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2021年5月 2日 (日)

私の世界・知らない世界―「高齢者ワクチン接種に25年?・・!?」

 コロナ禍の御時勢で、ネガティブというか、余り大変だ!という話はしたくないのですが、“現代ビジネス”の野口 悠紀雄一橋大学名誉教授のレポート「高齢者ワクチン接種に25年?デジタル政策の立ち遅れと混乱ここまで・・」は日本の現状を端的に述べていると思うので紹介します。

 日本の場合、コロナ禍はほとんど人災といえ、政府や行政などコロナが始まって以来、まともなことを何もしていません。

 それは韓国や台湾のように情報社会、高度な情報管理社会化につながるので、まあいいか?と思っていましたが、余りにも酷過ぎです。

 聞くところによると、マイナンバーカードが健康保険証として利用されるのもまだ先のようです。

 以下はVRSの概要ですが余りに複雑・煩雑で笑うしかありません。「シンプル イズ ベスト」なのに!

 

 

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『高齢者ワクチン接種に25年?デジタル政策の立ち遅れと混乱ここまで

<とうとう国民の命に直接かかわる事態に>

10日間で4万人だから完了まで25年かかる!  

日本でも412日から待望の高齢者向けのワクチン摂取が始まった。では、どの程度進捗しているのだろうか?

首相官邸ホームページに掲載されている「これまでのワクチン総接種回数(高齢者、都道府県別)」の数字を見て、私はのけぞり、ショックのあまり頭がフラフラになり、気分が悪くなってしまった。

そこには、421日までの10日間での高齢者の接種回数は、全国で39306回と書いてあったのだ。

日本の65歳以上の高齢者の数は約3617万人である。これは、39306人の920倍だ。したがって、いまのペースだと、高齢者の1回目の接種が完了するまでに、10日間の920倍、つまり9200日が必要になる。これは、約25年間だ。

ほとんどの高齢者は、ワクチン接種の前に死んでしまう!

医療従事者確保不能? 接種管理システム機能不全?

多くの人は、これを聞いて、「数字の読み間違えだ」と言うだろう。私自身もそう考えたので、何度も確かめた。読者の方々も、ぜひ首相官邸のページを開いてご自身で確かめていただきたい。

あるいは、接種はまだ本格化していないのだろうか?多くの自治体が、接種のための医療従事者を確保できていないといわれる。そうであれば、今後の見通しはどうなのか?あるいは、データの収集に時間がかかっているのだろうか?

しかし、上記の数字のもととなっている摂取管理システムVRSは、「時間遅れなしに即座にデータをデジタル化できる」という触れ込みだった。ところが、後で説明するように、VRSがうまく機能していない可能性が高い。

だが、仮に数字が1桁違っているにしても、2年半だ。絶望的なことに変わりはない。一体、どうなっているのだろう?また、そもそも摂取管理システムが機能していないこと自体が大問題だ。

ワクチン接種が進むかどうかが日本の命運を決する

一方、東京、大阪などに対して、3回目の緊急事態宣言が発令された。変異株による爆発的な感染拡大が起きている。

昨年47日に緊急事態宣言が発令された時、日本国内での感染者数は1日あたり375人だった。ところが422日時点での感染者数は4973人で。事態は昨年に比べてはるかに深刻だ。

頼みの綱はワクチンの接種だ。ワクチン接種が順調に進んだイスラエル、イギリス、アメリカでは、感染者数が劇的に減少している。

これらの国では、昨年の12月から接種が始まった。今年の1月頃には、感染者数が日本よりずっと多かったのだが、その後激減。いまでは日本を下回っている。そして、生活が正常化に向かいつつある。

ここ数ヵ月間にワクチン接種を進められるかどうかが、日本の命運を決する。政府の最大の課題は、一刻も早く全国民にワクチンの接種を完了させることだ。

本当にワクチンを確保できたのか?

ところが、その肝心なことに関して、政府の約束は誠に心許ない。

訪米中に米ファイザー社トップとの電話会談を行なった菅義偉首相は、国内の接種対象者全員分を9月までに確保できるめどが立ったと表明した。

ところが、2021両日に衆参各院で行われた訪米報告で、「外務省のホームページに『9月』なんて一言も書かれていない」と指摘されると、「相手方の関係もあり詳細は差し控えます」と答え、「9月までに供給されるメド」とした自身の発言の詳細を説明しなかった。

また、国内対象者の接種完了時期を問われても、「実務を担う自治体が作成した計画による」と具体的な言及を避けた。

20日の参院厚労委員会で田村厚労相は「合意書を交わしているわけではない」と答弁。追加供給の「実質合意」を後退させた。

また、自民党の下村政務調査会長は、419日に開かれた党の会合で、「自治体によっては医療関係者の協力が足らず、65歳以上に限定しても、今年いっぱいか、場合によっては来年までかかるのではないか」と指摘した。

要するに、ワクチン接種がどう進むかは、全く分からないということだ。

オリンピック期間中に人員を確保できるのか?

ワクチンの接種を進展させるためには、ワクチンの確保だけでなく、接種にあたる医師や看護婦など医療従事者の確保が必要だ。冒頭で述べたワクチン接種の遅れは、医療従事者が確保できないためである可能性が高い。

今後コロナの感染が拡大すれば、その対応に医療従事者が割かれるので、ワクチン接種のための人員確保はさらに困難になるだろう。

ところで、医療人員確保は、世界のどの国も直面している問題だ。そして、その解決のために、さまざまなことが行なわれている。

例えば、イギリスでは114日から薬局でも注射ができるようになり、薬剤師も注射している。また、ワクチンセンターを24時間稼働させている。

日本でも、人出不足などの問題を克服するために、もっと工夫と努力がなされてよいのではないだろうか?

日本は、それに加えて、オリンピックという問題を抱えている。その期間は、医療従事者が割かれる。すると、ワクチン接種のための医療人員確保は、さらに難しくなるだろう。

オリンピック遂行のために様々なことを犠牲にしなければならないのは、理解できなくもない。しかし、いまの日本人にとって最も切実な課題であるワクチン接種まで犠牲にしなければならないというのは、私には理解できない。

接種管理システムVRSが機能しない

ワクチン接種を進めるためにもう1つ必要なのは、管理ステムだ。

ワクチン接種管理システムVRS412日から稼働した。425日公開の「世界競争に敗北、日本は『ワクチン接種ガラパゴス』に閉じ込められる」で、「これがうまく機能すればよいが、絶対確実ではない」と述べた。ところが、本稿の最初に述べたように、VRSの動作は、どうもおかしい。

詳しく見ると、栃木、埼玉、静岡、滋賀、兵庫、島根、佐賀、大分、熊本の9県で、接種者がゼロになっている。これらの自治体でも、実際には接種は始まっているのだから、ゼロは誤りだとしか考えようがない。

自治体側では、「VRSへの入力作業が厄介で、追いついていない」などとしている。422日の日本経済新聞「早期接種デジタルの壁」によると、多くの自治体でVRSが利用されていない。

システムが複雑すぎて入力できない。接種券の情報を読み取る際に時間がかかったり、誤認識したりする場合がある。また、オートフォーカスが合わない、等々の問題があるとされる。

しかし、それにしても、「ゼロ」というのはどうしたことだろう。自治体にそっぽを向かれているのではないだろうか?

誰が、いつ、どこで、どのワクチンを接種したのかという接種管理ができないと、混乱が起こりそうだ。また 接種がどれだけ進んだかを正確に把握しないと、対策や経済再開の判断はできない。ワクチンパスポートも発行できない。

3システムが併存で混乱

日本のワクチン接種の管理システムは、各自治体が管理する予防接種台帳、VRS、それにVSYSという3システムが併存している。これが混乱を引き起こしている面もある。

V-SYS(クチン接種円滑化システム)は、厚労省が昨年夏から開発していたものだ。しかし、このシステムは、ワクチンを自治体に配送することだけを管理するもので、誰にいつどこで打ったかを記録する仕組みがない。

そこで、内閣官房 IT 総合戦略室が、急遽VRSを開発したのだ。この裏には、内閣と厚生労働省の間の複雑な確執があったと言われている。

そして、VRSが成功するかどうかがデジタル庁の試金石になると言われていた。ところが、これもうまく機能しない。

この国のデジタル政策の立ち遅れと混乱が、ついに国民の命に直接かかわるところにまで及んできた。』(野口 悠紀雄:一橋大学名誉教授)

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