ネットのCNNのニュースからアメリカの発明家のレイ・カーツワイル氏が、「コンピューターは2029年までに愛情や人格を身に着けて、人間並みか、恐らく人間を上回る知能を習得するだろうと予測・・」という話しです。
将来コンピューターは、論理的知能のみならず情緒的表現も身に着けるようになるという
未来予想が恐ろしいほど的中するという米発明家、レイ・カーツワイル氏=本人提供
レイ・カーツワイル氏の経歴や未来予測がウィキに紹介されているので載せておきますが、私の個人的な考えでは2020年台の「人間の脳全体の正確なコンピュータシミュレーション」とそれに関連する2030年代以降の予測は疑問に思います。
脳の記憶の方法(記憶場所ではない)や本質的な脳の仕組みを、まだ脳(人間)は全然理解していません。
チェスや将棋、囲碁などの知的ゲームでコンピューターが脳(人間)を凌駕出来たのは“脳の仕組み”が分かり、そのコンピューター・プログラムが脳より優秀な思考をしたのではないのです。
コンピューターは正確無比の多量の記憶と高速処理とネットワークによる連係処理が出来、その点は脳(人間)をはるかに超えるものです。
そのことを知的ゲームに利用(プログラム化)しただけです。
コンピューター(人工知能)は最近、翻訳もしますが言語を理解しているのではありません。単純に言えば両方の言語データを分類(ソート)した成果を利用しているだけです。
彼には芳しいバナナの味や夕日の切なさを感じる心、観測する意識がないのです。シュレーディンガーはその著書:「精神と物質」の最後に、「科学的な理論は決して感覚的性質を説明するものではありません」としています。物理的な確率事象の波束を収束させる観測者(意識を持つこと?)に、今のところコンピューター(人工知能)はなる術がないのです。
未来予測(詳細は「en:Predictions_made_by_Ray_Kurzweil」を参照)
<The Singularity Is Near(2005年)より>
2010年代:
・遺伝学/バイオテクノロジーにおける革命はそのピークに到達する。2020年代の間に、人間は自分の遺伝子を変化させる手段を持つことになるだけではなく、「デザイナーベビー」は自分の皮膚細胞を若々しい他の細胞に形質転換することによって、自分の身体の組織や臓器のすべての若返りが実現可能になる。人々は根本的に平均寿命を延長し、病気や老化から離れて自分の生化学を「再プログラム」することができるようになる。
・コンピュータは小さくなり、ますます日常生活に統合される。
・多くのコンピュータ装置は、小型のWebサーバとして使用され、それらのリソースは、計算のために利用される。
・高品質なブロードバンドインターネットアクセスは、ほとんどどこでも利用できるようになる。
・バーチャルリアリティの生成。ユーザの網膜上にビームの映像が投影される眼鏡の登場。これらの眼鏡は新しいメディアとなる。
・「VRメガネ」。さまざまな日常のタスクでユーザーを助けることができる「バーチャルアシスタント」プログラムを搭載したコンピュータの登場。
・バーチャルアシスタントは、複数の機能をもつことができるであろう。一つの有用な機能は、外国語で話される言葉は眼鏡をかけているユーザーへ字幕のように表示される。
・携帯電話は、衣類に組み込まれ、ユーザーの耳に直接音を投影することができるようになる。
2015年:
・家庭用ロボットが家を掃除している可能性がある。
2018年:
・10TBのメモリ(人間の脳のメモリ容量に相当)が1000ドルで購入できる。
2020年代:
・ナノテクノロジーの革命が開始される10年:この10年はまた、ロボット(強いAI)がチューリングテストを通過。教育を受けた人間と同等の知性になる。
・1000ドルのパーソナルコンピュータは人間の知性をエミュレートするために必要なハードウェア性能を持っている。
・サイズが100ナノメートル未満のコンピュータが可能になる。
・最初の実用的なナノマシンが、医療目的のために使用される。
・人間の脳全体の正確なコンピュータシミュレーション。
・血流に入ることができるナノボットは、この10年の終わりまでに(必ずしも広い使用されていないが)存在することになる。
・この10年の後半では、仮想現実(バーチャルリアリティ)は、本当の現実と区別がつかないほど高品質になる。
2025年:
・一部の軍事無人偵察機や陸上車両は、100%コンピュータ制御される。
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2030年代:
・精神転送(マインド・アップローディング)は成功し、人間がソフトウェアベースになる。
・ナノマシンは、脳内に直接挿入することができ、脳細胞と相互作用することができる。その結果、真のバーチャルリアリティが、外部機器を必要とせずに生成することができる。
・記憶用脳ナノボット、または「経験ビーマー」として知られている人間の日常生活のリアルタイム情報脳伝送を使用して、他人の感覚を「リモート体験」できるようになる。
・人々の脳内のナノマシンは脳の認知、メモリ・感覚機能を拡張することができる。
・ナノテクノロジーは人の知性、記憶や人格の基礎を変え、人々は自分の脳内の神経接続を自由に変更できる。
2040年代
・人々はマトリックスのように仮想現実で時間の大半を過ごすようになる。
・「フォグレット」(人体をとりまくナノマシン群。人間の外見を自由に変化させる)が使用されている。
2045年:シンギュラリティ
・1000ドルのコンピューターは全ての人間を合わせたより知的である。これはローエンドのコンピュータであっても人間よりはるかに賢いことを意味する。
・技術的特異点は、人工知能は地球上で最も賢く最も有能な生命体としての人間を上回るように発生する。技術開発は、自ら考え、行動し、通常の人間には何が起こっているのか理解できないほど迅速に相互通信できるマシンによって引き継がる。マシンは、AIのそれぞれの新しい世代が速く開発されると、自己改善サイクルの「暴走反応」に入る。これ以降、技術の進歩は、マシンの制御下で、爆発的であるため、正確に(それゆえ「特異点」という)予測することはできない。
・特異点は永遠に人類の歴史の進路を変更する非常に破壊的、世界的な変化を起こすイベントとなる。暴力的なマシンによって人類が絶滅させられる可能性は(ありえなくはないが)、人間と機械の間の明確な区別はもはやサイボーグ化で強化された人間とコンピューターにアップロードされた人間の存在のおかげで存在せず、ほとんどありえない。
不老長寿への挑戦:カーツワイルは1940年代生まれ(つまりカーツワイル自身も)が人類が最初に不老不死を手にする世代になると考えており、科学者の立場からなるべく消化器に負担をかけず栄養を摂取しようと1日に200錠ものサプリメントを摂取したり、毎日のように栄養注射を行ったりする等、寿命延長への野心に事欠かない。しかし一方で「生身の体を健康に保つのはものすごい苦労を伴う(ので嫌になっている)」とも著作で語り、「1日も早く機械の体に入れる日を夢見ている」と語っている。
科学による亡き父の「蘇生」:カーツワイルは現在、音楽家だった亡き父の資料を大量に集積している。DNA情報等とも照らし合わせて、いつの日か父と同じ人格を保有するAIを作成し「再会」することを目指している。
『「コンピューターは愛情学び人間を超える」 発明家の未来予想
(2016.03.09 Wed posted at 16:03 JST)
ニューヨーク(CNNMoney)怖くなるほど正確な未来予想で知られる米発明家のレイ・カーツワイル氏が、コンピューターは2029年までに愛情や人格を身に着けて、人間並みか、恐らく人間を上回る知能を習得するだろうと予測した。
カーツワイル氏はニューヨークで7日、天体物理学者のニール・ドグラース・タイソン氏と人工知能(AI)や未来の技術について対談。「コンピューターが人間並みの知能を身に着けるといっても、論理的知能のことを言っているわけではない」「コンピューターは人を笑わせたり、愛情を表現するようになる。それこそ人間の知能の最先端だ」と語った。
コンピューターがいつかノーベル賞を受賞するような小説を書くようになり、「人を人たらしめている側面さえ奪う」のかとタイソン氏が問いかけると、「我々はその知能を組み合わせる」とカーツワイル氏。
人は脳内の細胞ほどの大きさのナノボットを使ってインターネットに接続し、「マトリックス」の映画のように、スキルをダウンロードするようになるとカーツワイル氏は予想する。遺伝子をコンピューターのコードのように編集して病気を治療する未来も描いて見せた。
そうした技術を利用できるのは、例えばスマートフォンのように、最初は富裕層に限られるかもしれないが、やがて大量生産されるようになって値段が下がり、「ナノボットは誰にでも行き渡るようになる」という。
人間の仕事の多くはAIに取って代わられるかもしれないが、未来人の雇用については楽観しているとカーツワイル氏は言う。ただ、タイソン氏に具体的な職種を挙げるよう促されると言葉に詰まった。結局のところ、現代の半導体設計やウェブサイト開発といった職業は1910年代には誰にも予測できなかった。
脳内のナノボットは新しい五感も生み出す。耳で聴く音楽や舌で味わう料理を超えて、「他の感覚で楽しむ芸術や祭典が創出される」とカーツワイル氏は予測している。』
レイ・カーツワイル(Ray Kurzweil, 1948年2月12日~ )
アメリカ合衆国の発明家、実業家、フューチャリスト。本名はレイモンド・カーツワイル(Raymond Kurzweil)。人工知能研究の世界的権威であり、特に技術的特異点(technological singularity)に関する著述で知られる。代表的な発明にオムニ・フォント式OCRソフト、フラットベッド・スキャナー、Kurzweilブランドのシンセサイザー「K250」、文章音声読み上げマシーン(カーツワイル朗読機)などがある。
<経歴>
ニューヨーク・クイーンズにユダヤ系移民の子として生まれる。1960年12歳の時、コンピュータに触れ、以後夢中となり、統計分析のプログラムや作曲を行うようになる。高校生の時テレビ番組『私の秘密』(”I've Got a Secret”)に登場し、コンピューターに作曲させた音楽を披露。同発明で、国際科学フェア第一位を受賞、ホワイトハウスでリンドン・ジョンソン大統領からウェスティングハウス・サイエンス・タレント・サーチ賞を受賞する。
マサチューセッツ工科大学在学中20歳のとき起業し、諸大学のデータベースを構築して大学選択のプログラムを作った(後に10万ドルで売却)。1974年カーツワイル・コンピューター・プロダクツ社を設立。以後数々の発明を世に送り出す。アメリカの「発明家の殿堂」に加えられた。
1990年『The Age of Intelligent Machines』を公刊し米国出版社協会から「ベスト・コンピュータ・サイエンス・ブック」に選ばれた。このときインターネットの普及、チェスの試合でのコンピューターの勝利を、少しの時間的誤差で予測し、的中させる。その後『The Age of Spiritual Machines: When Computers Exceed Human Intelligence』で収穫加速の法則 をまとまった形で発表し物議を醸す。
2005年、『The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology』で技術的特異点・シンギュラリティーについての踏み込んだ記述を展開。「特異点は近い」と宣言し、世間一般に技術的特異点という概念が広まるきっかけを作った。
2012年にGoogleに入社。
2015年現在、GoogleでAI開発の総指揮をとり、大脳新皮質をコンピューターシミュレーションしようという「Neocortex Simulator」に取り組んでいる。完成した場合はクラウドに展開し人間の第二の脳として使用するつもりだという。
2016年、新著を出版予定。
<人物>
未来研究や収穫加速の法則について、「自分の発明が現実になる時期を知りたかった」と語っている。30代のころ遺伝型の糖尿病と診断されるも、科学者の立場から医師と共同で徹底した治療を行い、現在では完治したと主張している。その論調から「テクノロジー超楽観主義者」と呼ばれ批判されることもある。
技術的特異点(Technological Singularity)
テクノロジーが急速に変化し、それにより甚大な影響がもたらされ、人間の生活が後戻りできないほどに変容してしまうような、来るべき未来のこと。人工知能が人間の能力を超えることで起こる出来事と説明されることも少なくない。 単にシンギュラリティ(Singularity)ともいう。未来研究において、正確かつ信頼できる、人類の技術開発の歴史から推測され得る未来モデルの限界点を指す。(=ウィキペディア)