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2021年1月14日 (木)

私の世界・知らない世界―『米議会襲撃 65日間の危険信号・・その②!?』

 ネットのBBC(bbc.com/japanese/)のニュースから、「米国大統領選挙の米議会襲撃に至る65日間・・」の話その②です。

<その②>

しかしそれに加えて、「内戦」や「革命」が必要だと主張する、もっと気がかりな投稿もたくさんあった。

115日の午後>

フェイスブックは115日の午後にはこのグループを削除したが、それまでにすでに50万件近い投稿や共有、「いいね」や返答の書き込みがあった。

そして、数十の類似グループがたちまち立ち上がった。

・トランプ氏の勝利を主張する有権者たち(115日、アリゾナ州)

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「トランプ氏の勝利が盗まれた」という発想はオンラインで広がり続け、定着した。やがて、「Stop the Steal」サイトが作られ、「正しく公平な投票結果を守るため、現場」で活動する協力者の登録を募った。

117日:バイデン確定報道>

11月7日になると、主要メディア各社がバイデン氏の勝利が確実になったと伝えた。民主党の支持者が多い地域では、大勢が往来に出て祝い、喜びを分かち合った。しかし、トランプ氏の熱烈な支持者たちは、激しく怒り、反発した

・【米大統領選2020】 バイデン氏が当選確実、BBCが伝えた瞬間

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トランプ氏の支持者たちは1114日にワシントンで、「100万人のMAGA(アメリカをまた偉大にしよう)行進」を行うと発表。トランプ氏は、自分も立ち寄って、できれば「あいさつ」したいとツイートした。

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ワシントンでのトランプ派集会はそれまで、あまり人の集まりがよくなかった。しかしあの11月の快晴の朝、ホワイトハウスに近いフリーダム広場には、数千人が集まった。

この集会を「トランプ派反乱のデビュー」と呼んだ、過激主義の研究者もいる。

トランプ氏を乗せた車列がこの集会の近くを通ると、支持者たちは大喜びで、大統領を一目見ようと湧きたった。赤い「MAGA」帽子をかぶったトランプ氏は、車内から嬉しそうに群衆に手を振った。

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主要な保守派著名人も参加していたが、この集会の中心的存在はあくまでも数々の極右団体だった。

行進には、移民排斥主義の極右団体「プラウド・ボーイズ」も参加していた。これまでも数々のデモや行進で暴力沙汰を繰り返していたこの団体は、後に議会襲撃にも参加する。ほかの私兵組織や極右関係者、陰謀論を推進する右派なども大勢、この集会に参加した。

夜になると、トランプ氏の支持者たちと、この集会に反対する対抗勢力とが衝突した。ホワイトハウスから遠くない場所での乱闘もあった。

この時は警察が暴力沙汰をあらかた押さえ込んだ。しかし、この時の衝突や乱闘は明らかに、その後の展開の予兆だった。

11月も半ばになると、トランプ氏と弁護団は、各地で開始した法廷闘争に望みをかけていた。

・ジョージア州での再開票を「詐欺」だと非難し、訴訟を応援するトランプ氏のツイート(ツイッター社が「不正選挙についてのこの主張には異論があります」と警告をつけている)

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すでに複数の裁判所がトランプ陣営や支持者による不正選挙の訴えを退けていたが、トランプ派ネット利用者の間では、大統領と親しい弁護士2人に注目が集まりつつあった。シドニー・パウエル氏とリン・ウッド氏だ。

パウエル弁護士とウッド弁護士は、大掛かりな不正選挙の証拠を徹底的に揃えて公判に臨むとたびたび主張した。自分たちの集めた証拠が表ざたになれば、バイデン氏の当選などあとかたもなくなるとした。

保守派の活動家で元連邦検事のパウエル氏は保守派FOXニュースで、自分が不正の証拠を提示するのは「クラーケンを放つ(release the Kraken)」のに等しいと述べた。「クラーケン」とは深海から突如浮上して敵を飲み込む、北欧神話に出てくる巨大な海の怪物だ。

「クラーケン」はただちにインターネットのミーム(拡散される画像・動画)になり、大掛かりな不正選挙があったと根拠を示さず主張する大勢が使うようになった。

パウエル弁護士とウッド弁護士は、陰謀論Qアノンを信じる人たちの間で、英雄扱いされるようになった。Qアノンとはトランプ氏を支持する根拠のない陰謀論で、「世界の政財界やマスコミ、ハリウッド、民主党にはびこる悪魔崇拝の小児性加害者が作り上げた『ディープステート』に対して、トランプ大統領と極秘の軍情報部が秘密の戦争を繰り広げている」というのが主な内容。

 両弁護士は、トランプ大統領と、その支持者の中でも特に陰謀論に凝り固まった人たちを結びつける存在となった。陰謀論を信じる支持者の多くは、16日の議会襲撃で議事堂内部に侵入した。

パウエル氏とウッド氏は、オンラインでしきりに騒ぎを巻き起こしたが、実際の訴訟は拍子抜けに終わった。

11月末に約200ページもの文書を公表したものの、その訴訟とはたくさんの陰謀論や、すでに反証されて数十の裁判所に退けられた根拠のない主張をかきあつめたものに過ぎないことが明らかになった。

加えて両弁護士による訴状には、法律上の初歩的な間違いや、単純なつづりミス、誤字脱字なども多数あった。

それでも、「ミーム」は広がり続けた。「クラーケン」や「クラーケンを放て」といった表現は、議会襲撃の前にツイッター上で100万回以上、繰り返し使われた。

・「クラーケン」、ツイッター上で100万回以上

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各地の裁判所が次々とトランプ陣営や支持者の訴えを退けていく間、極右活動家たちは激戦州の選挙管理委員会を標的に、選管幹部やスタッフを攻撃した。

バイデン氏が勝った激戦州ジョージア州では、州の選管スタッフが殺害予告を受けて脅された。同州のブライアン・ケンプ州知事やブラッド・ラッフェンスパーガー州務長官、そして同州の投票システムの責任者、ゲイブリエル・スターリング氏(同)はいずれも共和党員だが、それでもオンラインで「裏切り者」などと攻撃された。

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