物質の濃度に関するデータについて、東京電力は18日、国の有識者会議に提出した資料に1200か所余りで誤りがあったと発表しました。
福島第一原発で出る汚染水を処理したあとの水には、取り除くのが難しい「トリチウム」という放射性物質が含まれ、構内のタンクでおよそ95万トンが保管され増え続けていて、東京電力は、今月1日に開かれた国の有識者会議で、タンク内の水には、これまで説明されていたトリチウムだけでなく、ほかの放射性物質も環境中に放出する際の濃度基準を上回って大量に含まれていたと報告しています。
これについて、東京電力は18日、汚染水を処理する前と後の放射性物質の濃度を示したデータおよそ3万か所のうち、1276か所で誤りがあったと発表しました。セシウム134の濃度を示すべきところに、セシウム137の濃度を表記する誤りや、グラフの元データからの転記の誤りなどが見つかったということです。
東京電力は「訂正の前と後とで放射能濃度の傾向などに変わりはない」とする一方で、「短時間で大量のデータを加工する必要があり、確認する作業も不足していた。真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努めたい」としています。』
ヨウ素129(I-129)(原子力情報資料室より)
半減期 1,570万年
<崩壊方式>
ベータ線を放出して、キセノン-129(129Xe)となる。低エネルギーのガンマ線が放出される。
<生成と存在>
長寿命の人工放射能。天然では、大気中で宇宙線とキセノンの反応によって生成し、ウラン鉱などに含まれるウラン‐238(238U)の自発核分裂によって生じる。いずれの場合にも、生成量は多くない。
人工的には、核分裂による生成が重要である。1メガトン(TNT換算)の核兵器の爆発で、19億ベクレル(1.9×109Bq)が生じる。1回の核実験による生成量は大きくないが、度重なる核実験によって大気中の存在量が倍増したといわれている。
電気出力100万kWの軽水炉を1年間運転すると、500億ベクレル(5.0×1010Bq)が生成する。
<化学的、生物学的性質>
地球環境で、ふつうはヨウ化物イオン(I–)または単体(I2)として存在する。単体は昇華しやすく、酸性水溶液を加熱すると大気中に揮発する。
甲状腺ホルモンに含まれる必須元素で、体内に取り込まれると、ほとんどすべてが甲状腺(成人で20gの重量)に集まる。成人の体内にあるヨウ素の量は11㎎で、1日に摂取する量は0.20㎎である。この量を摂取するには、小さな塩昆布1枚を食べれば十分である。
<生体に対する影響>
放出されるベータ線は水中で0.3㎜までしか届かない。ベータ線による甲状腺被曝が大きな問題となる。10,000ベクレルを経口摂取した時の実効線量は1.1ミリシーベルトになる。1歳の子供では甲状腺の重量が成人の10分の1なので、被曝線量は成人の約10倍になる。生物学的半減期は、甲状腺で120日、その他の組織で12日とされている。
<再処理工場からの放出>
六ヶ所村での予定年間処理量は800tである。1年間に排水中に430億ベクレル(4.3×1010Bq)、排気中に110億ベクレル(1.1×1010Bq)を放出するとしているが、実際の放出量がこの範囲に収まるかは不明である。放出されるヨウ素-129は海藻に濃縮されるので、環境汚染は避けるべきである。
ヨーロッパでは、広い海域にわたって海水と海藻はヨウ素-129によって汚染され、北海にまで汚染が広がっている。これはイギリスとフランスの再処理工場からの放出だと考えられている。日本でも、東海村再処理工場の運転開始時には敷地外にヨウ素-129が放出され、周辺の環境試料が汚染されたことが、放射線医学総合研究所那珂研究所の研究によって明らかにされている。
<放射能の測定>
半減期が長いために、微量のヨウ素-129の量を決定しなければならない。ベータ線測定によって0.01ベクレル以下を測定することは難しく、他の測定法が必要である。
有効な分析法の一つが「放射化分析」である。この方法では、試料中のヨウ素を分離し、ヨウ化パラジウム(PdI2)として原子炉照射し、生成するヨウ素-130(130I、12.6時間)を測定してヨウ素-129の量を求めている。新しい高感度の方法が「加速器質量分析法」である。この場合はヨウ素を分離してヨウ化銀(AgI)に変える必要がある。この測定法の研究開発は、日本原子力開発寄稿の「むつ研究所」でおこなわれている。
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