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2023年12月 9日 (土)

私の世界・知らない世界―『兵士の数も武器の数もロシア軍に劣る・・「地獄」の前線、ウクライナ兵がBBCに証言・・!?』

 ネットのBBCニュースの記事から、「兵士の数も武器の数もロシア軍に劣る・・「地獄」の前線、ウクライナ兵がBBCに証言・・」という、どうも「ウクライナ紛争が手詰まり状態でウクライナに不利に傾き始めている・・?」という話です。

 ゼレンスキー大統領は、まだ今だに「この反転攻勢はさらに大きな何かの始まりだと、盛んに強調・・」し、「戦場で手詰まり状態にはなっていない・・」と

仰ってるようです。

 なお、レポート中ほどのドニプロ川の説明図には、「ウクライナの勝利は、荒廃し放棄された土地の小さな区画・・」が分かるように、マップを加工・編集して添付していますが、ウクライナが侵攻したという「3荒廃し放棄された土地の小さな区画」は、ドニプロ川の中州の湿地帯?にしか過ぎないものです。

 

『兵士の数も武器の数もロシア軍に劣る・・「地獄」の前線、ウクライナ兵がBBCに証言

2023127日:ジェイムズ・ウォーターハウス、BBCウクライナ特派員)

・ウクライナでの戦争は開戦から2年目を迎えようとしている。1000キロメートルに及ぶ前線では、激しい戦闘が続く。画像はウクライナ東部ドンバス地方で活動するウクライナ兵(今年2月)

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ウクライナ軍は兵士の数でも、武器の数でもロシア軍に劣っている。前線に立つウクライナ兵の1人は、脈々と流れるドニプロ川の東岸に築いた拠点に必死にしがみつこうとする自軍の厳しい状況についてBBCに語った。

6カ月前に始まったウクライナの反転攻勢の一環で、数百人のウクライナ兵がこの地域に入った。

ロシア軍の容赦ない砲火を浴びながら、ウクライナ兵はロシア軍が占領してきたこの場所で数週間を過ごした。ドニプロ川東岸のクリンキ村周辺で橋頭堡(きょうとうほ、橋のたもとに設ける陣地)を築こうとしていたからだ。BBCは今回証言したウクライナ兵の身元を保護するため、名前を伏せている。

私たちは、メッセージングアプリを介して彼から証言を得た。そこには、部隊のボートが川から吹き飛ばされたことや、経験の浅い援軍のこと、そしてウクライナ軍の司令官たちから見捨てられたと感じたことがつづられていた。

また、ウクライナ軍がロシアの侵略に対抗し始めてから2度目の年末が近づく中、緊張が高まっていることも浮き彫りにした。

ウクライナ軍は安全上の理由から、同地域の状況についてはコメントしないと、BBCに伝えた。

(ウクライナ兵の証言は太字で記載)

「(ドニプロ河岸)全域では絶え間なく、対岸まで渡ろうとする兵士が砲火にさらされています。仲間が乗った複数のボートが被弾して水中に沈み、ドニプロ川に永遠に消えていくのを見たことがあります」

「私たちは発電機や燃料、食料など、あらゆるものを携行しなくてはなりません。橋頭堡を築くにはあらゆるものが大量に必要ですが、この地域への物資供給は計画されていませんでした」

「現場まで行けば敵は逃げ出すものと、私たちは考えていました。そうすれば、必要な物をすべて落ち着いて輸送できるだろうと。しかし実際はそうなりませんでした」

「私たちが(ドニプロ川の東)岸に着くと、敵が待ち構えていました。捕まえたロシア兵から、私たちの上陸に関する密告があったと聞きました。いつ私たちがそこへ来るのか、具体的にどこで私たちを見つけられるのかを知っていたのだと。(ロシア兵は)大砲や迫撃砲、火炎放射システムなど、あらゆるものを発射してきた。もう脱出は無理だと思いました」

 

それでも、数百人のウクライナ海兵隊員は、ドニプロ川西岸の高台から発射されたウクライナ軍の砲撃にも助けられ、足場を固めることができた。

ドニプロ川はウクライナ南部ヘルソン州のロシア占領地域と、ウクライナ支配地域を隔てている。

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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、この反転攻勢はさらに大きな何かの始まりだと、盛んに強調してきた。

ウクライナ軍参謀本部は123日、自軍がドニプロ川東岸の陣地を維持し、「敵の後方部隊に砲火を浴びせ、損害」を与えていると、日々の報告の一環として述べた。

しかし、この兵士の証言は、戦況をめぐりウクライナ政府と将官たちが分裂していると露呈する。

ウクライナ軍のヴァレリー・ザルジニー総司令官は111日付の英誌エコノミストに対して、「第1次世界大戦と同じように、我々はこう着状態に陥るような技術水準に達している」と語った。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はザルジニー氏の発言を即座に非難し、戦場で手詰まり状態にはなっていないとした。

 

「私たちは毎日、森の中で座り込み、攻撃を浴びていました。身動きがとれなかった。道路も小道もすべてが地雷だらけなので。ロシア兵はすべてをコントロールできていないので、私たちはそれを利用します。それでも、ロシア軍のドローン(無人機)は絶えず上空を飛んでいて、動きを察知したらすぐに攻撃できるようになっています」

「一番の弱点は物資の供給でした。ロシア兵が私たちの供給路を監視していたので、物資の運搬がなおさら困難になった。ボートやドローンを使って運んではいたものの、飲料水が本当に不足していました」

「自分の装備はかなり自分でまかなっています。発電機やポータブル充電器、防寒着などを、自前で買いました。いまは霜が降り始めていて、今後状況は悪化するばかりです。実際の状況は公表されないので、誰もこの状況を変えようとしません」

「何がゴールなのか、誰も分かっていません。多くの兵士は、司令部が単に自分たちのことを見捨てたのだろうと考えています。あの人たちは、私たち兵士の存在意義はは、軍事面より政治面で大きかったと考えている。だけど私たちは、自分の仕事をしていただけで、戦略には関与していませんでした」

 

ウクライナ軍がドニプロ川の東岸に到達したことで、ロシア軍が部隊の一部を前線の他地域から移転せざるを得なくなったことは間違いない。例えば、ロシア軍が厳重に守りを固めているザポリッジャ州の陣地などからだ。ウクライナ政府は同州で、もっと早くに突破口が開くことを望んでいた。

BBCロシア語は最近、この地域の川岸を守るロシア部隊の数人に話を聞いた。ロシア兵たちは、あの場所へ向かうのは「自殺行為」だと語った。戦闘ですでに多くの兵士を失っており、ウクライナ軍を拠点から動かすのは無理だと。

一方でウクライナ軍は、ロシア軍の補給路を標的にし、民間人を砲撃から守れるようになるまで、ロシア軍をドニプロ河岸から後退させたいとしている。

つまり、ロシア兵もウクライナ兵も、多くの砲火を浴びているということだ。

 

「こちらの損害の大半はミスが原因でした。誰かが塹壕(ざんごう)に素早く入れなかったり、うまく隠れられなかったり。集中力が欠けていると、あっという間に全方位から標的にされてしまう」

「でも医師たちのおかげで、医療班まで運ぶことができれば負傷兵は助けられます。医者たちは巨人です、神のような存在です。ただ、戦死者の遺体を運び出すのは無理です。危険すぎる」

「同時に、こちらのドローンやミサイルは敵にかなりの損害を与えています。捕虜をとったこともありますが、どこに置けばいいのか。負傷した仲間さえ、連れてドニプロ川を渡れないのに」

 

前線のあらゆる地点と同様に、ここでの作戦も消耗戦と化している。

ロシアが徴集兵や、恩赦と引き換えに受刑者を従軍させることで軍勢を保つ一方で、ウクライナは必要な人員の確保に苦慮している

・ウクライナを出たい男性たち……川を渡り山野を越え 書類を不法入手する人も(動画より)

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BBCの最近の調査では、ロシアによる全面侵攻が始まって以降、徴兵を回避するために2万人近い男性がウクライナを出国していることが明らかになった。

 

「この場所には本来、個別の中隊ではなく、複数の旅団が配備されるはずでした。ともかく人員が足りません」

「私たちの部隊には若い兵士がたくさんいます。人手が必要です。でも欲しいのは、今ここにいるような新兵ではなく、訓練を受けた兵士です。3週間しか訓練を受けていない人もいます。数回しか発砲できない人もいます」

「完全に悪夢です。1年前ならそんなことは言わなかっただろうけど、今は、申し訳ないけど、うんざりしています」

「戦争に進んで志願した人たちはみんな、もうとっくに戦地に入っています。今となっては、お金でその気にさせるのはあまりに難しすぎる。いま動員されているのは徴兵を逃れられなかった人たちです。笑うかもしれないけど、泳げない海兵隊員もいるくらいです」

 

クリンキ村はがれきと化している。

1年前に、ヘルソン市やハルキウ州の複数地域が解放された時のような、はっきりとした安堵(あんど)感はいまのところ、再現されていない。

それどころか、ウクライナの勝利は、荒廃し放棄された土地の小さな区画にとどまっている。

・ウクライナではここ数週間で気温が急降下し、兵士にとってさらなる苦難をもたらしている。画像はウクライナ・キーウ近郊に対空砲を設置するウクライナ部隊

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この状況のため、西側諸国に長期的支援を求めるゼレンスキー大統領が、その訴えを政治的に売り込むのは難しくなっている。

しかしそれでも、BBCに匿名で証言した兵士の戦いはこれからも続く。

 

「地雷で脳震とうを起こしたけど、脱出できた。でも同僚の1人は助かりませんでした。残されたのは彼のヘルメットだけでした」

「地獄から逃げ出した気分ですが、前回私たちの代わりに配置された兵士たちの方が、私たちよりもっと地獄を味わっています」

「次の配置転換が迫っています。もうすぐ、私がドニプロ川を渡る番がやってきます」

 

(追加取材:ハンナ・チョルノス、ヴィッキー・リデル、ハンナ・ツィバ、アナスタシア・レフチェンコ)

(英語記事 Outnumbered and outgunned by Russians in brutal riverside battle

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