入院生活

2017年5月11日 (木)

私の世界・知らない世界―「一般的な鎮痛剤で心臓発作のリスク上昇か・・!?」

ネットのCNNのニュースから、「ドラッグストアで購入可能なものも含む一般的な鎮痛剤の服用と心臓発作のリスク上昇の間に関連性・・」という話です。

その鎮痛剤は非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)と呼ばれるもので、イブプロフェンやジクロフェナクなどだそうですが、イブプロフェンは商標名ブルフェン、ジクロフェナクは商品名「ボルタレン」が有名です。

糖尿病合併症の神経症や足の壊疽(もう10年経つ)の後遺症? なのか、足の指や踵などいろいろなところが時々、痛むこと(1~2分おきに犬が齧るような感じの疼痛)があります。それでロキソニンは私には無くてはならない痛み止めの薬なのです。

・・で、「ロキソニンではなくて良かった!」と一瞬、思ったのですが、よく見るとミシェル・バリー博士は「心臓発作のリスク上昇はすべての一般的なNSAIDに共通して見られた」と言っています。

ロキソニンもプロピオン酸系の消炎鎮痛剤で一般的な“NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)”でした。

ただし、後段にも書かれているように心臓が悪くなると色々なところが痛くなり、痛み止めを使う可能性があるので統計的には、「一般的な鎮痛剤で心臓発作のリスク上昇」と言う結論はかなり割り引く必要があると思います。

でも、こういった医薬品は副作用が必ずあり(説明書を熟読すると怖くなってくる程です)、なるべく飲まないようにしようとは思うのですが、飲まないと夜眠れません。心臓は若いときに鍛えた? のでかなり自信はあるのですが、悩ましい日々です。

<イブプロフェン(buprofen)>

プロピオン酸系の非ステロイド系消炎鎮痛剤 (NSAID) である。日本では商標名ブルフェンで知られ、医療用だけでなく一般医薬品としても広く流通している。関節炎、生理痛および発熱の症状を緩和し、また炎症部位の鎮痛に用いる。イブプロフェンは1960年代に英Boots Groupの研究部門によりプロピオン酸の誘導体として創薬された。イブプロフェンはまた、WHOWHO必須医薬品モデル・リストに含まれている医薬品の一つでもある。

<ジクロフェナク(Diclofenac)>

フェニル酢酸系の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の1種である。主に解熱、鎮痛のために用いられる。日本では、ナトリウム塩のジクロフェナクナトリウム(Diclofenac sodium)が商品名「ボルタレン」(Voltaren)などで処方薬として販売されている。イギリス、アメリカなどでもナトリウム塩が用いられているが、少数の国ではカリウム塩であるジクロフェナクカリウム(Diclofenac potassium)も用いられる。いくつかの製剤が後発医薬品として製造されているほか、数カ国では一般用医薬品(OTC医薬品)として承認されている。ジクロフェナクの安全性はかなり証明されているが、アレルギーを起こす可能性もある。

<ロキソプロフェン(Loxoprofen)>

プロピオン酸系の消炎鎮痛剤。商品名はロキソニン(Loxonin)で、第一三共が発売し、後発医薬品も各社から発売されている。現在、よく使用されている抗炎症薬の一つである。

<非ステロイド性抗炎症薬(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drug; NSAID)>

抗炎症作用(Anti-inflammatory)、鎮痛作用(Pain reliever)、解熱作用(Antipyretic)を有する薬剤の総称。単語「非ステロイド」とは、グルココルチコイドでないことを意味する。グルココルチコイドは抗炎症薬の主要なグループを構成するが、1950年代にはグルココルチコイドに由来する医原病と思われる症例が多数報告されるようになった。このため、1960年代に開発された新しい抗炎症薬群がグルココルチコイド系ではないことを知らせることが重要とされ、「NSAID」という概念が一般化されるに至った経緯がある。(=ウィキペディア)

『鎮痛剤で心臓発作のリスク上昇か カナダ研究

2017.05.11 Thu posted at 12:37 JST

CNN) ドラッグストアで購入可能なものも含む一般的な鎮痛剤の服用と心臓発作のリスク上昇の間に関連性があるとする研究が11日までに英医学誌BMJで発表された。

この鎮痛剤は非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)と呼ばれるもので、イブプロフェンやジクロフェナクなどが含まれる。論文によれば、服用している人はそうでない人と比べて平均20~50%心臓発作を起こす確率が高くなるという。

いずれのNSAIDであっても、リスクの上昇は早ければ服用開始後1週目で始まる。また、投与量が多い場合のリスクが最も高くなるのは1カ月以内だ。

この研究を指導したモントリオール大学病院研究センターのミシェル・バリー博士は「心臓発作のリスク上昇はすべての一般的なNSAIDに共通して見られた」と語る。

研究によれば、どんな服用量でも、1週間、1カ月、またはそれより長い間について、心臓発作のリスクは上昇した。服用をやめると、1日から30日の間はリスクがわずかに減少した。服用後30日から1年の間にリスクは大きく減少した。

以前から、この種の鎮痛剤が心臓発作のリスクを高める可能性は指摘されていた。だが服用期間や投与量などとの関連ははっきりしていなかった。

研究チームはカナダと欧州の複数のデータベースから44万6763人のデータを分析。このうち6万1460人が心臓発作の病歴があった。研究は典型的な状況下でのNSAIDの服用に関連した心臓発作のリスクなどを算出することを目標とした。

ただし研究チームは、今回の発見は心臓発作に関わるすべての要因を勘案したわけではないと強調している。

ロンドン大学衛生・熱帯医学大学院のスティーブン・エバンズ教授は、研究に参加した人々の喫煙やBMI(体格指数)といったライフスタイルに関するいくつもの要素が不明なため、そうしたことが不確実性につながっていると指摘する。たばこや不健康な食生活、肥満、過度な飲酒なども心臓発作の要因となる可能性がある。

エバンズ教授はまた、こうした薬を服用している人はもともと、そうでない人よりも心臓発作のリスクが大きい可能性もあると指摘。例えば痛みがひどくてNSAIDを処方された場合、その痛みが直後の心臓発作と関係があったというケースだ。

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2017年5月 2日 (火)

私の世界―ネコ物語・『最近のチップとチビ、「チップという子猫」・・のネコ!?』

チップが亡くなりました。10歳に満たない命、原因はネコには致命的な慢性腎不全でした。

 風邪を拗らせ、気管支肺炎(軽いもの)が原因? の「めまい」で一時的に入院(5日)していた私を“待つ”ように、退院した次の日でした。

 追悼の意味で、子供の頃の写真とチップとの出会いを最初の入院時に書いた「チップという子猫」を載せておきます。

最初の頃、赤ちゃんのチップ

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ごろにゃんこのチップ

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バンザイのチップ

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良い顔のチップ

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いつもの場所のチップ

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『チップという子猫』(2010.6)

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飼い始め

ウィンクという犬を15年近く飼っていました。食欲が急になくなり、体力をなくして1ヶ月余りで歩けなくなって、1週間であっけなく死にました。

ウィンクをなくして寂しいけれど、犬はもうよいので猫でも飼いたいなあと思っていると、何故か長男の翔太が何処からか子猫を連れてくるのです。まだ親離れもすんでいないような小さなトラ猫で、勝手にチップと名づけて翔太は帰って行きました。自分が家を出てしまったものですから、「代わり」と思ったのかも知れません。

人懐っこくて、少しでも手を近づけると、ぶつけるようにして頭を擦り付けてくるのです。キャットフードは直ぐに気に入って食べました。家内は勝田が他所の家の子猫をさらって来たのと違うか心配するのですが、後で分かるのですが、野生の蛙や蛇を食べないとならないような尭虫の仲間を宿していました。まだ赤ちゃんといえる身で、子猫ひとり十一月の夜の寒さに震えながら、ひもじさを蛙を食べてしのいでいたのだと勝手に想像して、本当にかわいそうに、いとおしく思いました。

男の子猫

それで飼うことにしました。飼ってみると意外と元気です。本を読むと子猫は、食事が済むと親代わりに肛門の周りをさすって、便を出させるようにしないといけないとあります。でも、勝手にウンチは自分でするのでほっとしました。夜寒いと、親代わりに保温器が必要だそうですが、平気で寒がりもせず1人でまるまって居間の座布団に寝るのです。最初、女の子だろうと思っていたので、僕のお布団に引っぱり込むのはためらっていたのですが、やんちゃ過ぎるのでだんだん男の子かもしれないと家内と2人で思うようになりました。お布団に入れてやったら、義理で一晩だけ寝ていきましたが、2度とは入って来ませんでした。

部屋へは冒険心からかよく訪ねて来たのですが、一度足を踏んづけて、「ギャー」とものすごい泣き声をして飛んで逃げてしまってから、部屋へ私がいるときは二度と訪ねて来ません。毎朝起きると、キャットフードがほしいのでチップは二階のお母さんの部屋から飛んできます。そうなのです、なぜか家内の部屋が気に入って、寝ているのです。でも、食事だけは僕の担当で、あげないとうるさく付きまとうのでした。食事は、キャットフードだけではかわいそうと、鶏肉を煮てパックに入れて冷蔵庫に保存したものや、煮干を柔らかく水煮してあげていたのです。これも、物の本によるとキャットフードだけの方が長生きするそうなのです。

慧祐との関係

次男の慧祐は最初、兄貴が拾って来たものだからか、飼うのに反対でした。何かというと「そんな子猫、捨ててしまったらいいやん」と云うのです。でも、チップは分かっていたのです。いつも夕食のとき、なにか貰うわけでもないのに、慧祐の膝の上に乗るのでした。彼にとってそこが一番居心地のよい場所なのです。慧祐は「この猫重いなあ、どこか他に行ったらいいのに」と文句は言うのですが、膝の上に乗るのを許しているのです。

このあいだ慧祐は「お兄ちゃんどうしてるんやろ、一度アパートに訪ねてみようかなあ」と意外なことをポツリと呟くのです。口ではぼろくそに言うのに、相手のことを心配するのは誰かとよく似ているのでした。

チップはそんな心を見抜いているのだと思います。

腹の虫

しばらく飼っていると、チップに大変なことが起こりました。ウンチをしたらひも状の得体の知れないものがくっついて出てきたのです。取れないものだから、例によって「ギャー」と叫びながら、二階のお母さんの部屋に飛び込んで行って助けを求めたのです。当然ウンチの付いたひも状のものですから、部屋がどうなったかは想像にお任せします。ひも状のものをティシュでつまみ出して事なきを得たのです。「腸の一部が出たんやろか」とか、「このあいだ荷作りの紐をしがんで遊んでいたから飲み込んだんちゃうやろか」とか、どうもよく分からないのです。もっとも、僕が慌ててしまったのと、気持ち悪いのとで、すぐにトイレで流してしまったのです。洗って、もっとよく調べればよかったのですが、そう気が付いたときはトイレの中でした。

ただ、長すぎるのですが、お腹の虫かもしれないとは考えたので、インターネットで調べたら、当たりでした。そんなに長いのもあるのだそうです。早速、お母さんと慧祐はチップとチップの検便を持って、獣医のところへ行きました。それで、野生の蛙や蛇を食べないとならないような、尭虫やサナダムシの仲間をお腹に宿していたことが分かったのです。

治療と去勢

獣医の診察を受けてチップが雄であることも確定したのですが、「次の診察で尭虫の駆除に強い薬を使うので、麻酔を打たないといけません。ついでに去勢もします」と当たり前のように宣言するのでした。僕は実のところ雄なら去勢はいいかと思っていたのです。マーキングをそこらじゅうにするのは、外出を許せばしないだろうと軽く考えていたのです。去勢をしないで外出を許せば、近所のメスに子供を孕まし迷惑をかけるのと、性病や伝染病にかかる危険があります。でもきっと、チップに聞いたら、「いやです、絶対に去勢をしないで外出を許してください」と言うに決まっています。

尭虫の駆除だけにしてくださいは家内もいいづらいようで、僕も獣医の意見が正当なのは分かっているので強くは反対できなくて、結局チップは去勢もされて小さいうちから「おかま」になってしまいました。

病院から帰宅

病院から帰ってきたチップは、メガホンに首を突っ込んだような格好をして迷惑げにしおれていました。去勢の後の傷口をなめようとするので、そのプラスチック製のメガホン様のものを病院から借りてきたのだそうです。強い薬を使われたせいか、その日は慧祐の座布団でまるまって眠ることが多く、たまに起きると何とか舐れないか悶えていました。

次の日は、まだメガホンは取れないのですがずいぶん元気を取り戻して、もうまるまって眠ることは少なくなくなったのでホットしました。ただチップの方は、元気が出て余計にメガホンが邪魔で仕方がありません。メガホンがあると、ちょっと走るとコン、またちょっと走るとコンとおもわぬ障害物に当るのです。一度、メガホンを力ずくで脱いでしまうものですから、ますます首を締め上げて装着され、余計に悶えることになったのです。

その次の日、メガホンを取ってもらうと、晴々として走り回っていました。

家の外への興味

最近家の外を、なんとなく眺めていることが多くなりました。朝に洗濯物を裏庭に干しに行くと、ずっと何をしているのかパソコン用の椅子の上から眺めています。もう一つは、外出する雰囲気を感じて付いて来るのです。そして、靴を履こうと玄関の上がり口に座ると、先にたたきに下りてドアーの前に座って開けてくれと言う様に顔を見上げるのです。無視して出ようとドアーを開けると自分も一緒に出ようと無理やり頭を突っ込んでくるのです。

「ダメッ」と言って足で押し戻すと、後ろで恨めしそうに見つめていました。

ごめんねチップ

「ごめんねチップ」本当は出してあげたいのだけれど、変な人間の事情で出してあげられなくて。お父さんは入院してしまったので、今は願いを叶えてあげられないのです。がんばって退院出来たら、最初にすることは、お外に君を出して自由にしてあげることと決めているからね。待っていてください。

                        君を大好きな父より

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2013年6月17日 (月)

私の世界・苦手な注射のムカツク話

今回の病院へ行くのは、形成外科の足の潰瘍治療以外に、内科チェックを受けます。

従って、形成外科は予約しているのですが、内科は申告して、「先に採血してもらって、形成へ行って、最後に内科検診です。」

と云うのです。

採血は注射が苦手で困るのですが、検査は“最近状態が良い?”と思えるので「楽しみ」でした。

採血で名前を呼ばれて、行くとベテランの看護師さんで少し安心したのです。当然、ベテランは上手なのです? が、腕を出す時に、「血管、よく見えますか?・・」と言われ、「アウト!」と思わず心で叫びました。

大抵、そのことを言う看護師さんは「注射が下手」は、長い経験で知っているのです。

なお悪いことに、腕を縛って注射針を刺す時、関節部(肘静脈)ではなく横の太く見える血管を目指して、

「ここが太くて、入りそう?」

と言って、無理やり「ブチュー」です。痛くて、かなりムカツキました。

以前、入院している時注射の上手な高尾さんが、「注射は肘の血管を狙うものよ!・・」と言っていたのです。「肘の内側は痛点の神経が少なくて、痛くなくて良いの!・・」だそうです。

「血管が見えへんのとちゃう?」というと「解剖学、何のために習ってると思うの?」と答えました。

そういえば、最近、関節部(肘静脈)に注射をする人がいなくなったように思うのです。「難しい?」以外に何か、新たな問題が出たのでしょうか?

「より簡単な、見えている、太い血管に!・・」という傾向があるように思うのです。それとも、看護学校で「解剖学を止め」にしたの、やろか?

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2013年4月 4日 (木)

私の世界・通院生活―病院で、「少し、悲しくなる時!?・・」

(その1

傷の具合が心配で先生に、

「足の傷の具合、どうですか?・・」

と恐々聞くのです。

「ええ、良くなっていますよ!・・」

と返事があって、少し安心します。

ふと見ると、先生が傷に軟膏(ユーパスタ)を塗るところでした。へらに思い切り盛って、塗ろうとしているのです。

お風呂で足を洗った後、どのくらい塗るのか聞くと「指で少し・・」って先生は言っていたのに!

(その2

病院の受付のとき、事務の女性の対応がやけに馬鹿丁寧で、幼児に話しているような物言いをします。

「“痴呆症のボケ老人”に見えるンやろか?・・」

と思うのですが、

「ハイ!分かりました・・」

妙に率直になって、返事している自分って?

(その3

何ヶ月かに一度、内科でヘモグロビンA1c等を検査します。

「数値が悪いのでは?・・」と先生に言うと、

「パーフェクトです。・・」との返事、

「でも、何で血糖値のコントロールが良いのに神経症は治らないのですか?」と聞くとニベもなく、

「不可逆的です!・・」

(その4

長く通院していると、トンデモない人に合うものです。

トンデモないとは、

「何であんなに悪くなるまで、よく平気で?・・」

というような見た目の人です。

でもよく考えると、分かっていないだけで自分もそうなのです。アホみたい!

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2012年1月31日 (火)

私の世界・入院生活―足を切断から救う

私の体験した糖尿病の合併症による足の壊疽についての最も参考にした意見です。ショッキングな内容で長いのですが大切なことなので全文掲載します。http://www.asahikawa-med-surgery.net/cases01/vasc06/

元のホーム・ぺージには患部写真の例もあります。

足の壊疽は単に足が問題だけではないのです。動脈硬化が進行していると体全体の問題になるのです。従って足の切断によって命を取り戻しても『4年で25%が亡くなり、40%が反対足の切断あるいは切断した側のさらに高位の再切断を受ける。』のだそうです。

「癌よりましや?・・」と高をくくっていたのですが、読んで顔面蒼白になりました。

ラッキーなことに低コレステロール体質が幸いして、動脈硬化はそれほど進行していませんでした。それと、整形外科でなく外科に行ったのも足の切断に到らなかった原因の一つのようです。

『<あなたが拒絶しない限り切断されます>

(旭川医科大学第一外科のホームページより)

○切断に至る過程

膝下や膝上の切断は現在世界中で行われています。その多くは、救肢できるのに切断されていますが、事情は、日本と欧米では若干の相違があります。日本では血管外科医の技術レベルが低いため難しいバイパス手術ができない一方、内科医の多くはバイパス手術の有効性を理解せず、壊疽になったらいきなり整形外科を紹介します。整形外科医は切断を商売にする医者ですので、紹介されたらそれ以外は考えません。患者さんが切断を拒否しない限り、整形外科医は、同意が得られているものとして、切断に向けて準備をし、切断を完了します。患者さんは、内科医の言われるままに整形外科を受診し、あれよあれよという間に切断されてしまうわけです。この過程では誰がもっとも悪いのかわかりません。切断の主犯はいません。あなたが拒絶しない限り切断されます。

○欧米と日本の違い

医師の報酬は日本では病院が支給し、手術の数とは関係がありませんが、欧米の場合、外科医の報酬は保険から手術1例当たり15万円位支払われます。これは切断とバイパス手術で大きな相違がないため、時間のかかるバイパス術より1時間以内に終わる切断術をたくさん行って自己収入を増やそうとします。バイパスでも3時間以内の手術が多く、簡単な例を選択し、実施される傾向にあります。日本は簡単な手術でも困難な手術でも外科医個人の収入は同じです。そのため欧米では行われないような長時間に及ぶ手術も積極的に実施され、簡単な手術を選ぶようなことはありません。

○どんな時切断が必要か?

切断をせざるを得ない場合はあります。足が壊疽になり、炭のように黒くなる。その範囲が足首を越えた時は、踵を救えませんので、切断となります。壊疽が感染して、感染が足首を越えた時も、バイパスができない場合には膝下切断になります。

○血行障害があるとなぜ膝上か膝下で切断するのか?

壊疽や何週間もあるいは数か月も治らない潰瘍は、その部分だけ切断してしまえば足趾が多少短くなっても早くよくなるように思われがちです。しかし血行障害のある足を切断した場合、その傷は治らず、1〜2週後には開いてしまい、さらに大きな傷ができます。さらに上で切ってもまた開きます。結局、切断は膝下か膝上で切断するしかありません。膝下や膝上の切断を大切断といいます。大切断は通常は整形外科に委ねられますが、整形外科ではできるだけ一回の手術で切断端を直そうとするため十分血行の良いところまで切断の位置を高位にとります。太ももの動脈(大腿動脈)が閉まっている場合は膝上切断となり、この頻度は少なくありません。

○切断術は血管移植手術より安全か?

手術時間は短くてもこの大切断も一回の手術です。全身麻酔をかけ手術をするので、手術危険率は同じです。飛行機と同じで、飛行距離が短いからと言っても離陸と着陸過程は一回ずつ必ずあるので、墜落の危険性は長距離飛行とあまりかわりがないのと似ています。実際、大切断手術がもとで1か月以内に亡くなる率は20%といわれています。

○切断して義足で歩けるようになるか?

老人の膝上切断では歩くことは不可能です。一方、膝下切断では義足による歩行訓練(リハビリテーション)を行います。これは若い人で3か月、70才以上では6か月はかかります。それでも歩けるようになればよいのですが、予定どうりに進まないことが起きてきます。切断しても、もともとの閉塞性動脈硬化症という病気が終結するわけではありません。このような動脈硬化の病変は、全身の動脈にありますが、足では対称性に両側にあることが多いため、6か月もしない間に反対の足にも同じような虚血性潰瘍や壊疽ができてきます。結局、片方が切断されてその歩行訓練中に反対側の足も同じ状況になり、結局は歩き始める前に両足大切断の危機が訪れます。両足を切断した老人(70才以上)は最早、自力で歩行することはできません。今ひとつの問題は、切断した側の足も血行障害がありますので、義足による圧迫がもとで新たな潰瘍をつくってきます。切断端に潰瘍ができますと、結局、その潰瘍が痛くて義足をつけられず、数週間かかって潰瘍が治ったとしてもまたできますので、結局、義足をつけられずに車いすか寝たきりになります。

○切断すると長生きできない

切断により足は使わなくなれば血液の流れが少なくなります。全身の活動性が低下すると、切断した足はもとより、残された足も、脳も心臓も血流が少なくなります。こうなると動脈硬化がさらに進行し、しかも動脈硬化の血管内面は粥腫が顔を出して血の塊(血栓といいます)が沈着し易くなっており、血流の減少はある時突然広い範囲に血栓をつくって動脈を閉まらせます。こうなると急性血栓症といって多くは命を失うことになります。デンマークにおける大切断を受けた2880人の調査では4年25%が亡くなり、40%が反対足の切断あるいは切断した側のさらに高位の再切断を受けており、一回の切断だけで4年間を過ごせた人は36%に過ぎなかったと報告されています。別の報告では、下腿切断を受けた患者が2年後には、15%の人が、反対の足の切断を受け、さらに15%は膝上の再切断となっていますが、問題は30%の人が亡くなっているということで、これは大腸癌の死亡率を上回っています。これらのことは、「片足にできた小さな潰瘍・壊疽でも切断しないでそれをしっかり治さなければやがては両足を失い、さらには命を失う」と言うことを明示しており、「切断したら長生きはできない」ということを知らねばなりません。下肢大切断は血行障害のある足に対する治療ではありません。』

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2012年1月 2日 (月)

私の世界・入院生活―背中の痒み

朝早くなのにシャリシャリと音が病室中に響いたので看護師の人が聞きつけて飛んできました。カーテンを開けて分かったのですが前のベッドの人がただ背中を掻いていただけでした。

「ビックリした。刃物でも研いでいるのか?と思ったわぁー・・」

と言いました。

「刃物でも研いでいる」は物騒で不穏当な発言ですが、無理も無いので彼は刺青をしていて何かと強持ての発言をしていたのです。

肝臓を悪くすると老廃物や毒素が処理できなくなって、体中の皮膚が痒くなるようなのです。彼も腹水が溜まって来るほど肝臓や腎臓が悪くて、背中一面に吹き出物が出来て、「汚い、背中や!?・・」と言ってました。

私も時々背中が痒くなるので、入院のときの持ち物に「背中掻き」が必需品なのです。内科の担当の先生に相談したら「老人性掻痒」とにべもありません。

背中を掻きたいのを我慢して、熱いシャワーにかかると本当に気持ちが良いものです。ただ、入院中のシャワーは火傷を心配して、熱くならないように調節してあります。「蛇の生殺し」というか“ぬるい”ので少ししか痒みに対抗できず、気持ちよくならないのです。

看護師の人に「もう少し熱くならないの?・・」というと「熱くすると、余計、後で痒くなりますよ!・・」という返事です。皮膚は乾くと痒くなるので、熱いシャワーに入ったままだと乾燥し易く、痒くなるのは分かるのですが「メンソレ」などをぬれば良いのです。

「家に帰ったら、思う存分熱いシャワーに入ってやる!・・」が入院中の小さな望みでした。

話しは別に:看護師さんに『背中に「メンソレ」塗って!・・』は最初、気兼ねしてなかなか言い出せませんでした。素手で塗ってもらうのは悪い気がするし、頼むとわざわざ手袋を着けられるのも興醒めです。(本来は手袋が原則)

やっとの思い出「メンソレ」を塗ってもらっていると、「刺青の彼」が目ざとく見つけて呟きました。

「結構、きれいな肌してるやん!・・」

「エッ?・・」

何か、ゾッとしました。

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2011年12月12日 (月)

私の世界・入院生活―人の気持ちの不思議

入院生活も長くなると鬱の気分が日常化して周りの人の評判や噂・態度が気になります。ナースコールをしても来ることが遅かったり、食事の配膳がいつもの順番でなく後回しになったりすると、

「嫌がられている・・?嫌われているのとちゃうやろか?・・」

という気になるものです。

同じ環境に長く閉じ込められて、閉塞感に苛まれて来るとその場の主導権を握っている、医師や看護師さんはある意味の絶対権力者なのです。

そんなとき、人によりますが対抗上威張りだす人と逆に妙に卑屈になってしまう人がいます。患者側からすると「なるべく優等生でいてよい治療・サービスを受けよう」と思う人から「ここぞとばかりに要求しなければ損だ?」という人がいるのです。

看護師さんも出来るだけ「誰でもどんなときも平等に優しく」というのは難しいことのようで「上から目線の高圧的態度」から「サービス本位の低姿勢」まで「あり」なのです。

従って病院内は観察するとそのような思惑の魑魅魍魎・精神混沌状態が日常的に存在しているのです。

私が一番困ったのはそんな状態の中で、普通の気持ちでニュートラルに過ごすことです。ある意味私は気を回しすぎの性格なのか、人の話し方や態度が心に妙に響き過ぎるのです。

これを言うと家内から「へえー、鈍感なあんたがぁー?・・」と言われるのが必然なのも不思議なことです。

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2011年12月11日 (日)

私の世界・入院生活―糖尿病食の生活②

入院当初は自分の病気がどうなるのか不安もあって、緊張しているので糖尿病食も我慢できるのです。ある程度状況が分かってくると精神的な余裕が出てお腹が減ることに気が付きます。整形外科の入院ですから食事を制限している人、仲間が同室にはいないのです。

抗生剤の点滴のおかげで、鼻詰りや歯槽膿漏も治ってしまいます。おかげで臭いや食べ物の音に敏感になり、前のおじいさんが何かを食べようとすると、「あっ、プリン!・・」と分かってしまうのです。隣の人のおかきを食べる音がことさら耳に響くようになります。断食道場へ行ってお腹が減ると、ゴミ箱に捨てられたミカンの皮も「食べてみようか?」と思う話は本当だと思いました。

一番困ったのは隣の中年のテニス講師が、寝る前に必ず御煎餅を食べることでした。近くにバットか金槌があったら、手にしていた可能性があるほどむかつきました。

日がたって検査の度に、糖尿病の指標となるヘモグロビンA1cが下ってくるのが励みになって来ると、ひもじさにもなれさほど辛くはなくなりました。

入院生活で、「日にち薬」と言う言葉を知りました。薬と同じに時が状況を改善・癒してくれるのです。

病室にいると誰かが何か食べたり、お見舞いの人が食べ物を持ってくることに出くわします。血糖値を下げるための運動と好奇心から、病院中を松葉杖で探検しました。

注)「日にち薬」は使う患者の状況によって意味が微妙に異なります。あと少しで退院の人は「日にちさえ過ごせば?」となり、治る見通し、特効薬の無い患者には「日にちしか、ない!」のです。

ヘモグロビンA1c:ヘモグロビンA1cのヘモグロビンに対する割合は血中グルコース濃度(血糖値)に依存し、糖尿病治療における血糖コントロールの指標として用いられる。ヘモグロビンの生体内における平均寿命は約120日であり、ヘモグロビンA1cのヘモグロビンに対する割合は、過去1ヶ月〜2ヶ月の血糖値の指標となる。(=ウィキペディア)

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2011年11月18日 (金)

私の世界・入院生活―糖尿病食の生活①

糖尿病で入院すると当然食事は糖尿病患者用の食事となります。低カロリーで味付けも薄いもので、他の患者の人達も「不味い!・・」と評判の代物です。

最初の入院時は75Kあった体重が見てる間に60K台になりました。糖尿病は蛋白が出て痩せると聞いていたので『このままずっと痩せていくのでは』という恐怖感と戦わねばなりません。人によりますがそのために糖尿病食以外に食べ物を取ってしまって失敗する人がいるようです。

私は幸いなことに68Kでバランスして痩せなくなりました。入院当初の蛋白の擬陽性?も腎臓の所為ではないようで以降は出なかったのです。

食寺の内容は、

朝:パン90gとジャム少し、牛乳、果物(バナナ1本など)

昼:きつねうどん、ご飯50g、煮物小鉢

夜:ご飯200g、焼き魚、筑前煮、果物(りんご4分の1

の様なもので意外と炭水化物が多いので驚きます。特に夜のご飯200gはどんぶりに軽く一杯で、私がそれまでお茶碗に軽く一杯だったので病院の糖尿病食の方が多いのです。(もちろん晩酌ビールを飲んでいたからです。)

食事以外の間食はダメですからトータルで1600㌔カロリー(20単位:1単位は80㌔カロリー)が目標なのです。だいたい、朝6単位、昼6単位、夜8単位程度です。

カロリー制限食はお腹がすいて辛いものですが、皆が不味いという食事も待ち遠しくて美味しく食べられました。ラキーだったのは抗生剤の点滴のおかげで鼻詰りや歯槽膿漏も治ってしまって、芳しい食事が楽しめました。

病院は保温気で保温した食事を出してくれたので、例えば「食パンがこんなに芳しく美味しそうな食べ物だったのか?」と感動しました。

良い事には必ず裏があるもので、そのためのかなり酷い目に遭います。

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2011年11月 2日 (水)

私の世界・入院生活―苦手な注射②

「自律神経失調は我慢して、肝臓の方が数値が良くないので、毎日肝臓の良くなる薬を注射しますから来なさい!」ということで注射に通うことにしました。ところが、その注射をする看護師の人が下手なのです。血管が見つからないと腕の関節辺りを深々と注射針を突っ込んで「おかしいなあ何処にいったんやろ?」と探し回るので、関節の軟骨を傷つけるのではと気が気ではありません。やっと見つかっても無理に注射液を入れるので洩れてしまって腕が腫れて来て痛くなってくるのです。

もともと血管が細くて硬い体質なのか、チューブで縛っても余り血管が浮き出ないです。悪いことに中学生のときから柔道で腕を鍛えているのでよけい血管が硬くなったのか「看護師泣かせの腕?」(意味を間違わないように!)かも知れません。

肝臓より腕の方が心配なので毎日注射に行くのは「止め!」にしました。肝臓はお酒を止めて一月もして再検査したら殆ど正常に戻っていたのでが、腕の注射で腫れた部分は一部がしこりのようになって残ってしまいました。

子供のときから注射は苦手でしたが、そのことがあって決定的に嫌いになったのですが、幸か不幸か入院すると糖尿病食で痩せて腕が細くなり血管が浮き出てきて血管注射が簡単に出来るようになりました。

入院生活では注射や点滴は付き物です。斜め前のおじいさんは点滴の針が入らないので大変な苦労をしていました。私はずっと針を刺しておくのはイヤなのでそのつど注射して点滴しましたが、今の点滴は針を固定しておいて何回かその針を使っているようです。おじいさんもそれをしているのですが、当然使っていると針が詰まったり外れることがあって大騒ぎになります。23日に一度はその騒ぎがあるので分かったのでが、そんな時に血管注射の上手と下手で騒ぐ時間が違うのです。上手な人は一度来てほんの数分で処置が終わり二度と来る必要がありません。下手な人はなかなか点滴を入れられずに時間がかかり、点滴が入るようになっても直ぐに漏れ出してナースコールされ、何度もそれを繰り返すのです。

おじいさんは針を入れ替える必要のある日は上手く針がさせるように、朝早くからお湯で腕を温めたり叩いて血管を出そうと涙ぐましい努力をしていました。

「点滴の注射が専門の人」を置いておけばと思うほどです。親しくなった看護師さんは、私がコンピュータ・システムを専門にしていると聞いて、

「点滴注射を自動的にしてくれるロボット作ってくれへん?作ったらものすごく儲かるよ!・・」

と言ったのですが、

「残念だけど、上手く針を刺すことは出来てもおじいさんのような脆い血管をロボットはどうすることもできないよ!」

と話しました。

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