ネットのナショナルジオグラフィック・ニュースからです。
数日前に次男が、
「おっとん、知ってるか? 太平洋で巨大な火山の跡がみつかってんてー・・」と言ってきました。
「ジオで見たけど、海の中やし、ブログで紹介するの止めてん・・」
「なんや、そうなん・・」
ジオでニュースは知っていたのですが、3Dの図だけで確認をするにも、海の中なのでマップでは見られないのです。「太陽系の中でも最大級の火山」はすごいのですが、興味が萎えたのです。
昨日ふと、「海上保安庁海洋情報部の「海底地形図」があるのでは?・・」と思いつき、見てみました。
残念ですが、「日本の東方沖およそ1600キロの太平洋」は詳しい「海底地形図」ではありません。
以下は、海上保安庁海洋情報部「海底地形図」のシャツキー海台の位置です。
シャツキー海台のタム山塊は、「単一の巨大な火山で、その規模はこれまで太陽系内で最大と考えられてきた火星のオリンポス山に匹敵」というもので、「水深6400メートル付近を底面とする丸いドーム状で、面積は約30万平方キロ、頂点は水深約2000メートル」だそうです。
シャツキー海台およびタム山塊(theregister.co.ukより)
『太平洋の海底で世界最大の火山を発見か
日本の東方沖およそ1600キロの太平洋で、単一の巨大な海底火山が特定された。最新の研究結果によると、底面の広さはアメリカのニューメキシコ州や、イギリスとアイルランドを併せたブリテン諸島の面積に相当する。地球上はおろか、太陽系の中でも最大級の火山であると見られる。
盾状の海底火山、タム山塊は、小規模な火山が集まってできたと考えられていたが、いずれ見直しを迫られる可能性が出てきた。
研究を発表したのは、アメリカ、テキサス州にあるヒューストン大学の地質学者ウィリアム・セーガー(William Sager)氏らのグループ。セーガー氏は「タム山塊は単一の巨大な火山で、その規模はこれまで太陽系内で最大と考えられてきた火星のオリンポス山に匹敵する」と述べている。
主に玄武岩から成り、太平洋北西部の海底台地、シャツキー海台にある。水深6400メートル付近を底面とする丸いドーム状で、面積は約30万平方キロ、頂点は水深約2000メートル。地球上最大の活火山、ハワイのマウナロア山も、その底面の広さは5200平方キロ程度とタム山塊には遠く及ばない。
研究を始めておよそ20年になるセーガー氏は、この山塊の名付け親でもある。同氏がかつて所属していたテキサスA&M大学(Texas A&M University)の頭文字から、「タム(Tamu)」と命名した。
シャツキー海台が初めて地図に記載されたのは20世紀初頭。セーガー氏によると、「その一帯が巨大な海底山脈であることは知られていたが、その構造や形成過程についてはほとんどわかっていなかった」という。
◆特異な構造を発見
シャツキー海台は、同時に発達した複数の火山の集合体として形成されたという説が一般的だった。隣接する5つの火山が噴火して生まれたハワイ島とよく似ている。
だが今回、研究チームがタム山塊の地震データを調べたところ、思いがけない事実に突き当たった。
「中心からあらゆる方向に溶岩が流出した痕跡が見られるが、火山活動の二次的な発生源は見当たらない。これは意外だった」とセーガー氏。
研究チームはさらに、タム山塊からいくつものコア試料(柱状の地層サンプル)を採取し、化学分析を行った。その結果、構成岩石および形成年代がほぼ同一である可能性が強まる。
研究チームは、タム山塊が単一の火山で、おそらくは数百年という比較的短い期間に形成されたという結論に至った。またセーガー氏によると、形成後ほどなくして火山活動を休止したという。時期はおよそ1億4500万年前、ジュラ紀後期から白亜紀前期にかけてと推定される。
アメリカ、ウィスコンシン大学の地質学者ブライアン・ジチャ(Brian Jicha)氏は次のように語る。「この説が正しいとすれば、タム山塊はまさしく超巨大火山だということになる。海台は世界中に数多く存在する。そのうちのいくつかが火山だとすれば、この研究成果は海台の形成過程に関する常識を覆す可能性すら秘めている」。
セーガー氏も、さらなる研究が必要だと考えている。「世界には同じような海台が十数カ所程度あるのではないか」。タム山塊よりも大規模な海底火山が存在する可能性も十分考えられるようだ。
シャツキー海台(shatsky rise)
北西太平洋海盆のなかほど(日本の南東)の海底に位置する海台である。地球上で最も大きな火山とされるタム山塊を有する。この海台と火山群は、3つのプレート(太平洋プレート、ファラロンプレート(英語版)、イザナギプレート)の三重会合点において、ジュラ紀後期から白亜紀初期の間に形成したと仮定されている。