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2023年12月

2023年12月29日 (金)

私の世界・知らない世界―『イスラエル軍がガザ地区で大型爆弾多用・・500カ所以上!?』

 ネットのCNNのニュース記事から、「イスラエル軍がガザ地区で大型爆弾を多用・・」という話です。

・イスラエル軍の攻撃で破壊されたガザ北部のジャバリヤ難民キャンプ/Stringer/Anadolu Agency/Getty Images

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 以下は、マップの航空写真で見たジャバリヤ地区の一例ですが、こんな人口密集地域に500カ所以上も2000ポンド(約907キロ)爆弾を落とすのは「狂気の沙汰」としか思えない所業です。

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 イスラエル軍使用の2000ポンド爆弾はアメリカ軍のMK84と思われ、超大型の無誘導爆弾で、ウィキによると湾岸戦争中のイラクやイスラエル空軍の1981年イラク原子炉爆撃などに使用されています。

 もっと威力のある通常(核以外)爆弾には、重量6,803.9kgのBLU-82(デイジーカッター)や約9,800 kgのMOAB(モアブ)があり、イスラエルが使ってしまわないか心配です。

・MK84Mark 84、マーク84

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アメリカ合衆国の無誘導爆弾である。重量2,000ポンド(907.2kg)クラスのこの爆弾は、Mk.80シリーズの兵器の中で最も広く用いられている。

<概要>

ベトナム戦争中に配備されたこの兵器は、Mk.80シリーズで最も多くの高性能爆薬を積んでいることから、一般的に投下されている大型無誘導爆弾の大半は本爆弾である。その後、重量6,803.9kgBLU-82デイジーカッターが配備されると重量では第二となり、さらにBLU-82の後継として現代では重量10,251.2kgGBU-43/B MOABが配備されたため、第三位となった。しかし、これらの爆弾はその巨大さゆえに運用上の制約が大きく、通常の作戦においても広範に用いられる爆弾としては依然としてMk 84が最大級のサイズとなっている。

湾岸戦争中のイラクで飛行したF-117 ナイトホークの搭乗者たちは、本爆弾の相当な破壊力と爆風半径により、この爆弾を「ハンマー」と渾名した。この際には、弾体にGBU-27 ペイブウェイIIIキットが装着され、F-117専用として使われていた。

1981年のイラク原子炉爆撃事件では、イスラエル空軍のF-16戦闘爆撃機が16発のMk.84を投下、うち14発が命中し建設中の原子炉は破壊された。・・・

BLU-82/B(デイジーカッター:Daisy Cutter

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軍事スラングで、地表の構造物を薙払うように吹き飛ばす爆弾、あるいはそのような目的で作られた延長信管を指す。デイジー(Daisy)とはヒナギクの英名のことで、ヒナギクは原産の欧州では芝生の雑草扱いのため、デイジーカッターは「雑草を刈るもの」という意味になる。

代表的なものとして、アメリカ空軍が開発した総重量約6,800 kgの巨大爆弾、制式名称BLU-82/B がある。・・・

・MOAB(モアブ、英: Massive Ordnance Air Blast、大規模爆風爆弾兵器)

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制式名称 GBU-43/B は、アメリカ空軍が開発した爆弾である。20171月現在、通常兵器としては史上最大の破壊力を持つとされる爆弾である。・・・

長さ約9.1 m、重さ約9,800 kgの航空機搭載爆弾で、8,482 kgの炸薬が収められているという。・・・(=ウィキペディアより)

『イスラエル軍、ガザで大型爆弾を多用 ベトナム戦争以来の規模とも

2023.12.28 Thu posted at 20:00 JST

(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区で軍事衝突が始まった今年10月7日以降の最初の1カ月間でイスラエル軍が数百発の大型爆弾を使い、多くは1000フィート(約305メートル)以上離れた住民らも死傷させる破壊力を持っていたことが28日までにわかった。

CNNとAI(人工知能)企業「シンセティック」による衛星画像などの分析で判明した。これら爆撃によって地面に刻まれた穴の直径は12メートル超で、500カ所以上にできていた。

この直径は、2000ポンド(約907キロ)爆弾が着弾した際に生じる規模と一致している。同爆弾は、米軍がイラク・モスルで以前に実行した過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の掃討作戦で用いたものより4倍の重さともなっている。

ISIS壊滅の作戦で米軍が2000ポンド爆弾を使ったのは1度だけともされている。同組織が「国家」樹立を宣言し、「首都」としたシリア北部ラッカに投下していた。

兵器などの専門家は、ガザでの死者数の急増は2000ポンド爆弾のような大型爆弾の広範な利用が原因と非難。ガザは地球上で人口密度が最も高い地域の一つとなっており、大型爆弾の使用は重大な人的損失などを招くと説明した。

・瓦礫と化したジャバリヤ難民キャンプで頭を抱えて座り込む男性/Ali Jadallah/Anadolu/Getty Images

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米首都ワシントンに拠点を置く非営利団体「CIVIC」のメンバーは、ガザのような人口密集地域へ2000ポンド爆弾を落とせば、その後の地域社会の再建に数十年間要することを意味するとも主張した。同団体は、紛争が民間人に及ぼす被害を最小限にする対策などに取り組んでいる。

米国防総省の元諜報(ちょうほう)アナリストは、イスラエル軍が軍事衝突の最初の1カ月間にガザで実行した爆撃の頻度は「ベトナム戦争以来の規模だった」と分析。イラクにおける戦争と過激派掃討作戦でも今回ほどの密度に達していなかったと述べた。

軍事衝突がもたらしたガザの街並みなどが荒廃する大規模被害を受け、イスラエルはその責任を問われる国際的な圧力にさらされてもいる。強固な同盟国である米国のバイデン大統領さえ、ガザに対する「無差別爆撃」でイスラエルに非難を浴びせた。

一方で、イスラエル政府当局者は、大型爆弾の投入はガザを実効支配するイスラム組織「ハマス」を壊滅させるために必要と主張した。イスラエルは民間人の死傷者を最小限にするためあらゆる可能な措置を講じているとも反論した。

ガザでの交戦激化は、ハマスが今年10月7日にイスラエルへ大規模な奇襲を仕掛けたことがきっかけだった。

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2023年12月20日 (水)

私の世界・面白い話のネタ―ネコ物語・『ネコも犬と同じくらい「取ってくる」遊びが好き でもやり方はネコが決める・・のネコ!?』

 ネットのBBCの記事から、『猫も犬と同じくらい「取ってくる」遊びが好き でもやり方は猫が決める!』という、「ネコの遊びについての新しい情報」を科学者が明らかにした話です。

話は別に:「最近のチビとハナ」ですが、「縁側でヒナタボッコ!」です。

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『猫も「取ってくる」遊びが好き 犬と同じくらい……でもやり方は猫が決める 英研究

20231218日:ショーン・セドン、BBCニュース)

投げられた物を取ってくる遊び(フェッチ)は、犬にとって生活の重要な一部だ。しかし、多くの猫も犬と同じくらいこの遊びを楽しんでいることを、科学者らが明らかにした。

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イギリスのサセックス大学とノーサンブリア大学の研究者らが、猫を飼う1000人を対象に、前例のない研究を実施。その結果、猫の遊びについて新情報が得られた。

研究報告は、英科学誌ネイチャーに掲載された。

自分の猫が何にどう反応するかについて、飼い主は決めつけないほうがいいことが研究成果から分かったと、研究チームは話している。

研究によると、多くの猫は本能的に遊ぶのが好きなので、猫が楽しく活動的に暮らすため、飼い主は今まで以上に工夫するのが推奨されるという。

また、「持ってこい」「とってこい」とも呼ばれる「フェッチ」をどのように遊ぶか、猫は一般的に自分でコントロールしたがることが、研究から明らかになった。「フェッチ」の遊びに、特に訓練は必要ないという。

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サセックス大学心理学部の博士課程で研究するジェマ・フォーマンさんは、「自分からフェッチを始めた猫は、より熱心に遊び、1カ月当たりのフェッチ遊びの回数も多かった」としている。

「自分が状況をコントロールしていると猫が感じることが、猫の福祉と、猫と飼い主の関係にとって有益かもしれない」と、フォーマンさんは話す。

「飼い主には、猫の遊びの好みに応えることで、猫のニーズを受け入れるよう、お勧めする。すべての猫がフェッチをしたがるとは限らないが、やりたがる場合は、それぞれ独特のやり方をもっているはずだ」

・純血種で遊びやすいのは

今回の研究は、フェッチをする猫1154匹(雑種994匹、純血種160匹)の飼い主924人から情報を集め、猫の行動をよりよく理解することを目指した。

その結果、大多数(94.4%)の猫が、取ってくる物がおもちゃか、一般的に家の中にあるものかにかかわらず、子猫のころから本能的にフェッチをすることが分かった。

純血種でフェッチをしたのはシャムが最も多く(22.5%)、次いでベンガル(10%)、ラグドール(7.5%)が多かった。

研究結果を共同執筆したノーサンブリア大学心理学講師のエリザベス・レナー博士は、「猫自身がこの行動を主導していることを明らかにした点で(今回の結果は)重要だと考えている。調査した飼い主で、フェッチをするよう猫を明らかに訓練した人はほとんどいなかった」と話した。

(英語記事 Cats purrfectly happy to play fetch, research says

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2023年12月19日 (火)

騙されてはいけない1670―今起こっている福島原発事故・「3号機圧力抑制室内滞留ガスのパージ作業・・クリプトン85濃度が1.46×10**10ベクレル/m3!?」

 東電のHPにあるニュースリリースの参考資料20231218日「福島第一原子力発電所 3号機圧力抑制室内滞留ガスのパージ作業(採取した滞留ガスの評価結果等について)」からですが、トリチウム等汚染水の希釈して海洋放流に続き、滞留ガスのパージ(=放出)作業の報告です。

 3号機の圧力抑制室に滞留するガスのクリプトン85濃度が1.46×10**4ベクレル/cm3、推定体積は約1,600m3ですが、気体ですから単位をm3にすると100万倍の1.46×10**10ベクレル/3という数値の放射性ガスを約1,600m3放出するものです。

 また、ガスに含まれる核種はクリプトンだけではないのです。

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2023年12月 9日 (土)

私の世界・知らない世界―『兵士の数も武器の数もロシア軍に劣る・・「地獄」の前線、ウクライナ兵がBBCに証言・・!?』

 ネットのBBCニュースの記事から、「兵士の数も武器の数もロシア軍に劣る・・「地獄」の前線、ウクライナ兵がBBCに証言・・」という、どうも「ウクライナ紛争が手詰まり状態でウクライナに不利に傾き始めている・・?」という話です。

 ゼレンスキー大統領は、まだ今だに「この反転攻勢はさらに大きな何かの始まりだと、盛んに強調・・」し、「戦場で手詰まり状態にはなっていない・・」と

仰ってるようです。

 なお、レポート中ほどのドニプロ川の説明図には、「ウクライナの勝利は、荒廃し放棄された土地の小さな区画・・」が分かるように、マップを加工・編集して添付していますが、ウクライナが侵攻したという「3荒廃し放棄された土地の小さな区画」は、ドニプロ川の中州の湿地帯?にしか過ぎないものです。

 

『兵士の数も武器の数もロシア軍に劣る・・「地獄」の前線、ウクライナ兵がBBCに証言

2023127日:ジェイムズ・ウォーターハウス、BBCウクライナ特派員)

・ウクライナでの戦争は開戦から2年目を迎えようとしている。1000キロメートルに及ぶ前線では、激しい戦闘が続く。画像はウクライナ東部ドンバス地方で活動するウクライナ兵(今年2月)

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ウクライナ軍は兵士の数でも、武器の数でもロシア軍に劣っている。前線に立つウクライナ兵の1人は、脈々と流れるドニプロ川の東岸に築いた拠点に必死にしがみつこうとする自軍の厳しい状況についてBBCに語った。

6カ月前に始まったウクライナの反転攻勢の一環で、数百人のウクライナ兵がこの地域に入った。

ロシア軍の容赦ない砲火を浴びながら、ウクライナ兵はロシア軍が占領してきたこの場所で数週間を過ごした。ドニプロ川東岸のクリンキ村周辺で橋頭堡(きょうとうほ、橋のたもとに設ける陣地)を築こうとしていたからだ。BBCは今回証言したウクライナ兵の身元を保護するため、名前を伏せている。

私たちは、メッセージングアプリを介して彼から証言を得た。そこには、部隊のボートが川から吹き飛ばされたことや、経験の浅い援軍のこと、そしてウクライナ軍の司令官たちから見捨てられたと感じたことがつづられていた。

また、ウクライナ軍がロシアの侵略に対抗し始めてから2度目の年末が近づく中、緊張が高まっていることも浮き彫りにした。

ウクライナ軍は安全上の理由から、同地域の状況についてはコメントしないと、BBCに伝えた。

(ウクライナ兵の証言は太字で記載)

「(ドニプロ河岸)全域では絶え間なく、対岸まで渡ろうとする兵士が砲火にさらされています。仲間が乗った複数のボートが被弾して水中に沈み、ドニプロ川に永遠に消えていくのを見たことがあります」

「私たちは発電機や燃料、食料など、あらゆるものを携行しなくてはなりません。橋頭堡を築くにはあらゆるものが大量に必要ですが、この地域への物資供給は計画されていませんでした」

「現場まで行けば敵は逃げ出すものと、私たちは考えていました。そうすれば、必要な物をすべて落ち着いて輸送できるだろうと。しかし実際はそうなりませんでした」

「私たちが(ドニプロ川の東)岸に着くと、敵が待ち構えていました。捕まえたロシア兵から、私たちの上陸に関する密告があったと聞きました。いつ私たちがそこへ来るのか、具体的にどこで私たちを見つけられるのかを知っていたのだと。(ロシア兵は)大砲や迫撃砲、火炎放射システムなど、あらゆるものを発射してきた。もう脱出は無理だと思いました」

 

それでも、数百人のウクライナ海兵隊員は、ドニプロ川西岸の高台から発射されたウクライナ軍の砲撃にも助けられ、足場を固めることができた。

ドニプロ川はウクライナ南部ヘルソン州のロシア占領地域と、ウクライナ支配地域を隔てている。

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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、この反転攻勢はさらに大きな何かの始まりだと、盛んに強調してきた。

ウクライナ軍参謀本部は123日、自軍がドニプロ川東岸の陣地を維持し、「敵の後方部隊に砲火を浴びせ、損害」を与えていると、日々の報告の一環として述べた。

しかし、この兵士の証言は、戦況をめぐりウクライナ政府と将官たちが分裂していると露呈する。

ウクライナ軍のヴァレリー・ザルジニー総司令官は111日付の英誌エコノミストに対して、「第1次世界大戦と同じように、我々はこう着状態に陥るような技術水準に達している」と語った。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はザルジニー氏の発言を即座に非難し、戦場で手詰まり状態にはなっていないとした。

 

「私たちは毎日、森の中で座り込み、攻撃を浴びていました。身動きがとれなかった。道路も小道もすべてが地雷だらけなので。ロシア兵はすべてをコントロールできていないので、私たちはそれを利用します。それでも、ロシア軍のドローン(無人機)は絶えず上空を飛んでいて、動きを察知したらすぐに攻撃できるようになっています」

「一番の弱点は物資の供給でした。ロシア兵が私たちの供給路を監視していたので、物資の運搬がなおさら困難になった。ボートやドローンを使って運んではいたものの、飲料水が本当に不足していました」

「自分の装備はかなり自分でまかなっています。発電機やポータブル充電器、防寒着などを、自前で買いました。いまは霜が降り始めていて、今後状況は悪化するばかりです。実際の状況は公表されないので、誰もこの状況を変えようとしません」

「何がゴールなのか、誰も分かっていません。多くの兵士は、司令部が単に自分たちのことを見捨てたのだろうと考えています。あの人たちは、私たち兵士の存在意義はは、軍事面より政治面で大きかったと考えている。だけど私たちは、自分の仕事をしていただけで、戦略には関与していませんでした」

 

ウクライナ軍がドニプロ川の東岸に到達したことで、ロシア軍が部隊の一部を前線の他地域から移転せざるを得なくなったことは間違いない。例えば、ロシア軍が厳重に守りを固めているザポリッジャ州の陣地などからだ。ウクライナ政府は同州で、もっと早くに突破口が開くことを望んでいた。

BBCロシア語は最近、この地域の川岸を守るロシア部隊の数人に話を聞いた。ロシア兵たちは、あの場所へ向かうのは「自殺行為」だと語った。戦闘ですでに多くの兵士を失っており、ウクライナ軍を拠点から動かすのは無理だと。

一方でウクライナ軍は、ロシア軍の補給路を標的にし、民間人を砲撃から守れるようになるまで、ロシア軍をドニプロ河岸から後退させたいとしている。

つまり、ロシア兵もウクライナ兵も、多くの砲火を浴びているということだ。

 

「こちらの損害の大半はミスが原因でした。誰かが塹壕(ざんごう)に素早く入れなかったり、うまく隠れられなかったり。集中力が欠けていると、あっという間に全方位から標的にされてしまう」

「でも医師たちのおかげで、医療班まで運ぶことができれば負傷兵は助けられます。医者たちは巨人です、神のような存在です。ただ、戦死者の遺体を運び出すのは無理です。危険すぎる」

「同時に、こちらのドローンやミサイルは敵にかなりの損害を与えています。捕虜をとったこともありますが、どこに置けばいいのか。負傷した仲間さえ、連れてドニプロ川を渡れないのに」

 

前線のあらゆる地点と同様に、ここでの作戦も消耗戦と化している。

ロシアが徴集兵や、恩赦と引き換えに受刑者を従軍させることで軍勢を保つ一方で、ウクライナは必要な人員の確保に苦慮している

・ウクライナを出たい男性たち……川を渡り山野を越え 書類を不法入手する人も(動画より)

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BBCの最近の調査では、ロシアによる全面侵攻が始まって以降、徴兵を回避するために2万人近い男性がウクライナを出国していることが明らかになった。

 

「この場所には本来、個別の中隊ではなく、複数の旅団が配備されるはずでした。ともかく人員が足りません」

「私たちの部隊には若い兵士がたくさんいます。人手が必要です。でも欲しいのは、今ここにいるような新兵ではなく、訓練を受けた兵士です。3週間しか訓練を受けていない人もいます。数回しか発砲できない人もいます」

「完全に悪夢です。1年前ならそんなことは言わなかっただろうけど、今は、申し訳ないけど、うんざりしています」

「戦争に進んで志願した人たちはみんな、もうとっくに戦地に入っています。今となっては、お金でその気にさせるのはあまりに難しすぎる。いま動員されているのは徴兵を逃れられなかった人たちです。笑うかもしれないけど、泳げない海兵隊員もいるくらいです」

 

クリンキ村はがれきと化している。

1年前に、ヘルソン市やハルキウ州の複数地域が解放された時のような、はっきりとした安堵(あんど)感はいまのところ、再現されていない。

それどころか、ウクライナの勝利は、荒廃し放棄された土地の小さな区画にとどまっている。

・ウクライナではここ数週間で気温が急降下し、兵士にとってさらなる苦難をもたらしている。画像はウクライナ・キーウ近郊に対空砲を設置するウクライナ部隊

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この状況のため、西側諸国に長期的支援を求めるゼレンスキー大統領が、その訴えを政治的に売り込むのは難しくなっている。

しかしそれでも、BBCに匿名で証言した兵士の戦いはこれからも続く。

 

「地雷で脳震とうを起こしたけど、脱出できた。でも同僚の1人は助かりませんでした。残されたのは彼のヘルメットだけでした」

「地獄から逃げ出した気分ですが、前回私たちの代わりに配置された兵士たちの方が、私たちよりもっと地獄を味わっています」

「次の配置転換が迫っています。もうすぐ、私がドニプロ川を渡る番がやってきます」

 

(追加取材:ハンナ・チョルノス、ヴィッキー・リデル、ハンナ・ツィバ、アナスタシア・レフチェンコ)

(英語記事 Outnumbered and outgunned by Russians in brutal riverside battle

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2023年12月 7日 (木)

私の世界・知らない世界―「ベネズエラとガイアナ、エセキボの領有権めぐり緊迫化・・!?」

 ネットのAFPのニュース記事から、「ベネズエラとガイアナが係争地エセキボの領有権めぐり緊迫化・・」という、またもや新しい戦争の火種、それもイギリスなど西欧先進国の旧植民地政策の“付け”が回って来たような、今世界中で起こっている話です。

 ベネズエラは係争地のエセキボ地域に関し、同地域の東側面を形成するエセキボ川が自然の境界としていますが、ガイアナの国土の3分の2強を占める広大なもので、「ガイアナも引き下がりようが無い・・」と思うのです。

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 後ろにウィキによる「グアヤナ・エセキバ」の説明を載せておきます。

『係争地の領有権めぐり緊迫化 ベネズエラとガイアナ

2023126 14:42 発信地:ジョージタウン/ガイアナ)

126 AFP】ベネズエラと隣国ガイアナの間で、係争地をめぐり緊張が高まっている。ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)政権がガイアナ内の係争地の併合を目指しているのに対し、ガイアナは、国連安全保障理事会(UN Security Council)に介入を要請する構えを見せている。

 係争地は、ガイアナの国土の3分の2強を占めるエセキボ(Essequibo)地域。同国民80万人のうち125000人が居住している。米石油大手エクソンモービル(ExxonMobil)が2015年に同地域の沖合で油田を発見したのを受け、ベネズエラとの対立が鮮明となった。

 ベネズエラでは3日、同地域の領有権をめぐって国民投票が行われ、圧倒的多数の95%が同国の領有権を支持する立場を示した。マドゥロ大統領はこれを受け、同地域を併合し、「ガイアナエセキバ」と命名することをうたった法案の国会提出を閣議で提案した。

 また、ベネズエラ政府は国営石油会社に対し、原油採掘権入札を行うよう命じた。

 こうした事態を受け、ガイアナのアニル・ナンドラル(Anil Nandlall)司法長官兼法相は5日、AFPに対し、同地域をめぐりベネズエラ側に新たな動きが認められれば安保理に訴える意向だと明らかにした。具体的には、国連憲章第41条に基づく制裁、もしくは第42条に基づく軍事行動を要請するとしている。

 ガイアナはベネズエラの国民投票に先立ち、国際司法裁判所(ICJ )に対し、生存権への脅威だとして投票実施を阻止するよう要請。ICJ1日、ベネズエラに対し、「係争地の現状変更につながる行動を控えるべきだ」と言い渡した。ただ、ガイアナからの緊急介入要請は受け入れなかった。

 ベネズエラはエセキボ地域をめぐる係争に関し、ICJの管轄権を認めていない。同地域の東側面を形成するエセキボ川が自然の境界であり、それは歴史的にも認知されていると主張している。(c)AFP

・グアヤナ・エセキバ(スペイン語: Guayana Esequiba

ガイアナ西部にある地域。エセキボ川以西が該当し、面積は159500 km2

ガイアナが実効支配しているが西隣のベネズエラも領有権を主張しており、ベネズエラ側ではエセキボ地域(スペイン語: Essequibo)と呼称している。鉱物資源が豊かであるだけでなく、ガイアナにとっては国土面積の7割近くを占めるため、国勢も経済においても深刻な問題である。

<概要>

グアヤナ・エセキバの諸州を左上から時計回りに見る。1. バリマ・ワイニ州 2. ポメローン・スペナーム州 3.エセキボ諸島=西デメララ州 6.クユニ・マザルニ州 8.ポタロ・シパルニ州 9.アッパー・タクトゥ=アッパー・エセキボ州

国境をめぐるベネズエラとガイアナの対立は、かつての植民勢力スペイン対オランダ・イギリスの時代に根差し、1899年にはパリ仲裁裁定でイギリスの統治下にあったガイアナ(英領ギアナ(英語版))の領土と認められ、ガイアナは独立後もこれをもって最終決着しているとの立場であるが、ベネズエラは仲裁に不正があったとして認めていない。ガイアナが1966526日に独立したことで問題がさらに複雑化し、この領域の帰属についてはガイアナ独立直前の同年217日にイギリス、ベネズエラ、そして英領ギアナの3者がジュネーブ協定(英語版)に調印し、当事者が平和的かつ満足のいく解決策を見つけることで同意した。

ところがベネズエラは外交チャンネルや経済の手段を駆使し軍事行動に訴え、ガイアナが当該地の開発を進めようとすると、それを支持する国家に対し経済制裁をほのめかし圧力をかけてきた。2015年にガイアナ沖で米石油メジャー最大手のエクソンモービルが大規模油田を発見するなど、付近の地域で相次いで油田が確認された。これによりガイアナは2023年に経済成長率が38%に達することが見込まれるほどの経済的な恩恵を受けることとなり、経済的な思惑も働いてベネズエラの態度は硬化した。201510月にはベネズエラに着任したばかりのアメリカ合衆国大使ペリー・ホロウェイが1899年の仲裁協定を支持する立場を表明した際には、ベネズエラは二国間問題への干渉であるとしてアメリカ合衆国政府に抗議を行っている。

ベネズエラは1899年仲裁協定の拒否や、当該地域を最終的に自国領とするかといった点を問う、法的拘束力のない国民投票を2023123日実施した。このためガイアナは事前に国際司法裁判所(ICJ)に対して投票を差し止めるといった暫定的な措置を要請し、ICJはベネズエラに対してこの係争地について現在主流となっている状況の修正を試みるべきではないとした。しかし国民投票は実施され、その結果95%がエセキボ地域の領有に賛成票を投じ、ブラディミール・パドリーノ・ロペス(スペイン語版)国防相は国営テレビにて国民は見事にやってのけたと述べた一方、ガイアナのイルファーン・アリ大統領は国民に対して何も恐れることはないと呼びかけた。ガイアナはベネズエラの軍事的脅威に対抗するためアメリカ合衆国との軍事協力を模索している。ICJ2024年春にこの問題での裁判を計画しているが、ベネズエラはこの件に関してICJの管轄権を認めていない。

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