システム科学

2023年6月 8日 (木)

騙されてはいけない1652―今起こっている福島原発事故・「多核種除去設備等処理水の海洋放出に向けた海域モニタリングにおける魚のトリチウム分析値の検証・・自分がするものか!?」

 東電のHPにあるニュースリリースの参考資料202365日「福島第一原子力発電所 多核種除去設備等処理水の海洋放出に向けた海域モニタリングにおける魚のトリチウム分析値の検証結果について」からです。

 東電はわざとではないか?と思うほど言い訳がましく「魚のトリチウム分析値の検証」を、何かごちゃごちゃと報告していますが、分かったことは将来海洋放出に向けた海域モニタリング自分のところで分析するつもりのようです。

 一番良い検証方法は、反対している人達や他国(中国や韓国など)に分析を任せればよいことです。

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2023年4月27日 (木)

私の世界・面白い話のネタ―「「滞納者が偽善ぶって」「相当がめつい」 市職員が個人情報あざける・・で、あんたもちゃうの・・!?」

 ネットの朝日新聞デジタルの記事から、「岩手県釜石市の情報漏洩の問題」についての話です。

・情報開示されたやりとりの一部・住民票で調べた市民の家族構成についてのやりとりの一部・釜石市役所の本庁舎(朝日新聞デジタルより)

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 「市の職員が市民全員の個人情報を漏洩させた・・」が問題の本質ではありません。

 何度もいっているように、情報化社会は「便利さ」を提供するとともに必ず「疎ましい問題」をも発生・流布させます。システム化の時に必ず配慮し、回避策を講じなければならないものです。

 それと朝日新聞が、どこかの下品なユウチュウバーと同じに、『「滞納者が偽善ぶって」「相当がめつい」 市職員が個人情報あざける・・』というお題と、「この記事は有料記事です。残り1270文字有料会員になると続きをお読みいただけます。」は嫌な感じに思うのです。

 

『「滞納者が偽善ぶって」「相当がめつい」 市職員が個人情報あざける

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 岩手県釜石市の職員が市民全員の個人情報を自宅に持ち帰るなどして漏洩(ろうえい)させていたとして、市の調査委員会は今年3月下旬、内部調査の結果と再発防止策を報告書にまとめ、野田武則市長に提出した。朝日新聞は情報開示請求で、その調査過程の資料を入手した。漏洩に関与した3人のメールのやりとりなどが記載されており、興味本位で個人情報を調べては知人らを揶揄(やゆ)していた様子が浮かび上がった。

 「ちゃっかり減免申請も出してるよ」

 「相当がめついですね。セコイ手使って」

 市職員2人が、知人が保育料の減免申請をしている情報を不正に入手し、こんなやりとりをしていた。

 知人の滞納者情報を盗み見た際も、話題にする。

 「滞納者が偽善ぶってんじゃねぇよって、イラッとした」

 「滞納しているくせに偉そうに」

 こうした業務と無関係な会話が、不正に入手した情報をもとに、市のパソコンを使ってメールやチャットで行われていた。1日に200通以上交わされた日もあったという。

この情報漏洩の問題は昨年5

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2023年3月 9日 (木)

私の世界・面白い話のネタ―ネコ物語・『“ネコ火曜日”の意味をチャットGPTで調べたら?・・のネコ!?』

ロシアの生活情報サイト“yaplakal”(“Яплакал”)に“Котовторниковское”:「ネコ火曜日 」という投稿がよく出て来ます。

 “Котовторниковское”はそのままだと訳せないのですがネコのКотоと火曜日のвторниковскоеを合成したもの、「ネコ火曜日」又は「火曜日ネコ」です。何故ネコが火曜日なのか意味不明です。

 試しに、CHATGPTで聞いてみました。

<質問>

ロシア語のКотовторникはネコ火曜日と訳せますが、ロシアでは猫と火曜日はどのような関係、もしくは意味ですか

<回答>

ロシア語の「Котовторник (Kotovtornik)」という単語は、「ネコ火曜日」という意味があります。しかし、この言葉には明確な文化的な背景があります。

ロシアの民間伝承には、猫が火曜日に特別な役割を持っているという信念があります。火曜日は一般的に不吉な日とされており、猫はその不吉な日を避けることができるとされています。また、猫は病気や災難を回避する力を持っていると信じられています。

そのため、ロシアでは火曜日に猫を特別扱いするようになりました。猫にはご馳走を与えたり、特別なケアを施したりすることがあります。また、「Котовторник (Kotovtornik)」という言葉は、猫を祝う火曜日として広く知られています。

総じて、ロシアでは「Котовторник (Kotovtornik)」は、猫を祝う火曜日として特別な意味を持っています。

 

 何か凄い!というか、これまでの“喉のつっかえ”が取れた感じです。

CHATGPTの公式サイトは、検索してウィキの後ろにあるものを使うと良いと思います。

グーグルなどのアカウントを持っていればそのメールアドレスとパスワード入力でOKです。

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2021年11月24日 (水)

私の世界・知らない世界―「4つの気候変動否定論に対するファクトチェック・・!?」

 ネットのBBCニュース【解説】から、以下の4つの気候変動否定論に対する反論、ファクトチェックです。

 1.「太陽の極小期」が温暖化を止める。

 2.温暖化は良いこと。

 3. 気候変動対策で貧困が起こる

 4. 再生可能エネルギーは危険で信頼できない。

・英グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で各国首脳が気候変動対策を協議する中、ソーシャルメディアでは気候変動に関する偽の主張や誤情報が拡散していた。

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 私的な意見をいうと、全てを再生可能エネルギーは無理で、ある程度まで?と思います。それに、先進国の既得権益の問題を解決するには、開発途上国への身を切る支援が出来るかどうかです。

 それと、どこの国が最も努力しなければならないか?は明白です。

・「ここが知りたい地球温暖化」:国立環境研究所・地球環境研究センターより

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 また、貧困問題はショック・ドクトリン、この危機を利用して火事場泥棒的に儲けようとするヤカラをどれだけ抑えることが出来るか?です。

『【解説】 気候変動否定論に変化? 誤情報をファクトチェック

20211123日:レイチェル・シュレア、ケイリーン・デヴリン、BBCリアリティーチェック)

科学者によると、気候変動否定論は現在、気候変動の現象そのものを完全に否定するものから、地球温暖化の原因や影響、それらへの対策を否定する方向に転換しているという。

この1年間、ソーシャルメディアなどで特に拡散した間違った主張を取り上げ、実際の証拠と照らし合わせてみる。

 <1.「太陽の極小期」が温暖化を止める>

20世紀の地球の気温の変化は人間の活動ではなく、地球の自然な周期によるものだという間違った主張は、これまでも多くの人が繰り返してきた。

しかしここ数カ月、この点をめぐって新しい議論が出てきている。

ソーシャルメディアではここ1年、「Grand Solar Minimum(太陽の極小期)」と呼ばれる現象によって、人間が介入するまでもなく自然に地球の気温が下がるという主張が何千件と投稿されている。

しかし、これは証拠が示している事柄とは異なっている。

極小期は、太陽の活動周期の中でエネルギーが弱くなる現象で、実際に起こっているものだ。

研究によると、太陽は21世紀中に弱い周期に入る可能性がある。しかし、これによる気温変化は、最大でも摂氏0.10.2度ほどの低下にとどまるという。

これは、人間の活動による温暖化を相殺するには足りない。人類は過去200年で地球の気温を1.2度ほど上昇させており、21世紀中に2.4度まで達する可能性もある。

また、気温上昇は大気のうち地球に最も近い層で起きている一方、太陽に近い成層圏では気温が下がっている。このことからも、近年の温暖化が太陽の活動周期によるものではないことが分かっている。

大気の熱は通常ならば成層圏に放出されるが、人間が燃料を燃やすことで発生する二酸化炭素などの温室効果ガスによって、現在はそれが閉じ込められている。

もし地球の温暖化の原因が太陽だというなら、大気全体が同時に温まる(あるいは冷える)はずだ。

 <2.温暖化は良いこと>

インターネット上には、温暖化によってむしろ地球上に人間の住める場所が増えた、温暖化よりも気温低下の方が多くの人が死ぬ――といった投稿が数多く出回っている。

こうした主張の多くは、都合のいい事実だけを取り上げ、自分の主張を否定する事実は無視する。

たとえば、これまで人が住めないほど寒かった地域は確かに、温暖化によって住みやすくなっているかもしれない。

しかし一方で、同じ地域に豪雨が起きるようになり、生活や農業の環境に影響を与えるかもしれない。さらには世界で最も海抜の低いモルディヴなど、温暖化や海面上昇によって人が住めなく地域も出てくる。

また、確かに温暖化によって寒波などによる死者は減るだろう。20002019年に寒さによって亡くなった人は、熱中症などによる死者よりも多かったという研究もある。

しかし、温暖化に伴う酷暑による死者が増えて、この差も相殺されてしますとみられている。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、「人の健康と生活に関わる気候リスクは(中略)、1.5度の気温上昇で加速すると予想される」と指摘している。一部地域で寒い日が少なくなるという小さな利益は、より頻繁に起こる熱波のリスクに打ち消される見通しだ

 <3. 気候変動対策で貧困が起こる>

気候変動対策への反論として、化石燃料は経済成長に必要だという主張がある。

この主張は、化石燃料の使用を抑制すれば経済成長も抑制されてしまい、生活費が上がり、貧困層が苦しむことになる……と続く。

しかし、この主張は全体像をとらえていない。

確かに化石燃料は自動車や工場、技術を動かし、20世紀の人類がこれまでにない規模とスピードで物事を進める原動力となった。

しかし、石炭の使用をやめるからといって、ウシに車を引かせたり、手でレバーをぐるぐる回して機械を動かしたりする時代に戻るわけではない。我々はすでに、同じような働きをする別の技術を手に入れている。

多くの地域で、風力や太陽光を使った再生可能エネルギーによる電力価格が、火力発電の電力価格を下回っている。

一方で、2050年までに気候変動対策を取らなかった場合、自然災害や異常な気温が建物や人々の生活、ビジネス、食糧供給などに与える損害によって、世界経済が18%縮小する可能性があるという研究が出ている。

こうしたダメージこそ、世界中の貧困層に誰よりも大打撃を与えるだろう。

 <4. 再生可能エネルギーは危険で信頼できない>

米テキサス州では今年初め、電力網の障害により大規模停電が起き、多くの住民が暗闇と寒さに直面した。この時、再生可能エネルギーの失敗が停電を引き起こしたという誤情報が拡散された。

停電の原因が風力発電のタービンだという間違った主張は、アメリカの保守系メディアも数多く取り上げた。

英ダラム・エネルギー研究所のジョン・グルヤス所長は、「停電は、粗末な発電供給管理の結果だ」と指摘する。

また、停電の原因は再生可能エネルギーだという主張は「筋が通っていない(中略)たとえばヴェネズエラは大量に石油を使っているのに停電が頻繁に起こっている」と述べた。

英シンクタンク「戦略対話研究所(ISD)」のジェニー・キング氏によると、「石油とガスへの依存、ならびに石油とガスへの補助金に依存する体制を守りたい人たちが、再生可能エネルギーをなにより攻撃している」。

再生可能エネルギー反対派は、この技術が鳥やコウモリを殺しているという主張もする。しかしこれは、化石燃料による発電所の方が何倍もの動物を死に追いやるだろうという研究結果を無視している。

鳥類を含む一部の野生動物が、風力発電のタービンによって死んでいるのは確かだろう。

しかし、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の気候変動・環境研究所は、「自然保護団体は、気候変動を抑えることによる野生動物への利益は(中略)慎重な立地など正しく計画された安全策を講じることで、風力発電のリスクを上回るとみている」と述べて。』

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2021年10月24日 (日)

私の世界ー人との出会い・「システム科学の先達の人々」(リメイク)

<その①八杉理事長>

私の本業の1つはコンピュータ・プログラムの作成です。それは、40年以上も前に京都コンピュータ・センターというコンピュータ・プログラムの専門学校に入って学んだことに始まります。そのまま京都コンピュータ・センターのシステム開発部に就職したことが契機となりました。

そこに理事長の八杉正文さんが居ました。八杉さんは京都市の助役や交通局長をやった後、自由民主党・民社党が推薦して市長選に出馬します。社会党・共産党の推す富井市長と戦いますが、当時の京都は蜷川虎三府知事が居て、革新色が強く、夢―破れてしまったのです。

その後、京都産業大学法学部の行政学の教授となります。

大学を退官してから京都の政・経済界の協力を得て、京都コンピュータ・センターを作るのです。情報工学の単科大学にしたいと話していました。

印象に残っているのは、理事長室にルノワールの絵画らしきもの?が飾ってあるのですが、若い研究員を呼んで、

「私は君たちのような芸術品??の将来に賭けているんだ。それに比べるとこんな絵画〔ルノワールの絵?のこと〕なんか1つも惜しくない。いつでも売って君たちの為に使おうと思っているんだ。」

と話してくれました。

入社した年のクリスマスの前の日、八杉さんが僕と大橋さんを理事長室に呼ぶのです。

「何を、怒られるのやろか?・・」

とビビッて理事長室に入ると、ニコニコした八杉さんが居ました。

「今日は、クリスマスイブだよ!君たちもたまには祇園で飲んで来なさい。」

とパーティー券を二枚差し出すのです。

「その代わり、券だけにしなさいよ。絶対お代わりしてはいけません。祇園のクラブはものすごく高いお金を請求されますから!」

と言ってくれました。

八杉さんは、当時、泉さんという通産上がりのおじいさんに、社団法人の申請を依頼していました。多分、それが上手く行きそうなので嬉しくて、僕らにもそのおすそ分けをしてくれたようなのです。

ただ残念なことに、その夜、交通事故で亡くなられたのを次の日に知りました。なんとも無残というか、「そんな、僕らのことを気遣うような、珍しいことをするからや?・・」と泣きました。

<その②泉さん>

泉さんは役所上がりのおじいさんで、社団法人化の申請事務をするために事務所に来ていた人です。詳しい経歴は聞けなかったので、通産省のOBくらいにしか思っていませんでした。

あるとき、当時の世間知らずの私でも大物と知っている、稲葉秀三さん本人が事務所に尋ねて来る事があって驚いたのです。もっと驚いたのは、稲葉さんと泉さんが親しげに話していて、心を許した部下か同僚のような関係に見えたのです。つまり、泉さんも「一廉の大物」だったのです。

 

泉さんはいつもパイプ煙草をくゆらせていました。申請事務をする傍ら、孫が遊んでいるのを眺めるような目で、私たちの仕事ぶりを眺めていました。その煙草の煙の匂いは、甘酸っぱくて気持ち良いものです。

「そうだ、僕もパイプやろ!?・・」

と泉さんを真似てパイプ煙草を始めたのです。

やってみると意外な効果に気が付くのです。「暇が持余せる?・・」のです。システム開発部の仕事は、役所の仕事が主ですから期末の4月前後が死ぬほ

どいそがしいのですが、夏と秋は暇なのです。

システム開発部以外の人は、教育(コンピュータ学校)の仕事があるので年中授業とその準備?を何かとしていますが、私と大橋さんはその時期暇?なのです。

パイプ煙草を吸うのは、いろいろ面倒な手続きと作業を要します。まずパイプに煙草を詰め、この詰めるのも技術がいります。おもむろに火を着けます。上手く吸わないと火が消えるのでたえず金具?(通は熱くても指先で「チョンチョン」する)で押し込みながら、火をまた着けるのです。吸い終わると、掃除が待っています。掃除もいろいろ道具を使ってやるのです。

この作業で30分は持つのです。

好都合なのは、泉さんが「スパ、スパ・・」やっているものですから、上司も僕を怒れないのです。

まじめな話し、暇なときはずいぶん勉強のために工学関連やサイバネティックスなどの本を読みました。

その様子を見て泉さんはいつも、

「君たちはいいなあ、一生懸命になれることがあって?・・」

と羨ましそうに話すのです。

結局、今の社団法人と私があるのは、泉さんのおかげだと思うのです。

話しは別に:暇なときの特技として、大橋さんは目を開けて眠りました。すごいことに、前にある本のページを時々めくるのです。というか、目が細くてメガネを掛けていて、いつもおとなしく騒がないので、寝ているか起きているか分からないのです。ひょっとすると、僕のパイプ煙草と同じく大橋さんの作戦?かもしれません。

それとは関係ありませんが、私は煙草の煙を肺に入れることが出来ないので、吹かすだけです。パイプ煙草もそういうものだそうで、煙を肺に入れないのだそうです。煙草の初体験で肺に入れようとしたら、むせて、痛くて諦めてしまいました。煙草の煙と肺がんの関係が問題になったとき、自分は肺に入れていないのだから大丈夫と思っていたら、この間イヤなことを耳にしました。副流煙は同じように危険なのだそうです。自分の煙を受動喫煙すっるのはあほな話です。

<その③平澤興会長>

平澤興先生は社団法人システム科学研究所の初代会長です。京都大学の総長だった人ですから、僕たち研究員は研究所の行事や忘年会で年に数回お会いする程度です。

一度、忘年会で酔っ払って、先生の頭を「ぺんぺん」した人が居たのですが、先生はニコニコして平気で愉快に笑っていました。

専門は脳神経解剖学だそうですが、僕たち若い研究員に話をするといつも同じ話をします。

「人間の脳細胞は40億個ほどありますが毎日何十万と死んでいきます。そして、脳は使わないとどんどん劣化してダメになるのです。あなたたち若い人は脳をドンドン使ってください。脳はいくらでも成長して輝かしい未来を約束してくれるのです。」

先生は確か40億個と言ったような記憶があるのですが、言われたときに、

「あれっ、お年の先生はもうほとんど脳細胞があらへんやん?・・」

と反射的に思える数字でした。当時、反射的な概数の計算は得意だったのです。

注)計算例50万×365日×60年≒110億で40億なら倍以上

今は神経細胞は約140億個で、それは脳細胞の10%程度、グリア細胞が他を占めていて、全体では1400億以上となることを知っています。

先生の脳細胞は十分あったのです。

<その④佐々木先生>

当時の佐々木綱先生は京都大学の交通工学の教授でした。

私がシステム科学を辞めた後、委員会でよくご一緒しました。と言っても、私は作業委託を受けているコンサルタントの下請けと言う立場です。

始めてお会いしたときは、「佐々木先生は怖い人?」と言う話をする人が居て緊張してお会いしたのです。会って見ると、話と違って非常ににこやかで気さくな先生で「不安?」は吹っ飛びました。

何回か委員会でお会いしていると、私がまだ25歳過ぎで若いからか、大学院の学生か助手と思っているような所が何故かありました。

「金澤君、この間、頼んでおいた計算、うまくいきましたか?・・」

と言う言い方が、学生にレポートの課題を出してその結果を聞くニュアンスそのものなのです。

「実はプログラムに問題があって、まだ答えが出ていません?・・」

と言っても、

「もう少し工夫して、トライしてみなさい、時間はあるのですから!・・」

と言ってくれそうな雰囲気なのです。

委員の先生方を集めておいて「答えがまだ」はない話ですから、そんなことにはならないようにするのですが。

大阪湾岸道路に関する委員会で、先生の京都大学のコンピュータを借りて交通配分の評価計算をしたときの話です。

結果は一応前もって出ていたので、東京へ出張して帰ってからまとめる予定で行ったのですが、東京の作業が徹夜続きで帰りの新幹線だけが睡眠時間という状態でした。夜遅くに事務所に帰って、結果をレポートにまとめるのは不可能と判断したので、一枚の総括表にまとめるだけで精一杯でした。それでも、明け方近くまで掛かったのです。

そんな状態で委員会に出たとき、佐々木先生は瞬時に分かったようです。

「金澤君、結果出たの?・・」

「なに、表にまとめてあるの?・・」

「ほう、十分、十分、分かりやすく上手く出来ているよ・・」

と言ってくれました。前回の委員会では、結果を出して分析レポートを作ることになっていたのです。

話しは別に:私は大学教授がそんなに偉いとは知らなかったのですが、委員会なるものに出ると、着席順で見事に分かります。序列は大学教授、その助手、役所の部長、課長、係長、担当者、受注側コンサルの部長、課長、担当者、そして下請けの私となります。気が遠くなるほど、下等なのです。

ただ、ラッキーなことに、教授の口の利き方1つで私の序列が見事に逆転します。我々下請けが尊敬できる良い先生は、作業者を立てる意味で、まず一番に「金澤さん、どう思いますか?」と聞いてくれるのです。

すると、他の全員が私の序列を教授の次にします。ただし、委員会の中だけの話ですが・・。

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2021年6月29日 (火)

私の世界・知らない世界―終焉の始まり・「いつまで危機を先送りできるか・・!?」

 ヴォルフガング・シュトレークの「資本主義はどう終わるのか」と云う著書について、「いつまで危機を先送りできるか?」という副題がついています。

 欧米や中国(もちろん日本も・・)の銀行やコングロマリットはコロナを迎える前の一昨年、デリバティブや金融派生商品、不動産バブルによる大規模なデフォルト危機の発生が言われていました。

 「この期に及んで、どんな引き伸ばし!方策があるのやろ・・?」

 ・・が、私の感想でした。

 そこでコロナ危機が到来、経済的ダメージでより危機が拡大するのか?と思ったら、大規模な大盤振る舞い=金融緩和やショックドクトリン=火事場泥棒により引き延ばし、先送りが成功しているようです。

 でも、そんなに続けられるものではないと思うのです。

『資本主義はどう終わるのか

【著者:ヴォルフガング・シュトレーク、村澤真保呂() 信友建志()

<レビュー:金井美穂>

「資本主義の終焉」をテーマとした論文や書籍はこれまでもたくさんあった。たとえばドイツでは18世紀初期、イギリスでは19世紀中期以降、資本主義の理論は「危機」に瀕した状態にあると論じられている。とはいえマルクスなどの思想家たちが資本主義体制に疑問を投げかけ、その終焉を予言していたにもかかわらず、資本主義はこれまでずっと生き残ってきた。

しかし今度こそ本当に資本主義が終わるのではないか、というのが著者の見立てである。本書は1970年代からはじまる一連の危機を通して、資本主義と民主主義の崩壊していく過程やその背景を、さまざまな観点から論じる。「資本主義の終焉というテーマの論文を一冊で読めるように」という著者の意向もあって、なかには重複するテーマもある。しかしいずれも、現代のグローバル資本主義体制の根底にある、資本主義および資本主義社会の長期的な危機が、中心的な議題となっている。

資本主義が終わりを迎えるとしても、それは敵対勢力によって駆逐されるからではない。むしろ資本主義が内部にかかえる矛盾の拡大によって、その崩壊は引き起こされる――本書を一読するだけでも、著者のこうした考えを「誤っている」と一概に否定することはできなくなるだろう。

資本主義は今後もこれまでのように存続していくのか、あるいは後継者となるポスト資本主義も見当たらないなか、本当に終焉を迎えるのか。読者に熟考と再考を促す一冊である。・・・

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2021年6月22日 (火)

騙されてはいけない1604―今起こっている福島原発事故・「個人線量情報のデータ置き換わり不適合発生に伴う対応、エクセルが勝手に・・!?」

 東電のHPにあるニュースリリースの参考資料2021622日「福島第一原子力発電所 個人線量情報のデータ置き換わり不適合発生に伴う対応について」からです。

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 東電の表計算ソフトは多分エクセルだと思うのですが、その使い方のミスについて、「個⼈線量の評価対象者を抽出するための表計算ソフトファイル(当⽉分)を開いた状態で、前⽉分の表計算ファイルを開くと、当⽉分と前⽉分のファイル間にリンク付けがないにもかかわらず、関数と引⽤先が同じセルの値が前⽉分のデータに置き換わってしまうことがわかった。・・」などと訳の分からないことを言い出しています。

 特に、「関数と引⽤先が同じセルの値が前⽉分のデータに置き換わってしまう」などと勝手にエクセルが行なったというような説明ですが、当月分の表の関数や書式をマクロで自動的にコピーしていることの思い違いや操作や手順ミスと思われます。

 昔のことですが、たちの悪いユーザーがいて、自分の誤操作を認めようとせず。「何もしないのに、誤動作した・・」とか「触ってもいないのに、変になった・・」と言われたのを思い出しました。

 なお、結果のアウトプットは関数のままにせず、最終的には値にしなければならないのは初歩的な表計算ソフト(エクセル)の常識です。

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2021年5月 2日 (日)

私の世界・知らない世界―「高齢者ワクチン接種に25年?・・!?」

 コロナ禍の御時勢で、ネガティブというか、余り大変だ!という話はしたくないのですが、“現代ビジネス”の野口 悠紀雄一橋大学名誉教授のレポート「高齢者ワクチン接種に25年?デジタル政策の立ち遅れと混乱ここまで・・」は日本の現状を端的に述べていると思うので紹介します。

 日本の場合、コロナ禍はほとんど人災といえ、政府や行政などコロナが始まって以来、まともなことを何もしていません。

 それは韓国や台湾のように情報社会、高度な情報管理社会化につながるので、まあいいか?と思っていましたが、余りにも酷過ぎです。

 聞くところによると、マイナンバーカードが健康保険証として利用されるのもまだ先のようです。

 以下はVRSの概要ですが余りに複雑・煩雑で笑うしかありません。「シンプル イズ ベスト」なのに!

 

 

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『高齢者ワクチン接種に25年?デジタル政策の立ち遅れと混乱ここまで

<とうとう国民の命に直接かかわる事態に>

10日間で4万人だから完了まで25年かかる!  

日本でも412日から待望の高齢者向けのワクチン摂取が始まった。では、どの程度進捗しているのだろうか?

首相官邸ホームページに掲載されている「これまでのワクチン総接種回数(高齢者、都道府県別)」の数字を見て、私はのけぞり、ショックのあまり頭がフラフラになり、気分が悪くなってしまった。

そこには、421日までの10日間での高齢者の接種回数は、全国で39306回と書いてあったのだ。

日本の65歳以上の高齢者の数は約3617万人である。これは、39306人の920倍だ。したがって、いまのペースだと、高齢者の1回目の接種が完了するまでに、10日間の920倍、つまり9200日が必要になる。これは、約25年間だ。

ほとんどの高齢者は、ワクチン接種の前に死んでしまう!

医療従事者確保不能? 接種管理システム機能不全?

多くの人は、これを聞いて、「数字の読み間違えだ」と言うだろう。私自身もそう考えたので、何度も確かめた。読者の方々も、ぜひ首相官邸のページを開いてご自身で確かめていただきたい。

あるいは、接種はまだ本格化していないのだろうか?多くの自治体が、接種のための医療従事者を確保できていないといわれる。そうであれば、今後の見通しはどうなのか?あるいは、データの収集に時間がかかっているのだろうか?

しかし、上記の数字のもととなっている摂取管理システムVRSは、「時間遅れなしに即座にデータをデジタル化できる」という触れ込みだった。ところが、後で説明するように、VRSがうまく機能していない可能性が高い。

だが、仮に数字が1桁違っているにしても、2年半だ。絶望的なことに変わりはない。一体、どうなっているのだろう?また、そもそも摂取管理システムが機能していないこと自体が大問題だ。

ワクチン接種が進むかどうかが日本の命運を決する

一方、東京、大阪などに対して、3回目の緊急事態宣言が発令された。変異株による爆発的な感染拡大が起きている。

昨年47日に緊急事態宣言が発令された時、日本国内での感染者数は1日あたり375人だった。ところが422日時点での感染者数は4973人で。事態は昨年に比べてはるかに深刻だ。

頼みの綱はワクチンの接種だ。ワクチン接種が順調に進んだイスラエル、イギリス、アメリカでは、感染者数が劇的に減少している。

これらの国では、昨年の12月から接種が始まった。今年の1月頃には、感染者数が日本よりずっと多かったのだが、その後激減。いまでは日本を下回っている。そして、生活が正常化に向かいつつある。

ここ数ヵ月間にワクチン接種を進められるかどうかが、日本の命運を決する。政府の最大の課題は、一刻も早く全国民にワクチンの接種を完了させることだ。

本当にワクチンを確保できたのか?

ところが、その肝心なことに関して、政府の約束は誠に心許ない。

訪米中に米ファイザー社トップとの電話会談を行なった菅義偉首相は、国内の接種対象者全員分を9月までに確保できるめどが立ったと表明した。

ところが、2021両日に衆参各院で行われた訪米報告で、「外務省のホームページに『9月』なんて一言も書かれていない」と指摘されると、「相手方の関係もあり詳細は差し控えます」と答え、「9月までに供給されるメド」とした自身の発言の詳細を説明しなかった。

また、国内対象者の接種完了時期を問われても、「実務を担う自治体が作成した計画による」と具体的な言及を避けた。

20日の参院厚労委員会で田村厚労相は「合意書を交わしているわけではない」と答弁。追加供給の「実質合意」を後退させた。

また、自民党の下村政務調査会長は、419日に開かれた党の会合で、「自治体によっては医療関係者の協力が足らず、65歳以上に限定しても、今年いっぱいか、場合によっては来年までかかるのではないか」と指摘した。

要するに、ワクチン接種がどう進むかは、全く分からないということだ。

オリンピック期間中に人員を確保できるのか?

ワクチンの接種を進展させるためには、ワクチンの確保だけでなく、接種にあたる医師や看護婦など医療従事者の確保が必要だ。冒頭で述べたワクチン接種の遅れは、医療従事者が確保できないためである可能性が高い。

今後コロナの感染が拡大すれば、その対応に医療従事者が割かれるので、ワクチン接種のための人員確保はさらに困難になるだろう。

ところで、医療人員確保は、世界のどの国も直面している問題だ。そして、その解決のために、さまざまなことが行なわれている。

例えば、イギリスでは114日から薬局でも注射ができるようになり、薬剤師も注射している。また、ワクチンセンターを24時間稼働させている。

日本でも、人出不足などの問題を克服するために、もっと工夫と努力がなされてよいのではないだろうか?

日本は、それに加えて、オリンピックという問題を抱えている。その期間は、医療従事者が割かれる。すると、ワクチン接種のための医療人員確保は、さらに難しくなるだろう。

オリンピック遂行のために様々なことを犠牲にしなければならないのは、理解できなくもない。しかし、いまの日本人にとって最も切実な課題であるワクチン接種まで犠牲にしなければならないというのは、私には理解できない。

接種管理システムVRSが機能しない

ワクチン接種を進めるためにもう1つ必要なのは、管理ステムだ。

ワクチン接種管理システムVRS412日から稼働した。425日公開の「世界競争に敗北、日本は『ワクチン接種ガラパゴス』に閉じ込められる」で、「これがうまく機能すればよいが、絶対確実ではない」と述べた。ところが、本稿の最初に述べたように、VRSの動作は、どうもおかしい。

詳しく見ると、栃木、埼玉、静岡、滋賀、兵庫、島根、佐賀、大分、熊本の9県で、接種者がゼロになっている。これらの自治体でも、実際には接種は始まっているのだから、ゼロは誤りだとしか考えようがない。

自治体側では、「VRSへの入力作業が厄介で、追いついていない」などとしている。422日の日本経済新聞「早期接種デジタルの壁」によると、多くの自治体でVRSが利用されていない。

システムが複雑すぎて入力できない。接種券の情報を読み取る際に時間がかかったり、誤認識したりする場合がある。また、オートフォーカスが合わない、等々の問題があるとされる。

しかし、それにしても、「ゼロ」というのはどうしたことだろう。自治体にそっぽを向かれているのではないだろうか?

誰が、いつ、どこで、どのワクチンを接種したのかという接種管理ができないと、混乱が起こりそうだ。また 接種がどれだけ進んだかを正確に把握しないと、対策や経済再開の判断はできない。ワクチンパスポートも発行できない。

3システムが併存で混乱

日本のワクチン接種の管理システムは、各自治体が管理する予防接種台帳、VRS、それにVSYSという3システムが併存している。これが混乱を引き起こしている面もある。

V-SYS(クチン接種円滑化システム)は、厚労省が昨年夏から開発していたものだ。しかし、このシステムは、ワクチンを自治体に配送することだけを管理するもので、誰にいつどこで打ったかを記録する仕組みがない。

そこで、内閣官房 IT 総合戦略室が、急遽VRSを開発したのだ。この裏には、内閣と厚生労働省の間の複雑な確執があったと言われている。

そして、VRSが成功するかどうかがデジタル庁の試金石になると言われていた。ところが、これもうまく機能しない。

この国のデジタル政策の立ち遅れと混乱が、ついに国民の命に直接かかわるところにまで及んできた。』(野口 悠紀雄:一橋大学名誉教授)

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2021年2月 2日 (火)

私の世界・知らない世界―「日本発のコンピュータOSで世界シェアの約60%を占める・・TRON!?」

 コロナ禍でシュンとなりがちですが、少し元気が出る話に、『日本発のコンピュータOSで世界シェアの約60%を占めるものがある。1984年にプロジェクトが開始された、組み込み型OSTRON」だ(現在、正式にはT-Kernel)。』【YAHoo!ニュースJapanの「主張しないOSだったから世界に広がった」TRONの生みの親・坂村健が語る。」(2020/5/6() 10:06 配信)より】があります。

 コンピュータOSと言っても、直ぐに思いつくパソコンのOSではありません。最近の外部から家電や自動車などが操作出来る恩恵は「TRON」のお陰で、また、カメラ・ゲーム機などや小惑星探査機「はやぶさ2」(2014年打ち上げ、2020年に帰還)も「TRON」です。

TRONOSを搭載した韓国サムスンのカメラ、Samsung NX1(2014年発売)。仕様やソースコードがオープンなので、韓国や中国などアジアを中心とする世界の電機メーカーでも自由に使われている

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・μITRON4.0仕様に準拠したOSをコントローラー(Joy-Con)に搭載したゲーム機、Nintendo Switch(2017年発売)。μITRONは家電製品で広く使われるTRON系のリアルタイムOSである

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TRONOST-Kernel 2.0)で制御される小惑星探査機「はやぶさ2」(2014年打ち上げ、2020年に帰還)。TRONプロジェクトはリアルタイム制御が必要な場所で使われている、組込み向けのリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)の策定を中核とする

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話は別に:将来的な話として、日本の領海に眠る「メタンハイドレート」や「レアアース」で資源大国に・・とか、「人工光合成」の実用化などが有望です。

<TRONプロジェクト>

坂村健による、リアルタイムOS仕様の策定を中心としたコンピュータ・アーキテクチャ構築プロジェクトである。19846月開始。

・概要(前半部)

TRONとは、「The Real-time Operating system Nucleus」の頭字語である。組込み向けのリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)の仕様の策定をプロジェクトの中核としているが、本来は応用(アプリケーション)のユーザーインタフェースのデザインやハードウェアの仕様策定など、様々なサブプロジェクトを含む。

TRONプロジェクトの中心人物である坂村健は、TRONプロジェクトが開始した1984年頃より、リアルタイムカーネル(組み込み向け)のITRONと、より大きなシステム(パソコン向け)のBTRON、それらを統合するシステムであるMTRON、といったロードマップを示していたが[注釈 2]1987年に発表した論文『The Objectives of the TRON Project[2]において、HFDSHighly Functionally Distributed System、超機能分散システム)と言う構想を発表。未来の地球人類社会では、日常生活のあらゆる部分(電球1個、壁パネル1枚)にまでマイコンが入り込み何らかの形で人間と関わりを持つようになると予想し、それらのコンピュータをそれぞれの機器別にバラバラに扱うのではなく、標準によってうまく連携させるのだという未来像が提示され、TRONはその実現に向け準備するプロジェクトだ、と規定された[3]。すなわち、μITRON3.0仕様書の言葉を借りれば「コンピュータ組み込み機器をネットワーク接続し、それらに積極的に環境を演出させる」という「電脳強化環境(Computer Augumented Environment)」の実現こそがTRONプロジェクトの目標であると提示され、これを一般向けに解りやすく言い換えて「どこでもコンピュータ」とも称していた。・・・(=ウィキペディア)

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2020年11月24日 (火)

私の世界・知らない世界―「“SDGs”は、先進西欧諸国に有利に出来ている・・!?」

 ネットのNewsWeekの日本版から、最近TVなどで持て囃されている“SDGs”は、「先進西欧諸国に有利に出来ている!」という話です。

 若い頃より“DYNAMO”(システムダイナミックス)などを扱っているのですが、その先駆的なモデルにローマクラブの「成長の限界」があります。

 しかし、『「成長の限界」は、どうも怪しい・・!?』気がしていました。

 「石油資源の枯渇」や「人口増加による飢餓」、「二酸化炭素による地球温暖化問題」など、世界に声高に言われるプロパガンダは既得権益側に有利に出来ているようです。

<成長の限界>

ローマクラブが資源と地球の有限性に着目し、マサチューセッツ工科大学のデニス・メドウズを主査とする国際チームに委託して、システムダイナミクスの手法を使用してとりまとめた研究で、1972年に発表された。「人口増加や環境汚染などの現在の傾向が続けば、100年以内に地球上の成長は限界に達する」と警鐘を鳴らしている。・・・(ウィキより)

<システムダイナミクス(system dynamics)>

1956年にマサチューセッツ工科大学のジェイ・フォレスターにより開発された、シミュレーション手法。はじめは企業行動のシミュレーションを念頭にインダストリアルダイナミックスという名前で始まり、都市計画を扱うアーバンダイナミックスなども生まれ、その後、整理統合されてシステムダイナミックスとなった。・・・

・既得権益(vested interest):ある社会的集団が歴史的経緯により維持している権益(権利とそれに付随する利益)のこと。

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SDGsはより良い未来を構築するために各国が目指すべき目標だが JAMES WASSERMAN/GETTY IMAGES FOR GLOBAL GOALS-UNITED NATIONS

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SDGs達成度1位のスウェーデンの天然資源消費量は世界でもかなり悪い水準 STINA STJERNKVIST-TT NEWS AGENCY-REUTERS

<国連が目指す持続可能な開発の指標で、各国の達成度の評価が実情と違い過ぎる。地球上の誰もがスウェーデン並みの消費をすれば、生態系や環境への負荷は現在の3倍になる>

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SDGs優等生の不都合な真実 「豊かな国が高い持続可能性を維持している」という嘘

2020108日(木):ジェーソン・ヒッケル(人類学者))

地球と人の未来を守るため、2030年までに達成すべき17の目標を掲げた持続可能な開発目標(SDGs)が国連で採択されてから5年。その実現に向けた「行動の10年」が始まっている。動植物を含めた「生き物の世界」と人間主導のグローバル経済の共存共栄に向けた具体的努力が問われるのだが、そもそも各国は今、どんな位置に着けているのか。

それを知る指標として、よく用いられるのがSDGインデックスだ。米コロンビア大学の経済学者ジェフリー・サックスが考案したもので、SDGsの達成度を国ごとに評価する標準的なツールとして重宝されている。そのランキングを見ると、上位に並ぶのはスウェーデンやデンマーク、フィンランド、フランス、ドイツなどの豊かな欧州諸国。だが、本当にこれらの国はSDGs優等生なのだろうか。

実を言うと、このインデックスは開発の持続可能性を測るものではない。このインデックスで上位に入っている国々の一部は、地球環境への負荷という点から見れば、むしろ最も持続不可能な状況にある。

いい例がスウェーデンだ。SDGインデックスでスウェーデンの評価は84.7点と第1位。しかし世界中の生態学者が以前から指摘しているように、この国の1年間のマテリアルフットプリント(消費する天然資源の総量)はアメリカと同程度で、国民1人当たり約32トンに上る。これは世界でもかなり悪い水準だ。世界平均は現状で1人当たり約12トン。ちなみに持続可能なレベルは1人当たり約7トンとされる。

スウェーデンの現状は持続可能なレベルを5倍近く超えており、もしも地球上の誰もがスウェーデン並みの消費をするようになれば、世界中の資源消費量は年間ざっと2300億トンになる。これは現時点で全人類が消費している資源(言い換えれば地球の生態系や環境に与えている負荷)のおよそ3倍に相当する。

実態は開発優先、環境軽視

SDGインデックスで3位のフィンランドはどうだろう。フィンランドの二酸化炭素排出量は国民1人当たり年間約13トンで、石油大国サウジアラビア並みの水準だ。ちなみに中国の国民1人当たり二酸化炭素排出量は約7トンで、インドは2トンに満たない。世界中がフィンランド並みに化石燃料を消費したら、温暖化で地球は人が住めなくなる。

極端な例ばかりを挙げているのではない。英リーズ大学の科学者が発表したデータによると、SDGインデックスの上位の国々は資源消費量や温暖化ガスの排出量だけでなく、土地利用や窒素などの化学物質の環境への排出量といった点でも、人口比で各国に許容される範囲を大幅に超過している。

全ての国がSDGインデックス上位国のレベルで消費し、環境汚染を続けていくとすれば、地球の生態系は間違いなく、物理的に破壊されてしまう。

つまりSDGインデックスは、エコロジーの観点から見ればつじつまが合わない。それは事実と異なる錯覚を引き起こし、豊かな国は高いレベルの持続可能性を維持しているという間違った印象を与える。

どうしてそうなるのだろうか。SDGインデックスは国連の定めた17の「持続可能な開発目標」によって作られており、それぞれの目標には多くのターゲットが含まれている。点数の算出に当たっては最初にターゲットごとにデータを集めて達成度を評価し、それらの平均を求めて目標ごとの点数を出す(ただし国によっては必要なデータがそろわない場合もある)。そして、目標ごとの点数の平均値が国の点数となる。このプロセスは合理的に見えるが、実はそこに分析上の重大な問題が潜んでいる。

まずは評価項目の比重の問題だ。どの目標も3つの観点から評価されるが、観点ごとに評価項目の数が異なる。具体的にはエコロジカルな負荷(森林破壊や生物多様性の喪失など)、社会的な開発度(教育の充実や飢餓の解消など)、そしてインフラの開発度(交通機関や送電網の整備など)という3つの観点があり、ほとんどの目標はこの3つの組み合わせで評価される。だが現実には、必ずと言っていいほど開発関連の評価項目数がエコロジカルな負荷の評価項目数を上回っている。

例えば目標11(住み続けられるまちづくりを)には4つの評価項目があるが、3つは開発関連で、生態系への影響に関する項目は1つだけだ。つまり開発関連で高い評価を得れば、生態系への負荷が大きくても(つまり持続可能性が低くても)結果として点数は高くなる。

しかも17ある目標のうち、生態系の持続可能性を主眼とするものは4つ(目標1215)だけで、あとの13目標は開発に重点を置いている。つまりここでも、たとえ持続可能性の点数が低くても開発関連で点数を稼げば総合点は上がる。だから生態系への負荷という点では劣等生のスウェーデンやドイツ、フィンランドのような国が、SDGインデックスでは上位に来てしまう。

さらに、エコロジカルな負荷に関する評価の大半が国内だけを対象としていて、国境を越えた貿易の影響を考慮していないという問題がある。

例えば目標11の大気汚染に関する項目を見ると、概して富裕国の点数は高い。だが先進諸国は1980年代以降、汚染源となる産業部門の工場を次々と国外に移転させており、結果として汚染も国外に追いやっている。

森林破壊や魚の乱獲についても同じことが言える。こうした問題の多くは貧困国で起きているが、その原因は裕福な国々の過剰消費にある。途上国は先進国から環境破壊を輸入し、結果としてSDGインデックスの順位を下げているわけだ。

国連はSDGsの見直しを

インフラの整備などは、もちろん国内ベースで評価すればいい。しかし国内での消費による環境負荷を正しく評価するには、国外で生じた環境負荷もきちんと計算に入れなければならない。

それをしていないから、富裕国ほどSDGインデックスの点数が高くなり、彼らが国外でもたらしているダメージは見過ごされてしまう。これではいけない。いくら開発面で高い点数を得ても、地球環境に対して及ぼした破壊的な影響をそれで相殺することは許されないはずだ。

実はSDGインデックスの作成者側もこの問題には気付いており、評価手法に関する脚注で(簡単に)触れてはいる。だが結果として算出方法が見直されることはなく、環境負荷の問題は軽視されたままだ。

つまるところ、持続可能な開発の判定は地球規模で行うしかない。SDGインデックスで上位にランクされる国は、生態系の破壊をもたらすことなく実現できる開発のモデルを体現していなければならない。

残念ながら現状はそうなっていない。裕福な国々がSDGsの模範として持ち上げられているが、リーズ大学の研究が示すとおり、現実には彼らこそ問題の一部なのだ。

国連は今こそSDGインデックスを見直すべきだ。まずはエコロジカルな負荷を消費ベースで計算し、国外での発生分も考慮に入れること。そして環境への負荷と開発の成果を別々に評価し、それぞれの実態を正しく把握することだ。

そうすればデンマークやドイツのような国々が開発面で達成したことを正当に評価しつつ、一方で彼らが国外で生態系の破壊を加速している実態を認識できるだろう。

見直しが終わるまで、SDGインデックスなどに頼るのはやめるべきだ。地球環境の危機は深刻だ。いま地球にはどんな負荷がかかっていて、その責任は誰にあるのか。それをもっと正確に、もっと正直に示さないと議論は始まらない。

From Foreign Policy Magazine

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