私の世界・知らない世界―「英ダイソン、電気自動車開発を中止 「商業的に実現不可能」・・で、テスラは!?」
ネットのBBCニュースから、「イギリスの家電大手ダイソンは10日、電気自動車(EV)開発プロジェクトを中止・・」という話です。
サー・ジェイムズ・ダイソン(BBCより)
ダイソンが特許出願のために提示したEVの図
「電気自動車は、何回も充電可能な大容量蓄電池を必要とするため、値段や充電時間が問題となります。
それと、発電を外部に依存する(発電所で発電)ということはエネルギー効率を悪いものにし、それ自体の走行は環境に優しくとも全体的には環境に良くありません。
トヨタがEVでなく、HV(ハイブリッド)にこだわるのはそれなりに理由があるからです。
テスラも中々採算に合わないようで行き先が懸念されますが、全ての販売をオンライン経由に変更、クルマの「コネクテッド」化を目指すようで、何か?大変なこと(=私の個人的感想)になりそうです。
コネクテッドカー(Connected Car):インターネットへの常時接続機能を具備した自動車。⇒「テスラはハリケーンの進路にあった車両のバッテリー容量を無線ネットワークを使って無料で増量・・」なんて、「行動を全て把握出来、生殺与奪権を持てる・・!?」ということ。
『英ダイソン、電気自動車開発を中止 「商業的に実現不可能」
(2019年10月11日)
イギリスの家電大手ダイソンは10日、電気自動車(EV)開発プロジェクトを中止すると発表した。開発チームは「素晴らしいEV」を開発したものの、「商業的には実現不可能」だと判断したという。
創業者のサー・ジェイムズ・ダイソンは全社員宛ての電子メールで、このプロジェクトの買い手が見つからなかったと説明した。
ダイソンは2016年、20億ポンド(約2700億円)を投資して「急進的で独特な」EVを開発すると発表。開発するEVは大衆市場向けではないと説明していた。
資金の半分は車の製造に、もう半分はEV向け電池の開発に充てる計画だった。開発部門には523人が所属していた。
サー・ジェイムズのメールによると、ダイソンはシンガポールとイギリスのEV開発施設を閉鎖する予定。
ダイソンは2018年10月に、シンガポールにEV工場を設置することを明らかにしていた。この工場は2020年に完成し、2021年に生産を開始する予定だった。
ダイソンはまた、イギリス国内での交通設備の研究開発(R&D)に2億ポンドを投じる計画を立てていた。すでにこの資金の大半を使っており、残りは別のプロジェクトへ振り向けるという。
EVプロジェクト向けの資金についても、電池技術など他の開発プロジェクトに使われる予定だ。
メールの中でサー・ジェイムズは、「このニュースを聞き、消化するのがつらい人たちへ、これは製品の失敗でも、開発チームの失敗でもない」とつづった。
一方で、「私たちは開発プロセスにおいて非常に懸命に働いたが、単純に、商業的に成功する見込みはもうないとみている」と話した。
「ダイソンの自動車チームは素晴らしい車を開発した。私たちの哲学に忠実でありながら、そのアプローチは創意に満ちていた」
別部門に配置転換
EV開発チームの人員には今後、掃除機や扇風機、ドライヤーといった製品部門への異動が検討されている。
また、ダイソンは今後も電池技術の開発は続けるとしている。
サー・ジェイムズは、「この電池技術は素晴らしい手法でダイソンに利益をもたらし、新しくワクワクするような方向に連れて行ってくれるだろう」と語った。
「簡潔に言えば、私たちの投資意欲は衰えていないし、イギリスとシンガポールに根付かせたものを引き続き深めていきたいと考えている」
「方向転換したプロジェクトはこれが初めてではないし、これが最後にもならないだろう」
<分析> セオ・レゲット、ビジネス担当編集委員
ダイソンは何か革命的なものを作りたかった。同時に、採算も合わせる必要があった。この足し算は成功しなかった。
EVの販売台数は急激に伸びている。しかし、これまでの車に比べると製造コストはなお高く、利益もほとんど生み出していないのが現状だ。
独フォルクスワーゲン(VW)のような大手メーカーであれば、EV産業に何百億ユーロもつぎ込むことができるだろう。究極的にはスケールメリットが技術を安くし、利益を生むのだ。
EVの素晴らしさを世に知らしめたアメリカの新興企業テスラでさえ、巨額の資金を失い、投資家に頭を下げなくてはならなかった。
ダイソンは単純に、こうした大手企業とやりあうには資金が足りないと結論付けた。しかし、電池技術を飛躍的に発展させようという努力は続けるようだ。』
トヨタ「電気自動車」でついに本気を出した理由・・EV向けリチウム電池調達で中国企業とタッグ
(2019/06/12 5:00 東洋経済ONLINEより)
「6月9日、同社は世界で販売する車の半分にあたる550万台をハイブリッド車(HV)などの電動車にする目標時期を2025年とし、従来の計画から5年前倒しすることを明らかにした。・・・」
『苦し紛れのテスラが照らす自動車販売の未来
(2019年3月1日 日経ビジネスより)
米EV(電気自動車)メーカーのテスラは2月28日、全ての販売をオンライン経由に変更すると発表した。今は米国だけで約100カ所に販売店を置いているが、その多くを数ヶ月以内に閉鎖する見通し。資金繰りが苦しい中での苦肉の策ではあるが、次世代のクルマ販売のあり方を提示している面もありそうだ。
テスラは同日、量産型セダン「モデル3」で廉価モデルを発売すると発表した。販売価格は3万5000ドル(約390万円)から。最安値モデルの最高速度は時速130マイル(209キロ)、航続距離は220マイル。1つ上の3万7000ドルモデルの最高速度は時速140マイル、航続距離は240マイルになるという。
同社は公式ブログで「これらの価格帯を達成するため」と前置きし、販売手法の変更について併記した。一部の交通量の多い場所にある店舗はギャラリーやショーケースなどとして残すが、多くは今後数カ月以内に閉鎖する。販売店の閉鎖などのコスト改善により、自動車の価格を平均6%ほど下げることができるのだという。
新車の販売といえば、販売店を介すのがこれまでの常識だ。販売店はアフターサービスや車検、修理などの業務もこなし、収益を確保する。自動車メーカーにとっては、販売店は顧客を囲い込む重要なタッチポイントだ。
ただ、テスラの場合、販売店といっても、ショッピングモール内に設けた小規模店が多かった。実際の販売手続きはオンライン経由。これまでも業界の常識を覆す販売手法を採っていた。
そうした販売モデルを作れたのは、テスラのEVはネットにつながる機能を備えているからだ。自動運転機能などのソフトは遠隔でアップデート。クルマに備えたカメラは道路状況などを常に記録し、これらの情報を基にテスラはより便利な機能や地図の充実などを実現している。
2017年に大型ハリケーン「イルマ」が米南部を襲った際には、テスラはハリケーンの進路にあった車両のバッテリー容量を無線ネットワークを使って無料で増量した。航続距離を延ばすことで、ハリケーンの進路から逃れやすいようにドライバーを手助けしたのだ。万が一の充電切れに備え、急速充電機を置いた販売店を設置する、といった発想はテスラにはない。
オンライン販売では引き渡しから7日以内か1000マイル以下の走行であれば、無料で返却することができる。ちょうど、通販サイトの「ゾゾタウン」と同じような仕組みだ。テスラは「車を購入して週末の友人との旅行で数百マイル走っても(満足できなければ)無料で返却できる」とする一方で「顧客がテスラを持ち続けたいと思うと確信している」と自信を示す。
テスラはこれまでも、地図が見やすい縦長の大型モニターを車内に設置するなど、クルマに新たな風を吹き込んできた。「量産モデルの投入で増えていく受注をネットでうまくさばけるか、お手並み拝見だ」とモータージャーナリストは話す。とはいえ、クルマの「コネクテッド」化は今後、確実に広がっていく。テスラのチャレンジは、日本の自動車メーカーにとっても参考になるはずだ。』
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