私の世界・面白い話のネタ―赤ちゃんは“抱っこ”や“おんぶ”すると、「泣き止む・・」!?
赤ちゃんは、「抱っこして歩くとリラックスする仕組みが、自然に備わっている!」という研究です。
つまり、自然界の動物(哺乳類?)の赤ちゃんは輸送時に、大人しくならないと、“輸送に支障が出る・・”は、危険により晒される生存問題となります。
従って、どんなにぐずっていて機嫌が悪くとも、お母さんが「場所変え・・」を思いつき行動を始めると、リラックス(心臓の鼓動まで落ち着く)して、輸送の手助けをするように仕組まれているのです。
口で子を運ぶライオンのお母さん(再掲)
ただし、残念なことに赤ちゃんが“自然の神様の命令”に従っているのは、その時だけ、抱くのをやめるとお腹がすいたり、おしめが濡れて気持ち悪いとまた泣きます。
当たり前ですが、お母さんやお父さんが自分の要求を満たしてくれないと、これも“自然の神様の命令”に従って泣きます。
『抱っこして歩くと赤ちゃんがリラックスする仕組みの一端を解明
(2013年4月19日:独立行政法人理化学研究所)
<ポイント>
・抱っこして歩くと赤ちゃんの泣く量や心拍数が顕著に低下
・哺乳類の仔がおとなしくなり運ばれる「輸送反応」には触覚、固有感覚と小脳皮質が必要
・子は輸送反応により親の育児に協力
<要旨>
理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、哺乳類の子どもが親に運ばれる際にリラックスする「輸送反応」の仕組みの一端を、ヒトとマウスを用いて科学的に証明しました。これは、理研脳科学総合研究センター(利根川進センター長)黒田親和性社会行動研究ユニットのジャンルカエスポジート(Gianluca Esposito)国際特別研究員と吉田さちね研究員、黒田公美ユニットリーダーらと、精神疾患動態研究チーム、トレント大学、麻布大学、埼玉県立小児医療センター、国立精神・神経医療センター、順天堂大学による共同研究グループの成果です。
私たちは、母親が赤ちゃんを抱っこして歩くと泣き止んで眠りやすいことを、経験的に知っています。同様な行動はライオン、リスなどヒト以外の哺乳類にも見られ、母親が仔を口にくわえて運ぶと、仔は、丸くなって運ばれやすい姿勢をとります。これを「輸送反応」と呼んでいますが、これらの子どものおとなしくなる反応についてはあまり科学的な研究がされておらず、その意義や反応を示すときの神経メカニズムも不明でした。
共同研究グループは、まず生後6カ月以内のヒトの赤ちゃんとその母親12組の協力を得て、母親に赤ちゃんを腕に抱いた状態で約30秒ごとに「座る・立って歩く」という動作を繰り返してもらいました。その結果、母親が歩いている時は、座っている時に比べて赤ちゃんの泣く量が約10分の1に、自発的な動きが約5分の1に、心拍数が歩き始めて約3秒程度で顕著に低下することを見いだし、赤ちゃんがリラックスすることを科学的に証明しました。次に、母マウスが仔マウスを運ぶ動作を真似て、離乳前の仔マウスの首の後ろの皮膚をつまみあげると、ヒトの場合と同様に泣き止み、リラックスして自発的な動きと心拍数が低下し、体を丸めました。さらに、体を丸めて運ばれやすい姿勢をとるには運動や姿勢の制御を司る小脳皮質[1]が必要なこと、おとなしくなる反応には首の後ろの皮膚の触覚と、体が持ち上げられ運ばれているという感覚の両方が重要であることが分かりました。また、この仔マウスの「輸送反応」を阻害したところ、母親が仔マウスを運ぶのにかかる時間が増加することも分かりました。
今回の成果から、哺乳類の赤ちゃんはおとなしくなる「輸送反応」によって自分を運んでくれる親の子育てに協力しているといえます。またこのような研究は今後、科学的な知識に裏付けられた子育て方法のための新しい指針作りに役立つと期待できます。本研究成果は、米国の科学雑誌『Current Biology』(5月6日号)に掲載されるに先立ち、オンライン版(4月18日付け:日本時間4月19日)に掲載されます。・・・』
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